柏のキネマ旬報シネマで「ペトラ・フォン・カントの苦い涙(THE BITTER TEARS OF PETRA VON KANT)」(1972、独、監督ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー)を観た。
1971年にフランクフルトで上演されたライナー・ヴェルナー・ファスビンダーの同名戯曲を、翌年の1972年にファスビンダー自身が映画化したもの。 二度目の離婚をしたばかりのファッションデザイナーのペトラ(マルギット・カールステンセン)は、秘書のマレーネ(イルム・ヘルマン)と2匹の猫と一緒にブレーメンの高級アパートに住んでいる。親友の男爵夫人(カトリン・シャーケ)の紹介で、若いモデルのカリン(ハンナ・シグラ)と出会ったペトラは彼女に恋して一緒に住むようになるが、夫がある上に移り気なカリンはペトラの愛情が鬱陶しくなって出て行ってしまう。素気無くされたことでペトラのカリンへの想いは一層強まっていき・・・
特に事前の予習もせず、いきなり観たところ、映画の場面はペトラの家の中が大部分の会話劇、30分くらいしたところで眠くなった。ガムを持ってくるべきだったと後悔した。きっと戯曲をそのまま映画化したようなイメージでつくったのだろう、戯曲であれば場面転換は1度か2度だが映画の場合にそれをやられるとどうしても退屈になる。最後の方では見せ場があり何とか最後まで観られたが、見続けるのが結構苦痛だった。AmazonPrimeで観ていたら確実に途中で観るのを止めていただろう。
1972年の映画なので女優のファッションも今ではとてもこんなもの着ている人はいないだろうなと思いながら観ていた。また、ペトラとカントは同性愛という今はやりのLGBTを題材にしていると言うのも面白かった、さらに、ペトラと助手のマレーネの関係もそれらしい関係だ。このマレーネはほとんど話さないというか話した場面を思い出せない。
この監督や女優たちが好きな人でないときっと観ても退屈すると思われる。