東京日記
静岡県焼津市、藤枝市、北海道の札幌市にあるIT企業グループの経営者 松田敏孝の日記です。




グーグル関係のリリースが活発だ。4/15の日経でまたしても驚きのニュース。グーグルはSFA(営業支援システム)最大手のセールスフォース・ドットコムと提携。グーグルが無料提供する「グーグル・アップス」にセールスフォース・ドットコムが提供する顧客管理機能も加える。新サービスでは 文書作成~表計算~プレゼン資料作成~顧客訪問スケジュール管理など、企業の営業部門が必要な機能を備える。利用料金は無料。夏以降は電話サポートも加えた有料版も始める方針。

これまでかなり高額な営業支援ソフトを販売してきたセールスフォース・ドットコムが、上記のようなサービスに乗り出すのは「諸刃の剣」的な要素も強いはず。よく思い切ったものだと思う。これがきっかけになって多くのソフトハウスがソフトの無料提供に乗り出すかもしれない。一方で、マイクロソフトが「ワード」や「エクセル」などを無料提供するのは、その売上額が大きすぎるだけに難しいと思われる。

なんだかすごい時代になってきた。4/10の記事にも衝撃を覚えたけど、今回もかなりインパクトが強い記事だ。ぼくらは まったくスケールが違う企業ではあるけど、自分たちのビジネスモデルも根本的に考え直すときがきている。

オフコンからパソコン・ネットワークの時代に移ったとき、富士通やNECの販売店会といった「メーカー系列」は崩れ、どのメーカーのコンピュータ(パソコン)を買っても同じように使うことができるようになった(それ以前はメーカー毎にOSが違い、漢字コードまで違っていた)。多くのメーカーから増設メモリ、外付けハードディスク、リムーバブルディスク、レーザープリンタ、水平インサータプリンタなど夢のある周辺機器が次々と発売される。さらにLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)で本格的なパソコンネットワークが組めるようになり、パソコンビジネスは全盛期を迎えた。そのときは「メーカー系列」のしばりがはずれ、安価で、高性能な周辺機器を自由に組み合わせてシステム提供できることをうれしく思った。でもそれは「ウィンテル」と呼ばれたマイクロソフトとインテルによる市場支配への道だった。特にマイクロソフト社は 高額で難関な試験を設置し、それをクリアした技術者がいないと販売やサポートする資格が得られない という形でシステム・リセール市場を支配してきた。

インターネットの時代になり、Web2.0、ロングテールが叫ばれたとき、これからはいよいよネットを介して システムベンダーとユーザーが直接結びつき、マイクロソフトの支配力も薄らいでいくだろうと思い、そのことも喜ばしく思った。ロングテール理論に基づいた広告で、これまでテレビ広告など高額な宣伝費をさけない中小企業でも、やり方次第では 直接全国の見込客に商品をPRできる。ホームページを制作させていただくと同時に、SEO(グーグルやヤフーでの検索で上位表示されるように調整していくこと)を勉強し、ユーザーの皆さんにもノウハウを提供してきた。しかし それは これまで以上に強力な1社支配を実現させてしまう道だったのか。グーグルの広告収入は今や世界ダントツだ。その豊富な広告収入で様々なWebサービスを無料提供し、さらに広告収入を手厚くしていく。ぼくらがこれまでお金をいただいて制作したり、販売してきたソフトウェアが、どんどん無料になっていく。恐るべきことだ。

ネットは「世界的につながっている」けど、アメリカと日本では「時差」があるも事実だ。すでにアメリカではヤフーはグーグルに引き離されてしまって、MSによる吸収合併の申し入れが話題になっているけど、日本においてはまだサイト検索でもヤフー・ジャパンが勝っており、広告においても優勢だ。さらにヤフーの後ろにはソフトバンクがいる。中国や韓国でもそれぞれのネット事情は異なり、グーグルはネットのトップ企業にはなっていない。以前のように「アメリカ標準 = グローバルスタンダード」にはならないような気がする。

しかし、4/10の記事にみる戦略も、今回の記事の戦略も、圧倒的に秀逸な戦略で、十分驚愕に値する。上記の記事のとなりには ユーチューブがユニバーサルミュージックと連携して、最新シングルの音楽ビデオ配信を始めるという記事。ビジネスからエンターテイメントまで、グーグルはネットのすべてを支配するくらいの勢いがあるように見える。


