東京日記
静岡県焼津市、藤枝市、北海道の札幌市にあるIT企業グループの経営者 松田敏孝の日記です。




あるチェーン店のラーメン屋さんのカウンター席でラーメンを食べていたときのことだ。カウンターの向こうにビールを注ぐ機械があり、これがなかなかよくできている。注ぎ始めると 傾いていたジョッキが徐々にまっすぐになり、ちょうどいい加減で泡ができて、ビールがジョッキにいっぱいになったところで止まる。「すごいなぁ」とか思いながらカウンターでラーメンを食べていたんだけど、肝心の店員さんたちは誰もお客さんのテーブルにビールを運ぼうとしない。忙しいのはわかるけど、注ぎ終わっているビールを見ても何も思わない風なのだ。たぶん5分以上は放置された状態だったと思う。

いくら機械がよくできていてもこれじゃなんにもならならない。店員さんの中でリーダー格の人がハタと気がつき、若い女の子の店員に「52番テーブルにだして」と告げる。その子は「ハイ」と答えたものの、他のさして緊急そうでもない仕事をやっていて、すぐに運ぼうとしない。2分後くらいかな(すごく長く感じた)、その女の子の店員がハタと気がつき リーダー格の人に「すいません、何番テーブルでしたっけ?」と聞いた。リーダーは「52番」と答えただけでさして注意するワケでもない。

ビールを運べないわけじゃない。これは明らかに能力の問題ではない。「こういう場合は、すぐに運ばなければいけない」と思う気持ちがないことが問題なのだ。「お客さんが待っている」「ビールの気が抜けてしまう」ということを忘れている。さらにリーダーもそのことを注意しない。注意しないから女の子の店員も気がつかない。問題の根が深いのは「まったく悪意はない」ことだ。だから悪びれたようすもない。お客様のテーブルに運ぶときもマニュアル通りの「お待たせしました」という言葉しか言えないと思う。「待たせた」という意識を自覚できていないから、「お待たせしました」という言葉に気持ちがこもるはずがないのだ。

「すぐ運ばなかった」ことに対して、「だめじゃないか」と怒り、「すいません」と言って運ぶ。でも根本的なところで「これではいけない」と思う「心」を作らなければ、同じようなトラブルは形を変えてまた起こるだろう。放置されたビールは当然店員たちの目に入っていたはずで、それを見てもなんとも思わなかった「目」を変える必要があるのだ。

たとえば事務所の乱雑な机。上司から「これでは効率的な仕事はできないだろう」と注意されて そのときは整理したとしても、本当のところで乱雑だと認識できる「目」ができていないと、その直後に乱雑な倉庫を見ても 何も認識できないし、だから当然「整理する」というアクションは起こせない。そのことに対する悪意も感じない ということになってしまう。

こういった「目」や「心」を作るためのキーワードは「習慣化」だと思っている。習慣化するためには「毎日、毎時、そのことを意識する」必要がある。だから壁に標語のように書いて、貼りだしておく。そういう標語を貼りだしたりすると、「工場のようだ」とか「アナログチック」というような言葉を浴びそうだが、重要なことだと思う。(「習慣化」というと企業っぽいけど、家庭・学校で言うところの「しつけ」ことだと思う。「しつけ」、超重要だよね)

それから、こういう「深い思考」に基づいて行動するために「思考の素地」を作ることにした。具体的には 社員全員がビジネス書や技術書を毎月最低1冊は読み、書評を社内SNSにアップすることにした。これ、継続して蓄積されると会社の貴重な財産になると思う。

そういう地味な改革も 粘り強く進めていきたい。

写真は品川駅の「話題の駅中 e-Cute」。


コメント ( 4 ) | Trackback ( )



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コメント
 
 
 
無事に終わってよかったですね^^ (うじちゃん)
2006-01-08 21:34:58
プライベートなことで ここに書いても

いいのかなぁ~~♪

今日は お天気にも恵まれて

よかったですね!

叔父の法事で 1年ぶりに焼津を訪問し

従兄弟とも交流出来 寄りたかった

さかなセンターにも寄れて

新鮮な魚介類も どっさり^^

昼間も 新鮮な 魚料理を頂ましたが

こちらに戻って 又行き付けの寿司やで

弟と 一杯やっております。

今日は 1日とても充実した日でした。



「東京日記」を 読ませて頂いて昔の敏ちゃんからは 想像できないくらいの距離を

感じています。



私もブログなるものを 始めて思いつくまま

写真を貼ったりコメントをいただいたり

仕事の合間をぬって 楽しんでいます。

70近くにもなる 私ですが

まだまだ 子供達と英語のお勉強をしながら

人生をエンジョイしています。



ご迷惑でなかったら 又 コメントと言うより近況などを送ります。

今日は 始めてなので ちと 気取って

堅苦しい コメントになりましたが

本当は 相当にずっこけババなのです!



名前も ハンドルネームで ブログとか

BBSで使っている 「うじちゃん」です。



今日は本当に有り難うございまた。

 
 
 
これからよろしく~♪ (としたか)
2006-01-08 23:11:48
うじちゃん、コメント どうもありがとうございます。



今日は焼津までどうもありがとうございました。

もちろんプライベートのこともコメントして下さいませ~。楽しみにしてます。



普段親戚で集まるときはあまり仕事のことは話さないから、若干イメージが違うかもしれないけど、基本的には「昔の敏ちゃん」と変わらないのでよろしくです~。



うじちゃんのブログ、ほのぼのしていいですね。やさしくて甘くて素敵です。

これからときどき立ち寄らせて下さい。

これからどうぞよろしくお願いいたしまーす。
 
 
 
うぅん、むずかしい (むと)
2006-01-10 09:11:17
今年はお初で、宜しくお願いしますm(__)m



上司と部下の会話に置き換えると胸が痛みます。

「やってくれ」と言った事にやってくれなかったり、

やってくれても「やりました」と言わなかったり、

やったことが間違っていても怒れない私(^^ゞ



「言う(しつけ)」ということが最近では「嫌いになる要素」が大部分を

占めてくるようになってしまったので言いづらいのかも知れません。



もう辞めてしまった常務(当時)が良く言っていた事が「叱り」です。

「習慣化」して言い聞かすにはこれが一番だと思うのですが、

こういうことをする人が最近少なくなりましたね。

嫌われ役に徹するのも大変ですが、嫌われない役ばかりだと、

人間関係はうまく行くかも知れませんが、駄目な会社に

なってしまうのかも知れないです。



では、また。
 
 
 
チャレンジしましょう (としたか)
2006-01-11 00:17:45
むとさん、コメント どうもありがとうございます。



こちらこそ、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

「深い思考に基づいた行動を習慣化する」って確かに難しいテーマですよね。ウチの会社でも本当に他人事ではありません。



先日いいお話しを聞いたのですが、「いいか悪いか判断に迷ったとき」とか「やるべきかやめるべきか判断に迷ったとき」などは「潜在意識に聞いてみる」とスッと答えが浮かんでくる ということを聞きました。



以降、自分も「迷ったときは潜在意識に聞く」ということを習慣化させるよう努力しています。



いずれにしても、チャレンジですよね。取り組んでいきます。
 
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