木・うんちく

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277.木材工法の特許 その2.淀川を自然護岸に戻す木工沈床

2025-02-15 12:26:51 | ウッドデッキ
木工沈床(もっこうちんしょう)とは、河川の護岸工事に使われる伝統的な工法です。木材で組んだ枠の中に自然石を入れて、川岸を安定させるために設置されます。
水の中では木は腐りませんので、耐久性が高く、水生生物にとっても良好な生息地を提供し、環境保全にも寄与します。この工法は、自然環境に配慮しながら川の治水や防災を行うための効果的な手段ですので、淀川を自然護岸に戻すプロジェクトとして国都交通省発注の工事となりました。
通常であれば、川の一部を堰き止めて丸太を組んでいくのですが、
そんなことを淀川でするととんでもなく費用が高くなります。
そのためあらかじめ組み上げた木工沈床に砕石を詰めて水中に降ろす仕様にしたのは良いのですが、
当初の設計仕様に入っていたものはワイヤーを木工沈床に巻き付けて吊り下げる方法。
しかし、それではワイヤーが水中で絡んでしまって取れなくなる可能性が高く、又、丸太に欠点があった時に吊り下げた丸太が破断してしまう危険な要素のある方式でした。
かくて、困ったゼネコンが弊社に相談があり提案したのがこの方式です。

木材の中のボルトを大型のU字ナットで簡単に着脱でき、安全で、スピーディに作業ができるようになりました。

特許出願はすぐにオープン前に行いましたが、弊社が出願した特許の中でも、最も早く特許庁の認可が降りた申請でした。
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