RURUのひとりごっち

「博多にわか」な「独り言」と「ごちそうさま」を鍋に放り込んでなんだか煮てみたら・・・ひとりごっちが生まれました。

お彼岸の意味は「私」がいないこと

2006-10-10 12:26:42 | ふ~ん


てっちゃんてっちゃん カネテっちゃん
ちくわとかまぼこ ちょうだいな
は~い は~いまいど~ あ~りがと~さん

てな唄が頭の中をさえぎって、あさからちょっと気分は板付き、心は穴あきで
胃も痛く、お腹も鈍痛ですが、気を取り直し今日もなんとか生きていこう
穴のあいた心には何かを暗記して暗唱するのがいいかもしんないぞ。

4日に円周率83431桁の暗記の世界記録を持つ60歳の千葉県の原口さんが
記録更新で10万桁の暗唱に成功した、侍が旅に出て日本縦断し、中国から
シルクロードに渡りという物語に仕立てる工夫などで覚えたとか、休憩を挟んで
16時間余りかかったとか、原口さんいわく「永遠の世界に触れるようで心が
落ち着く」ことに気づき趣味となったと、ちょっと前の新聞に作家で寺の福住職
をされている玄侑宗久氏が書いていたけど、暗記というのは思考や理解するという
こととは別の脳の部分を使うそうで、暗記したものを再生するのには、文字を読んで
思考するより遥かに拾い部分を使うんだって、お釈迦様が弟子に話すことをメモする
ことを許さず、そっくり暗記するようにという考えだったのは、話すときに伝わる
音、表情、気配というものも含めて、口から口へと伝えていくようにという教えなんだね。

インドのバラモンたちも「ヴェーダ」という神への賛歌を丸暗記しているって
14世紀後半まで文字化が許されなかったから、仏教では理解しそれを記憶し
そのまま保つことを「総持」といって、梵語では「ダラニ」というんだって、
お経もそういったインドの口承文化が受け継がれたもので、暗記したお経を唱えて
いるとまもなくいい気持ちになり脳波はアルファー波になる、そして五感は冴え渡り
すべてが見え、聞こえる状態になるが、それらに対して一切の判断や好悪の感情は
持たないという、読経の最中に何か考えても必ず間違う、間違う「私」がいなくなる状態
を丸暗記したお経を読むことで作る、これが「お彼岸」の本質的意味なんだそう。

へーえ円周率を唱えているとき原口さんもきっと「お彼岸」なんだね、たぶん。
玄侑宗久氏のお父さんは2度の脳梗塞で2度ともお経は読めなくなったにもかかわらず
木魚をたたくと暗記しているお経が出てきたがって、やがて口の端にお経が登るように
なって、またすっかり読めるように回復したそう。
何かを丸暗記してそれを思い出そうとする時間は日常とは別次元の世界に行ける
おススメの、極上の癒しの時間かもしれないなあ、温泉に行くよりも・・・
でも温泉も行きたいが(笑)


今日の拾い唄「刈干切唄」
秋の風物詩「とうび」の作業の合間に謡う唄、高千穂が発祥の地
同町自然休養村では「政調刈干切唄全国大会」も開かれる。
(大がまや草刈機で刈り取ったススキやササを、天日干しにし束にして
2.5mの小山上に積む、冬の牛馬の餌として保存する。)

刈干切唄 (宮崎県高千穂地方民謡)

ここの山の刈干しゃ すんだヨ
明日はたんぼで 稲刈ろかヨ

もはや日暮れじゃ 迫々(さこさこ)かげるヨ
駒(こま)よいぬるぞ 馬草負えヨ

屋根は萱(かや)ぶき 萱壁なれどヨ
昔ながらの千木(ちぎ)を置くヨ

秋もすんだよ 田の畔道(くろみち)をヨ
あれも嫁じゃろ 灯(ひ)が五つヨ

おまや来ぬかよ 嬉しい逢瀬(おうせ)ヨ
こよさ母屋(おもや)の 唐黍(とうきび)剥き(むき)ヨ

歌でやらかせ この位(くらい)な仕事ヨ
仕事苦にすりゃ 日が永いヨ

高い山から 握り飯こかしゃヨ
小鳥よろこぶ わしゃひもじヨ

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