木・うんちく

木材と人間の関わりを考えて思うままに・・・

43. 木について考える:年輪について

2013-11-05 12:45:10 | ウッドデッキ

毎年中学生年代の生徒に木材と木工について教える機会がありますが、
大人も含めて、ほとんどの方が木材に対する誤解の第一歩はこの丸太の断面からです。
私が小学生の頃は、校長先生から「木は年輪がある。暑い夏は大きく成長するが、冬は硬い年輪となる。
君達も、冬の寒さにめげず、しっかり頑張って硬い年輪を作りなさい。」
と言われました。又理科の時間でも同様に習いましたが、実態は少し違います。

■年輪の大きいところは春に成長します。
年輪の小さく硬いところは夏に成長します。
秋と冬は成長しませんので年輪はできません。

■年輪の外側の白い部分(辺材)は樹木で生きているところです。
この部分で水を吸い上げたり、養分を運んだりします。
しかし中の色のついているところ(芯材)は、
腐朽菌から身を守るために木材が「毒」をため込んだところです。
そしてこの部分は細胞としては死んで、
単に樹木をささえるだけの役割となります。
木によって毒の色は異なります。桧であればピンク色ですし、
熱帯雨林の木材になると、腐朽菌の繁殖も激しいので、
それに対抗して、黒檀の真っ黒けであったり、ローズウッドの赤や紫のような鮮やかな色になります。
そしてこの毒が木材の趣きのある色となります。
(腐朽菌には毒かもしれませんが、人間にとっては、たいていの場合、良い香りですし、綺麗な色ではあります)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする