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気ままに生活してるシニアの残日録

林美智子の『フィガロ』を観に行く

2023年07月11日 | オペラ・バレエ

読者の皆様の中に、今回の九州北部、山口県などにおける集中豪雨で被災された方がいらっしゃったとしたら、心よりお見舞い申し上げます。テレビの画面の土石流、川の氾濫のすごさに驚くばかりです。これ以上の被害がないこと、また、速やかに復旧されることを願っています。

先週の土曜日は、メゾソプラノ林美智子のセルフプロデュースによるモーツァルト作曲、ロレンツォ・ダ・ポンテ台本による傑作オペラ三部作『コジ・ファン・トゥッテ』、『ドン・ジョヴァンニ』、『フィガロの結婚』のうちの最後の『フィガロの結婚』を観に行ってきた。



アンサンブルのみで構成された、とびきり愉しいモーツァルトの世界を楽しめるというのが売り物だ。全アリアカット、重唱(イタリア語/字幕付)と台詞(日本語)だけで、モーツァルトのアンサンブル・オペラの醍醐味が味わえるという。先月、ドン・ジョバンニを観てよかったので、今回のフィガロも観ようと思った。

場所は第一生命ホールで、今日はS席、6,000円。当日券はなく、完売だそうだ。767席の室内楽用のホールだが、伴奏がピアノだけなので、ちょうどよい広さだ。

出演は

アルマヴィーヴァ伯爵:後藤春馬(バス・バリトン)
伯爵夫人:腰越満美(ソプラノ)
フィガロ:加耒徹(バリトン)
スザンナ:鵜木絵里(ソプラノ)
ケルビーノ/バルバリーナ:林美智子(メゾソプラノ)
バルトロ:池田直樹(バス・バリトン)
マルチェリーナ:竹本節子(メゾソプラノ)
ドン・バジリオ/ドン・クルツィオ:高橋淳(テノール)
アントニオ:志村文彦(バス・バリトン)
ピアノ:河原忠之

日本語台詞台本・構成・演出:林美智子

前回観たドン・ジョバンニの時(こちらを参照)の学習効果があって、戸惑うことなく観られた。出演者は皆頑張って演じていた、歌も演技もうまかった。ピアノの河原忠之もピアノを離れて演技に加わったりしてよかった。河原さんはNHKのクラシック倶楽部に出演していたときのインタビューなどを見ると真面目そうな人だと思ったが、このシリーズでは地で行っているのか、ひょうきんなところを出していたのがよかったと思う。このチーム一丸となって厳しくも楽しく訓練を積んで来たことが想像される。このような良いチームができるのも林美智子さんの腕であろう。

私はオペラはやはり悲劇ではなく、このシリーズのような喜劇やハッピーエンドが好きだ、この点映画の好みとは違うが。今後も新しい企画で新作をどんどん披露してほしい。例えば、セビリアの理髪師やメリー・ウィドウなどはどうか。是非見たい。