木・うんちく

木材と人間の関わりを考えて思うままに・・・

44. 広葉樹と針葉樹の違い:そもそもの存在から考える

2013-11-09 09:55:42 | ウッドデッキ


広葉樹と針葉樹の違いはと言われると、葉っぱが大きいか細いか以外はあまり理解されていません。
英語では葉の大きさでなく、木の性質である堅さを元に、
広葉樹のことはハードウッドと言い、
針葉樹のことはソフトウッドと言います。

しかしこの言い方は例外があり、
桐の木は日本の中では最も軽くて柔らかい部類に属するハードウッドですし、
模型に使うバルサは、世界で一番柔らかい木にもかかわらず「堅い木ハードウッド」となります。

広葉樹と針葉樹の違いは生物として考える分かりと易いところがあります。

つまりどちらの方が生存競争の中で生き延びやすかったかと言うことです。

恐竜の時代には針葉樹だけだったものが、周りを見渡すとほとんどが広葉樹ですので、
広葉樹が生存競争の勝利者と言うことになります。

かくて、針葉樹は海辺や、寒冷地のような条件の悪いところに追いやられてしまいましたが、

針葉樹の人間にとっては使いやすい性質のおかげで、杉やヒノキは日本の山にたくさん人工的に植えられて、
日本中の山は針葉樹だらけと言う自然ではありえない姿になりました。
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43. 木について考える:年輪について

2013-11-05 12:45:10 | ウッドデッキ

毎年中学生年代の生徒に木材と木工について教える機会がありますが、
大人も含めて、ほとんどの方が木材に対する誤解の第一歩はこの丸太の断面からです。
私が小学生の頃は、校長先生から「木は年輪がある。暑い夏は大きく成長するが、冬は硬い年輪となる。
君達も、冬の寒さにめげず、しっかり頑張って硬い年輪を作りなさい。」
と言われました。又理科の時間でも同様に習いましたが、実態は少し違います。

■年輪の大きいところは春に成長します。
年輪の小さく硬いところは夏に成長します。
秋と冬は成長しませんので年輪はできません。

■年輪の外側の白い部分(辺材)は樹木で生きているところです。
この部分で水を吸い上げたり、養分を運んだりします。
しかし中の色のついているところ(芯材)は、
腐朽菌から身を守るために木材が「毒」をため込んだところです。
そしてこの部分は細胞としては死んで、
単に樹木をささえるだけの役割となります。
木によって毒の色は異なります。桧であればピンク色ですし、
熱帯雨林の木材になると、腐朽菌の繁殖も激しいので、
それに対抗して、黒檀の真っ黒けであったり、ローズウッドの赤や紫のような鮮やかな色になります。
そしてこの毒が木材の趣きのある色となります。
(腐朽菌には毒かもしれませんが、人間にとっては、たいていの場合、良い香りですし、綺麗な色ではあります)
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