No Room For Squares !

レンズ越しに見えるもの または 見えざるもの

小さな駅を維持する努力

2022-07-08 | ローカル鉄道




由利高原鉄道の黒沢駅。当ブログによく掲載する曲沢駅(田圃の真ん中にある駅)の隣りである。線路は霞んだ山裾の田圃に伸びていた。冬になれば田圃はは、一面の大雪原となる。少し古いデータだが、この駅の利用者は2018年時点で一日10人ほど(ちなみに曲沢駅は2人)。その殆どは高校生か高齢者だと思う。由利高原鉄道は殆どの駅が無人駅で、有人駅は数えるほどしかない。黒沢駅も当然無人駅である。それでも駅前は綺麗に清掃され、駅舎やホームにはプランターに植えられた花が飾られている。鉄道会社はそこまで余裕がないので、近隣住民のボランティアだと思われる。「コスパ」とは無縁の世界がここにはある。

※ピンボケだったけど、花の写真掲載しました。

X-PRO3 / XF23mm F2R WR

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愛すべき駅でやりたいこと

2022-06-28 | ローカル鉄道
愛すべき由利高原鉄道。そしてここは毎度お馴染みの曲沢駅。本来6月の秋田県といえば、雨でも降れば肌寒く、何かを上着を羽織らないといけない場面も多い。それがこのところ、毎日蒸し暑い日が続いている。僕がもし学生で、しかも東北から遠い地に住んでいたとしたら、この夏は由利高原鉄道の曲沢駅を目指すのも悪くないと思う。きっとその頃には乾いた太陽が照りつけ、山肌には入道雲が見えるだろう。やっとの思いで駅まで着いたら、小型の冷却袋でキンキンに冷やした缶ビールをグビっと一気に飲みたいものだ。・・・。今の学生は、そんなことしないか。学生だったらと言いつつ、やることだけはオッサンのままだ。

X-PRO3 / XF14mm F2.8R





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巨大土偶が鎮座する駅舎(かなり大きいです)

2022-06-12 | ローカル鉄道




青森県つがる市にあるJR五能線の「木造(きづくり)駅」である。「巨大な土偶が出迎える迫力ある駅舎」として、東北の駅百選に選定されている。ふるさと創生事業(1988年、昭和63年〜平成元年)で建築され、駅舎は「木造ふれ愛センター」も兼ねている。もう見た目そのもので、遠目に巨大な土偶が鎮座する駅舎は異彩を放っている。というか、駅前は寂しいことになっているので、ほぼ土偶しか眼に入らない。ちなみに「ふるさと創生事業」は各市町村に1億円を交付し、地域つくり事業を自治体が自由に出来るというものだった。平成の大合併前なので、かなり小さな自治体もあったが、すべてに格差なく1億円が交付された。かなりの「とんでもない企画」を行った自治体もあったと聞くが、木造町(きづくり町)の場合は成功例と言えるのではないか。ちなみに、土偶の眼は夜になると赤く光る仕様になっている。地域の子供が怯えるので、光らすことは止めているそうだ。

それにしても、今の令和の世の中で同じ企画を行えば、「税金の無駄使いだ!」と猛バッシングが起きて頓挫するかもしれない。それはそれで住民の選択だと思うが、そういうマインドが長らく続くデフレ社会の原因の一つであることは間違いない。この木造駅が僕の「青森一泊二日町歩きの旅」の起点となる。


X-PRO3 / XF16-80mmF4 R OIS WR
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曲沢駅七変化

2022-05-11 | ローカル鉄道




上段の写真は。5月10日の由利高原鉄道・曲沢駅。相変わらず列車と遭遇出来なかったが、駅の前の田んぼには水が張られ、田植えの準備が進んでいる。少し気温は低めだったけど、5月らしい青空だった。さて下段だが、これは3月9日、丁度2ヶ月前の曲沢駅だ。何度も言って悪いけど、僕が左足を骨折した当日朝の写真だ。思い返せば3月に入ると、周囲の雪は殆ど溶けて、春が近いことを感じていた。ところが前日から再び雪が振り、田んぼも白く染まった。この日に僕は足を挫き(別の場所)、翌10日に病院で骨折と診断され、ギプスをつけた。季節の隔たりを超えて、隔世の感すらある。何という長い時間が・・・。

診断によれば、全治3ヶ月。つまり医療上のケアが不要になるときは、もう6月になっている。その頃には田んぼは、緑の若い稲穂に覆われているだろう。そして僕も不自由なく、東北の町並みを縫うように歩いていることだろう。