「IT業界」という変革が激しい荒海の中で、小さな小船のようなサンロフトは これまでのオフコンからパソコンへの変革の波も、パソコンLANからインターネットへの変革の波も、知恵を集めて、懸命に舵取りしながら、ワクワクしながら乗り越えてきた。今また、さらに大きな変革の波に直面しているけど、ぼくらは 今回も 知恵を集めて、懸命に舵取りしながら、ワクワクしながらこの変革の波を乗り越えていく。具体的な意思決定や戦略は これからもこのブログに綴っていきますので、「IT革命を生き抜くIT企業の生きた事例」として、どうぞ楽しんで読んで下さいませ。これからも恥ずかしくないようにがんばります。

コメント ( 5 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
世の中の動きが早いですね (にゃん)
2008-04-17 01:27:05
大手電機メーカー系列の元で業務システムやコンサルティングなどの仕事をしていると、ネットの新しい波に気づかずそのまま流されていってしまうような危機感を感じます。金融系を中心に日本の企業も、中国やインドへのオフショア開発が想像以上に進んでいますし・・・。

私の今の状況としては、大手企業の各部署に毎週2回顔を出しているだけで、新規事業開発のコンサルティングなどの新規の仕事が次々に入ってくる楽な営業ばかりです。
もちろん御用聞きとは違って、業務自体はコンサルティングや事業企画立案です。大企業の新規事業の立ち上げに参画できることで、仕事の満足感とスキルアップに繋がっている実感はあり、大企業のインフラを使って新しいビジネスを立ち上げることはダイナミックでやはり楽しいです。
しかし、そうは言っても仕事のモデルとしては「受託請負」。自らリスクを負っているわけではないので、もっと現場に降りて仕事がしたいという欲求が沸いてきます。。。


その点、松田さんの会社はもちろん従来型の受託請負ビジネスもあるけれど、その一方でSNSや幼稚園市場の開拓など素敵ですよね。

これからもサンロフトさんの活動が楽しみです!

 
 
 
Unknown (にゃん)
2008-04-17 01:46:46
すみません、プラスであります(^^)

私の現在の課題は「営業活動(提案活動)」にもお客様に対価を支払ってもらい、その工数でより質の高い提案をしていくというものです。
創造的な提案というものは企画書作成も含めて、調査マーケティングや資料作成にそれなりの工数がかかります。その提案する行為にも、システム保守のような「営業保守費」(名目上は調査費はコンサル費)をいただくというものです。
※大手広告代理店がコンペ参加に受注の有無を問わずに企画書作成費を請求するようなものでしょうか

私の個人実績では、少しハードルが高いかなとも思ったのですが、某ITメーカーではすんなり通りました。そういった営業保守費用を月10万円の案件でも小さく積み上げていけば、営業マンの給料くらいは出るようになります。
そして、営業保守費を毎月をいただいていることで、毎月必ずアウトプット(提案活動など)を出さなければならなくなるので、より顧客を深く入り込むができるようになります。

ある一定以上の規模にしか使えないかもしれませんが、このへんのノウハウはまたサンロフトさんの勉強会で展開しますのでよろしくお願いします。

にゃん
 
 
 
うちは・・・ (いそちゃん)
2008-04-17 17:45:05
うちはソフトブレーンのeセールスマネージャーなる
営業支援ソフトを利用しているけど、Googleは無料
ですか! 考えちゃうな~
 
 
 
受託請負とオリジナルサービス (としたか)
2008-04-17 23:49:16
にゃんさん、サンロフトのこれからにご期待いただきどうもありがとうございます。

受託請負とオリジナルサービス展開

両方取り組んでいくことはしんどいですね。自分で決めたことなので、楽しみながら、懸命にがんばっていきます。特にオリジナルサービスの方は数多のネットベンチャーたちが、ひとつのことに賭けてきますし、それでもビジネスとして立ち上がるのはひとにぎり。
当社でもその部分は分社化したりしてメリハリをつけていますが、なかなか立ち上がりません。今年はなんとかオリジナルWebサービスの方も一花さかせたいと思っています。

ぜひ引き続きご支援下さいませ。

これからもどうぞよろしくお願いいたしますね~♪
 
 
 
詳細はまだわかりませんが (としたか)
2008-04-18 04:14:31
いそちゃん、セールスフォースがグーグルから提供する営業支援ソフトがどこまでできるのかはまだ確認しておりませんので、今、お使いのソフトに代われるかはわかりません。でも、少なくとも将来的には相当やれるものがリリースされてくるような気がします。種類も圧倒的に増えそうですね。グーグル恐るべしです。やることが冴えてますよね。
 
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