







「思い込み」は実に恐ろしい。「こうだ」と脳が思い込んだら、現にあるものすら見えなくなる。山形県真室川町である。小さな商店街の趣が気に入り、これまでに4~5回は来たことがあると思う。その商店街に「そば屋」さんがある。「とりそば うどん」、「和風とりラーメン」と張り紙がしてある。それでも正直なところ、店の雰囲気として営業しているような気配を感じない。きっと閉店したのだろうと思いつつ、気になって来るたびに様子を見に行った。今にして思えば、思えばというか過去写真で確認してみると、店の暖簾は扉の外に掛けられていることもあれば、扉の内側に仕舞われていることもあった。扉の外に掛けられている??。そうなのである。確かに掛けられている過去写真があった。この日も暖簾が掛けられている。一瞬見落としたが、何かの違和感を覚え、店先を凝視する。え??。え、営業している?。僕はおもむろに引戸を引いてみた。奥のおばちゃんと目があった。動揺した僕は一旦、扉を閉めた。そうなのである。営業しているのである。店の内外の看板とかポスターとか幟が張り巡らされている姿、それに慣れ切ってしまった僕は、余分な装飾を省いた店舗を「営業していない」ものと思い込んでいたのである。
問題は既に別の店でラーメン(中華そば)の昼食を食べ終えていることだ。でもここで逃したら、次にいつ来るのかも分からない。意を決した僕は店内に入り、「とりそば」を食べた。客は他にいなかった。新型コロナ対策で張ったシートの「×」印を除けば、60~70年前の食堂みたいであり、映画やドラマのセットかと見紛うほどだ。そして出てきた「とりそば」の優しい味はどう表現したら良いだろう。きっと身体に悪い成分は一切入っていないと思う。まるでお祖母ちゃんの家に行って、「お前これ好きだから作っておいたよ」と出されたような蕎麦(僕のお祖母ちゃんは蕎麦なんか作ったことないけど)だ。涙がでそうな位に美味しかった。
LEICA M10 MONOCHROME / SUMMICRON M35mm ASPH
( カラー写真はiPhone 13PRO)
扉、しめるんかーい!
いや、また開けんのかーい!
と、言われなくてよかったですね😆🌼
見るからにおいしそうなお蕎麦です。
きっとうるっとくるくらい優しい味なのかなと。
いろいろ想像をかきたてるお店ですね。
6さんが美味しいと言えば 全て美味しい!
誰でも食べてみたくなります
たまたま 真室川音頭の楽譜を見て頭の中で演奏していたのが昨日です
美味しいんですよね。山形の鶏そば。
行くたびに食べていたのは冷たい鶏そばでした。谷地とか村山のあたりのお店だったかな。
自分でもマネして作ることがあります。
「もどき」だけど。
田んぼの緑がきれいだろうな。
東北の旅にゆっくりと行ってみたいです。
目標は、クラゲの水族館。
その場所に居る。という偶然。
小生も似た経験をしたことがありますが、「こうだ」と思う事が一番大きい様な。
次が来ないかも知れないチャンスは逃すべからずですよね。
いや、また開けんのかーい!
言葉としては発せられていませんが、漫画のセリフ吹き出しみたいに、おばちゃんの心の声がだだ漏れでした。
それでも(それだからこそ)、実に旨いそばを出してくれました。家の近くにあれば、一週間連続これを食べます。
照れていましたが、嬉しそうでした。そういうおばちゃんが作るから旨いのでしょうね!
でも美味しそうに感じて頂けたのであれば嬉しいです。
真面目な話ですけど、そう感じたのであれば、それは僕の文章などではなく、のびたさんの想像力の賜物だと思います。
そんな店ではなく、500円台で旨い蕎麦を出してくれる。僕もこういうところが好きです。