X-PRO3 / XF16-80mmF4 R OIS WR

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高畠駅で小さな一歩を刻む

2022-05-04 | ローカル鉄道




宮城県の鎌先温泉に行った。冒頭の散歩以外は、部屋と温泉で静かに過ごした。帰り道は、山形の街道経由で自宅に戻った。オートマ車の運転は全く問題ない。途中、高畠町に立ち寄った。まだ町中を歩くのは無理なので、旧・高畠駅の写真を撮った。鎌先温泉では古い旅館を見に行ったが、あれは松葉杖(一本)を持って歩いた。今回は松葉杖無しで、よたよたと歩いた。これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、僕にとっては偉大な飛躍である。まだ写真の善し悪しを語る段階にはないけれど・・・。


X-PRO3 / XF23mm F2R WR
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駅は千の顔を持つ

2022-01-04 | ローカル鉄道



同じ駅、同じ場所、同じ季節。変化するような要素は天候以外にない筈なのに、この駅は全く別の顔を見せる。今見た顔と5分後の顔が全くの別物に見えたりする。今年も、この駅に何度か行こうと思う。ちなみに僕の調査では、冬季間は鉄道マニア以外に乗降客は殆どなく、月あたりで数人しかいないようだ。この駅で人を見つけることは、宝くじで10万円以上当たることよりも困難かもしれない。

X-PRO3 / XF16-80mmF4 R OIS WR
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Take the Sea Train

2021-12-10 | ローカル鉄道
日本海の海沿いを走る「特急いなほ」。12月には珍しい(恐らく数回しかない)快晴。そして穏やかな海。本来であれば灰色の海と空、そして白く大きな波頭。カラーで撮っても、モノクロで撮っても変わらない景色だったかもしれない。今回は特に鉄道写真を撮ろうとはしたわけでない。というより、そもそも僕は鉄道写真を撮りには行かない。駅の写真を撮るか、偶然通過した車輌を撮るだけだ。この日も天気が良いので、高台に行って海の写真を撮ろうとした。丁度良いタイミングで列車が通過していた。

僕は、この「特急いなほ」に乗って、新潟市とか村上市に行くことがある。冬が多い。かなりの確率で、列車の遅延(強風による)が発生する。出来れば、こんな穏やか日に乗ってみたかった。ぽかぽかの窓際で居眠りしてみたい。


X-PRO3 / XF16-80mmF4 R OIS WR
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小さな秘境駅の四季

2021-09-13 | ローカル鉄道


秋田県の由利高原鉄道。田んぼの真ん中に浮かぶ小さな「曲沢駅」は、もうすっかり秋。稲穂は黄金色に染まり、稲刈りが目前に迫っている。ついこの間、真夏の景色を撮ったばかりだと思っていた。世の中がどうあれ、季節は移ろい行く。そういえば真夏の景色を撮った時は、「ついこの間、春の景色を撮ったばかりなのに・・・」と思った。春の景色を撮った時は、「ついこの間まで、真冬の景色だったのに」と思った。そうやって一年は過ぎていくのだな。

X-PRO3 / XF16-80mmF4 R OIS WR


※以下に、他の季節(夏、春、冬)の写真を再掲する。見比べると、より楽しいと思う。

(2021年8月)


(2021年6月)



(2021年1月)

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それでも待ってる 夏休み

2021-08-12 | ローカル鉄道
青空、白い雲、緑の稲穂。麦わら帽子、草いきれ。蝉の声、虫かごのクワガタ。麦茶、西瓜、仏壇に上がったお菓子。浴衣姿の同級生、帰省した隣のお姉さん。ラジオ体操、朝顔の水やり。屋台の縁日、夜の小さな花火。コロナ禍で夏休みの様相は変わってしまった。それでも、待ってる夏休み。

X-PRO3 / XF16-80mmF4 R OIS WR
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轟木駅〜人は「青春18切符の駅」と呼ぶ

2021-08-03 | ローカル鉄道





JR五能線の轟木駅。御覧の通り、目の前は「海」である。コロナ禍で今年は困難な状況となっているが、例年多くの若者が青春18切符で訪れる。この日は快晴で、とても気持ちの「夏休み」といった風景だった。しかし、ここは日本海。冬になれば灰色の雲と強烈な風。海は嵐のような白波を立てる。それはそれで旅情豊かで、捨てがたい風情でもある。(鉄道は運航停止が多いが・・・)。

僕は当然ながら車で行った。「いか焼き」→「驫木駅」→「深浦の町」の順で行った。もう30数分待てば列車が来る。どうせなら、列車と駅を撮りたい。そう思いつつも、深浦の町にある「太宰の煙草屋さん」が気になり撤収したのである。ちなみに煙草屋さんは既に解体されていた。これも夏の思い出となった。


X-PRO3 / XF16-80mmF4 R OIS WR
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