斎藤秀俊の眼

科学技術分野と水難救助、あるいは社会全般に関する様々な事象を一個人の眼で吟味していきます。

無機材料科学I

2011年07月19日 21時33分21秒 | 講義記録
今日は、X線回折の実務をじっくりと勉強しました。まず、小テストで、CsCl構造の[100]方向から見た透視図を答えてもらいました。そして、その図を使って、(100)回折が得られるか?(202)回折が得られるか、という問いをしました。CsClは単純立方格子なので、もちろん(100)回折は得られます。そして(202)回折は面が存在しないので、回折としては得られないはずです。それらの原理を透視図から説明できなければなりません。

実務でX線回折をとると、CsCl構造の(202)回折は得られます。なぜかというと、nλ=2dsinΘだからです。(101)回折の高次回折つまりn=2の回折が(202)回折の位置に出てきます。同じことでn=3, n=4で(303)や(404)も出現することになります。

単結晶回折法と粉末回折法とを勉強しました。単結晶の場合には、得られるはずのすべての回折が得られるわけではありません。試料台に平行の関係にある面からしか回折が得られません。

来週の試験に向けて、CsCl、NaCl、fcc, bcc, ダイヤモンド、閃亜鉛鉱、ペロブスカイト、ホタル石の構造はしっかりと頭に叩き込んできて下さい。もちろん、放射性崩壊、電子配置、波動関数も重要です。


2年生の基礎無機化学も本日最後の講義でした。来週、試験になります。
ダイヤモンドの熱伝導率がなぜ高いのか?しっかりと勉強するとなるほど、合点がいったと思います。白リン、赤リン、黒リンの構造上の違いについて、理解できたでしょうか。酸化アルミニウム(アルミナ)の別名はコランダムで、コランダムにある元素を添加するとルビーやサファイアになります。ある元素とはなんでしょうか。

Liイオン電池の構造はたいへん重要です。そのほか、重要な事項については本日講義中に話した通りです。来週の試験までにしっかりと勉強してきて下さい。
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