駅で言うと東京メトロ有楽町線の護国寺駅から丸の内線の茗荷谷駅へ移動する感じ。住所で言うと文京区音羽から大塚を通って小石川に抜けていく感じ。このあたりは有楽町線も丸の内線もほぼ南北に走っていて、東西に移動するには歩くしかない。そんなに距離もないし、文京区きっての文教地区で緑も多いから歩くことにした(ちょうど護国寺のお客さんから小石川のお客さんに移動しなければいけなかったので)。
歩いてみるとわかるけど、緑が多くて、坂も多くて、古い言葉だけど書生っぽい雰囲気がある。小説家なのか出版社の編集者なのかわからないけど、文章を書いたり、広く届けることを生業としている人や、それを目指している人が歩いていそうで、印刷会社のインクの匂いがしてきそうな、そんな感じ。神楽坂界隈や本郷界隈あたりもそんな感じがするけど、好きです、こういう感じ。実際、このあたりは出版社や印刷会社が多いよね。
出版社は、マスコミ媒体としての主役はテレビに譲ったけど、良識あるメディアとしての品格を備えているように思う。でも、インターネットの時代がきて、様々な情報が無料で手に入るようになり、さらにメディア自体がマスメディアからソーシャルメディア化していく中で、どう生き残るのか展望が描けていない。本が読者に届くまでのシステムも老朽化していて、改革が必要だと思う。
出版社の仕事を「文字の情報を届けること」と定義すれば、インターネットは歓迎すべきツールだったはず。今話題の電子書籍もそう。そういう新しい時代のツールを柔軟に取り入れて、改革するべき点は改革し、品格を失うことなく粛々と良質な「文字の情報」を届けてほしいと思う。紙でも、電子書籍でもいいけど、読者が求めているのは「良質な情報」だ。そんなことを考えながら歩いていた。
御茶の水女子大の正門。初めて前を通った。決して中央線の御茶ノ水駅の近くではないですね。まさしく護国寺駅と茗荷谷駅の中間あたり。このあたりは筑波大学付属中・高校があったり、文京区の中でも屈指の文教地区。この雰囲気がずっと続くといいですね。
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