昨日の「木材利用ポイント大使・・・?」の続編です。
ちょっと難しい内容になるのですが・・・。
何故、今そのような木材利用に関する事業が国の主導で行なわれているのでしょうか?
実は、今、地球温暖化を地球規模で抑止していく取り組みがなされています。
日本では、農林水産省や林野庁が主体となって、森林保全と整備を積極的に進めようとしています。
そのために国内の人工林の「間伐」を推し進めています。
現在の人工林は昭和30年から40年代頃を中心に植林されたものが多いと謂われ、その広さは約1000万haもあります。
しかしながら、成長しすぎた人工林が多く、非常に木々が混み合っている状況にあります。
そのまま放置したり、整備が遅れると、太陽光が表土まで届かず、真っ暗な人工林となり、
そのため草や低木も育たないため、根が地表からむき出しの状態になったり、幹が細長いもやしのような森林になります。
そのまま放置すれば、風雪にも弱くなり、災害を招く危険性もあります。
そういう人口林を作らないために行なわれるのが「間伐」です。成長に伴って、混みすぎた森林の立木の一部を間引き
することを言います。
平成32年まで間伐を推進するための特別措置法が昨年施行されています。
ですので、標題の「木を切ってはいけない?」の答えは、「切らなくてはいけない。」が正解です。
しかし、ここで当然の疑問が出てきます。「それでは、何故、今までもっと切らなかったのか?」
確かに「間伐」は森林にとっては良いことばかりなのですが、問題はそれにかかるコストです。
木を伐採したら当然それを運び出さなくてはいけません。
そのための重機を運び込んだり、積み出すための大型トラックが通れる道路も整備しなければいけません。
また大手の木材や住宅のメーカーなどは新築住宅のための木材は必要なのですが、一定の木材供給量を求めてきます。
ですので、木材が細すぎたり、常に一定の木材供給が見込めないとなると、違うところに木材の提供を求めます。
それは、何処かというと、国産材ではなく、外国の木材です。大きなものが多く、一定の供給量があり、安価となると
そちらに手を出してしまいます。
そのような国内の需要と供給のバランスが崩れ、間伐が遅れる原因となりました。
そのサイクルを一定にして国内の木材自給率を上げようと、今、国が本格的に取り組み出しています。
皆様も是非、国内の森林を守るため、国産材利用に目を向けて頂ければと思います。
【工芸品ショップ泉亀(いずかめ)】ショップサイト
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