AGAINどころか、もう何度目か分からない土沢の町である。実は丹内山神社(2日前に掲載)は、土沢の町から近い場所にあった。距離的には8〜9kmしかなく、クルマで行けば10分と掛からない。田舎の論理でいえば、目と鼻の先、否、同じ場所と言っても良いだろう。そんなわけで当然、帰りに土沢の町も歩いてみた。参拝以外は何もする予定はなかったけど、何だか急に忙しくなった。神様が、「お前はもう一度、土沢の町を歩け。そして町歩きを続けろ」と言ってくれているのかもしれない。
僕は「東北コンプリート」と称し、東北六県の全ての市町村(旧市町村単位)で写真を撮ることを目指している。これまでに実に多くの町を歩いてきた。それぞれの県に、それぞれの特色があり、どの町が良いのかは簡単には言えない。断言できるのは、町の濃度で言えば岩手県の町が圧倒的だということだ(ちなみにインパクトでいえば青森県になる)。そのなかでも、水沢、摺沢、遠野、花巻、土沢、大迫、日詰、といった町が好きだ。その殆どは上原稔師匠に教えて頂いたものだ。何度目になるのか分からないが、土沢は何度歩いても良い。この町で写真を撮るには、ズームレンズも何もいらない。35mmレンズ一本で端から端まで歩けば良い。最近では色さえもいらなくなった(良い色なんですけどね)。足と眼さえあれば楽しめる町。こんな町はなかなか無い。
LEICA M10 MONOCHROME / Summicron M35mm ASPH