久しぶりの「ビジネス書評」。もちろんずっと本は読み続けているけど、なかなか書評までは書けなかった。去年の秋くらいからの読書の傾向は割とハウツーっぽいノリの本が多かった。「IT業界儲けのからくり」みたいにムックっぽい本だったり。あと、マインドマップがマイブームだったので、そちらの関係の本はよく読んだ。おかげで今では普通にメモをとるときも「マインドマップの形」になっているし、何かを考えるときはすぐにマインドマップを書くのが習慣になった。
で、今日取りあげさせていただきました本は「目標を達成する 実践プロジェクトマネジメント」。製造業の工場などの仕事を「繰り返し型」、それに対しウチの会社のようなソフトハウスの仕事を「プロジェクト型」と呼ぶ。建設業もそうだよね。この本は プロジェクト型業務の工程管理手法を解説したもので、その効率改善を主眼として書かれている。以前からこの分野の「わかりやすくて、シンプルな手法」を解説してくれている本を探していたんだけど、まさしくドンピシャの本だった。
プロジェクトの中のタスク期間を設定するときに、いつも多めにゆとりをとってしまう。これを「サバをよむ」という。A君は18日、B君は20日、C君は12日と申告された合計50日の作業を、上司はなぜかさらに上司に対して60日と報告する。これを「階層別サバ読み」といい、慎重にサバの上にサバを重ねる。開発者の皆さん、思い当たるフシはありませんか?
これら「サバ読み」に対して「科学的サバ取り」手法を明示し、サバを除去した上で 進捗報告を活性化させ 知恵の共有を進めるあたりの記述は圧巻だ。プロジェクトの目的・成果物・成功基準を明示して、プロジェクトメンバー間で共有していくことの重要性も語られるけど、共感できる。
ちょっとコーチングっぽいノリの部分もある。たとえばプロジェクトの進捗について「問題ないか?」と聞くと答える方は「問題ありません」とつい答えたくなる。「プロジェクト完了までの間に問題があるとしたら何がある?」と質問することで、今後予測される問題を把握し、事前に手がうてるようになる。同様に重要な言葉が9つ紹介されていて、こういった言葉を使うようにすることは明日からでもすぐに行動に移せる。さっそく採用させていただきます。「あと何日かかる?」っていう言葉も進捗管理をしていくときにはとても有効で、具体的な事例が示されている。
全編を通して「あるある」とか頷きながら楽しく読める本。「サバ読み虫」なるキャラクターがガイド役を果たしてくれるのもビジネス書としてはおもしろいノリだと思った。建設業やソフトハウスなど、プロジェクト型の仕事をしている会社のマネージャーという立場の人たちには特にお奨めだと思います。
ウチの会社ではM君、K君、T君には読んでもらいます (^_^;) 。参考になるよ。アマゾンで取り寄せてあげるから待っていて下さい。
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すごーい、著者の方に直接コメントいただけるなんて感激です。うれしいな。
プロマネにこれから真剣に取り組んでいきますので、また経過を報告させていただきますね。
セミナーでもお会いできたらうれしいです。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
はじめまして、本書編集担当の井上と申します。
この度はお買い上げ&貴ブログにて取り上げていただき、まことにありがとうございました。
「ビジネス書」は読者の方に実際に活用していただけるのが何よりの喜び。本当にうれしく存じます。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
著者の岸良さんに続き、本の編集の方からもコメントがいただけて感激です。うれしいな。
ビジネス書なのに思い切って「軽い雰囲気」に仕上げられていましたね。文体ともマッチしていて良かったと思います。読んでいるうちに元気がでてくる感じになるのがいいですよね。
全編カラーなのもびっくり。図やイラストが多いので効果的だったと思います。
読もうと思っております
なんと前向きな!その行動力、素晴らしいなぁ。
この本は読みやすくするために様々な努力してくれてありますが、内容的には理科系の部分も多いし、経営系の本って感じです。
りつさんならきっと活かせると思います。
用語として
・TOC(Theory of Contraints)
制約理論 日本で生まれた生産理論
・ODSC
目的・成果物・成功基準
・CCPM(Critical Chain Project Managemet)
TOCから生まれた最新のプロジェクト管理手法
ということを事前に頭に入れておくと読みやすいと思います。