そもそも水難には必然性があって、なるほどという原因が存在しています。
今回の加治川の水難は、人が川で遊んでいる(人が現場にいる)ところに、人が流れてしまうほどの水量の水がいっきに押し寄せてきたところに原因があります。人がいなければ水難にならないし、水量が急激に増えなければ水難は起こらなかった。
しかしながら、もっとも大きな原因はここに見ることができるのではないでしょうか。
同じような注意掲示は全国各地で少なくとも私が子供の時からあります。ところが、記憶にある限りではずっと昔から内容に変化がないように思います。この注意書きが「景色の一部」になっていることに気が付かなければなりません。こういった慣れが本質的な原因になるわけです。「いままで誰も死んでいないし、どうせサイレンなんて、だれも気にしないから」と思ってしまったら、事故が起こる方向に向かうだけです。
さて、この注意掲示の内容ですが、私の子供のころからの疑問が全然解決されていません。
①サイレンは6回だけなるの?
②サイレンはいつの時点で始まって、いつの時点で終わるの?
③放流されてから、この場所で水量が増えるのは何分後?
④そもそも、どれくらいの大きさでサイレンは聞こえてくるの?
情報として重要な、いつ、どこで、だれが、なにを、どうしたのうち、「いつ」にあたる情報が「水を流すとき」だけです。ここが景色の一部になってしまう問題点です。余計な言葉が多すぎるので、そっちを削って、次の内容をしっかりと記載するべきです。
①サイレンの開始と終了のタイミング
②放流した水がこの場所に到達する時間
③上流(下流)何kmのサイレンが聞こえるのか