斎藤秀俊の眼

科学技術分野と水難救助、あるいは社会全般に関する様々な事象を一個人の眼で吟味していきます。

回転翼機による救助2

2015年09月30日 01時26分40秒 | 斎藤秀俊の着眼
今日は、ある放送局から、釣り中の転落事故にあわせて啓蒙番組を作りたいという相談がありました。海中転落したらもちろん浮いて待てということですが、救助がくるまでに浮きながらある程度流される場合があります。

そういうときには、上空から回転翼機が捜索に加わることが多いのですが、空からといっても浮いている人間をひとり探すのは容易ではありません。私も回転翼機に乗って上空から浮いている人を探したことがありますが、場所がわかっているから500m先くらいから発見できましたが、場所がわからなければ、いない所も探さないとならないので、いても見つけられない場合があります。とにかく救助に入る前の捜索が難しい。捜索のときには低くても100-200フィート(30mから60m)、ある程度の速度をつけて探すなら、500-1000フィート(150mから300m)くらいの高さからですから、へたするとスカイツリーの展望台から陸上の人をひとりずつチェックするような感じだと思ってください。

赤外線カメラを搭載している機体だと、それを使うこともあるそうです。海水の温度と体温の差がくっきりでるので、体温のあるものをより早く発見できるそうです。

要救助者の姿を追っていればいいというものでもありません。
海上とはいっても送電線のあるところがありますし、河川であれば当たり前に送電線があります。
航空隊に聞いたところでは、捜索・救助のときには、現場の送電線の位置を全部頭の中に入れて行うと話してくれました。過去には、瀬戸内海で海上保安庁の回転翼機が送電線にひっかかり、墜落した事故もありました。ちょうど送電線の話を高知県の航空隊から聞いた後だったので、びっくりした覚えがあります。

いずれにしても、転落したら海面から携帯やスマホ(もちろん防水パックに入れて)で119番あるは118番通報すれば、たいていは位置情報も送信されますので、ピンポイントで捜索してくれることになります。こういう機能で命がより確実に助かります。


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4年生実務訓練壮行会、3年生入室歓迎会、8月修了卒業おめでとう会

2015年09月29日 23時56分18秒 | 日記
研究室の行事をイッキにやってしまいました。
今年は実務訓練に4年生8人が出発します。そして3年生は3人が入りました。
一通り、実務訓練に行く抱負を述べたり、自己紹介したりがおわり、8月修了した学生にプレゼントが渡され、そして私に6年間の副学長の職務お疲れさまでしたということで、花束をいただきました。サプライズで、感激しました。


最後に全員で恒例の記念撮影です。実務訓練には10月から1月いっぱい出かけます。みんながんばれ!

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原信ナルス中之島DCを見学しました。

2015年09月28日 23時34分54秒 | 企業訪問記
新潟県、長野県、富山県にまたがって75店舗を展開する原信ナルスの店舗に常温貯蔵が可能な常温在庫センターを見学しました。
このセンターは入荷した品物を一時在庫したり、各店舗に自動で商品を仕分けして、出荷する機能を持ちます。

今回は、長岡技術科学大学技術開発教育研究振興会の企業見学の一環でおじゃましました。
到着して外観を見た様子です。


センター内を見学している様子です。ここは出荷バースといって、それぞれの店舗ごとに振り分けられた商品をトラックにつみところです。


トラックの配達便の出発時間が決まっているので、それに遅れることなく自動で振り分けられた商品を出荷バースに準備します。商品の種類と個数はお店ごとに注文が入ってくるので、それが自動仕分けされてここに集められるわけです。箱ごと出荷する製品と、6個ずつで出荷する製品といろいろあり、それらを組み合わせて間違いなく準備するノウハウが蓄積されていました。

なお、生鮮食料品については、別のセンターで常時室温15度の中で仕分けされるそうです。

帰り際にみた田んぼの様子です。すでに多くの田んぼで稲刈りが終わっています。もう新米が出回っています。やはり新米はおいしい。

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回転翼機による救助1

2015年09月27日 13時10分38秒 | 斎藤秀俊の着眼
先日の豪雨のうち、鬼怒川水害では、回転翼機による救助者は茨城県全体で1,100名以上となったようです。FlyTeam ニュースという航空会社、マイレージ、空港、航空機機材に関する航空ニュースをほぼ毎日配信している新聞によれば、「自衛隊は 空自、陸自のUH-60、海自のSH-60など計15機による救助活動により10日20時までに254名救助。自衛隊、消防、警察、海上保安庁など各機関の回転翼機が救助活動にあたり、内閣府によれば9月10日18時現在で回転翼機38機が投入されて、救助者数は265名以上」としています。

防災ヘリは 茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都の6機、警察へりは 6都県警察の8機、海上保安庁は全国の基地から急行した7機だそうで、これらが救助活動にあたったようです。

私は、高知県や横浜市の防災ヘリと共同で、特に水難を意識してこれまで多人数吊り上げ救助の訓練を行ってきました。防災ヘリの搭乗時間はそれなりに多いと自負しています。吊り上げ、吊り下げも経験しています。このような活動はすでに東日本大震災の以前から行っていて、そういう活動が東日本大震災以降に急速に広がったと思っています。

このような災害現場において多くの人命を救助できたのは、各航空隊による不断の吊り上げ救助訓練の成果であることはいうまでもありません。災害現場での要救助者の発見、電線などに注意しながらのアプローチ、ダウンウオッシュの影響を最小限にするためのアプローチ方法、適切な高度、吊り下げられた救助隊員の障害物への激突防止、付近の航空機との接触防止、要救助者の確保、吊り上げ方法、救助隊員の収容タイミング、複数人の吊り上げ、燃料との相談などなど、機長の高度な判断ばかりでなく、退隊員との密接な意思疎通がなりたたないとならないことばかりです。

さらに、今回の大規模救助を支えた災害救援航空情報共有ネットワーク(D-NET)は、工学的観点でもたいへん重要なシステム整備だと思いました。医工連携が叫ばれてだいぶたちますが、病院内ばかりでなく、災害救助現場でも工学的センスを必要とする事柄がたいへん多い。こういう分野に多くの工学専門家が入ってくれるとうれしく思います。

以上のことについて、解説していきたいと思います。

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インドネシアのErwani Ngさんから

2015年09月26日 22時42分07秒 | 水難・ういてまて
さきほど投稿したuitemate 3 の作者のErwani Ngさんからコメントが寄せられました。
Hi, we are at Indonesia. The floating technique is good for everyone, mostly for little kid. My sons learn it by themselves. Not so difficult if the kids already know basic of swimming.

(こんにちは。インドネシアに住んでいるよ。浮くってみんなにとっていいことだよね、特に子どもたちにはさ。うちのチビどもなんて自分でできるようになっちゃって。ちょっと泳ぎを習ってれば、ぜんぜん難しくないよ)

なんだか、uitemateってインドネシア人の感性にとてもマッチしているのでしょうか?
そういえば、洪水に見舞われたジャカルタ市内の映像がテレビで放映されていたときに、映像の中に背浮きをしている人を発見しました。
全然緊迫感がなくて、何か背浮きの練習をしているように見えました。

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