斎藤秀俊の眼

科学技術分野と水難救助、あるいは社会全般に関する様々な事象を一個人の眼で吟味していきます。

海上自衛隊館山基地見学

2012年09月08日 23時26分02秒 | 企業訪問記
館山基地には第21航空群があります。この航空群には、第21航空隊、第21航空整備隊、第23航空隊、第73航空隊、館山航空基地隊、第25航空隊が所属します。今回は、特に第21航空隊を中心に、航空救難に使用する資機材の素材に関する調査と救難隊の活動に関する調査を行いました。さらに、たいへんよく整理されている資料館があるということで、資料館の見学も行いました。

まず、第21航空群の中田司令(海将補)を表敬訪問し、その後回転翼機の見学を中心に基地内をまわりました。東日本大震災で発災後すぐに被災状況調査のために航空機がこの基地からも飛び立ちました。実はそればかりでなく、日頃から伊豆諸島や小笠原諸島からの傷病者の搬送で活躍しており、東京都知事からの感謝状が贈られたそうです。これまでの救難活動で救助した方の数が庁舎内に掲げられていました。それにしても小笠原諸島にはたてやまから回転翼では直接いけないよなあ、と考えていたら、小笠原へは硫黄島から飛んでいくそうです。そして館山と硫黄島は直接回転翼機で行けるそうです。


第21航空群で使用されている救難回転翼航空機はUH-60Jです。もともとシコルスキー社の開発した機体ですが、わが国では自衛隊向けに三菱重工が製造しています。全長が20mにも及ぶため、室内は広く、ストレッチャーで11台分の収容容積があるとのことでした。海上で使用しているため、飛行後に水洗いをしているとはいえ、エンジン回りなどからオーバーホール点検時には相当な量の塩がとれるそうです。


両脇には遭難者捜索用の半球状のアクリル製の透明窓がついていました。室内から窓をのぞくと、上下左右楽々と確認することができました。東日本大震災のときには千葉県沿岸に押し寄せる津波をUH-60Jから映像に収めたそうですが、この半球窓を使うと確かに障害なく状況を撮影することができそうです。

水難救難時には、ホイスト降下により海面に到達する場合と、潜水装備を装着した状態で直接入水する場合とがあるそうです。直接入水をするためには、資格が必要だそうです。直接入水の時には機体を水面高度3mくらいまで下ろすことがあるそうです。3mの高さの波なんて普通にありますから、直接入水による救助は命がけの作業だということは容易に想像できます。

基地内にある資料館です。戦前と戦後の資料にわかれていました。
旧海軍の礼服


旧海軍の小物


兵役に就く際に掲げられたのぼり


たいへんきれいにまとめられているばかりでなく、貴重な資料がたくさん展示してありました。持ち主が亡くなったあと遺族が遺品整理をしていてでてきたものが多いそうです。




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