「笑い」と「感動」で生命力を高める。なんと魅力的な演題なんだろう。笑いながら病気が治ったら画期的だと思いません?
そういうことを真剣に研究されている方がいらっしゃる。筑波大学名誉教授の村上和雄先生。遺伝子研究の第一人者で 「生命の暗号」「遺伝子ONで生きる」などの著書がある。
自分は読書好きだけど、読む本はIT系のビジネス書や経営関係の書籍に偏っている。でもなぜか村上先生の本はもう10年くらい前から愛読している。今回も講演されることを知ったとき、すぐ「行こう!」と思って申し込んだ。
土曜日の午後、200人くらい入る講堂はほぼいっぱい。いつも自分が行くセミナーと違うのは・・・ 平均年齢が高い (^^;) 。話の内容は思いっきりエキサイティングで楽しかった。
村上先生は大学教授を退官されるとき、「自分の人生はこれからだ!」と思ったというからおもしろい。しばらくしてアメリカのベンチャー企業がイネの遺伝子の解読に取り組んでいることを知り、「これはいかん」と思い、「稲作は日本の文化だ。ここでアメリカに遅れをとるようでいかん」ということで退職金を投げうってイネの遺伝子の研究に再び取り組む。当時の政調会長や元総理大臣にかけ合い、予算も申請する。政治家は「本当にアメリカに勝てるのか」とひつこく聞いてくる。そこで先生は「勝てる!」「・・・かどうかはわからない」 後の 「かどうかはわからない」というフレーズは聞こえないように言うのがポイントだそうだ (^^;) 。
わからないから研究しているんだし、その先のことなどわかるわけがない。でもやっぱり「勝負!」というときは言い切らないといけないらしい。
村上先生の研究グループは解散の危機に直面しながらも懸命に取り組み、イネの遺伝子の解読も世界で最初に成し遂げるのだが、そういった感動のある研究活動を通して先生が感じられていることは
笑いや感動といった良いストレスが加わると良い遺伝子がONになる。「やるんだ!」という強い意志をもったときにやはり良い遺伝子がONになる。一方 不安や猜疑心、悪意などをもつと悪い遺伝子がONになる。
良い遺伝子をONにして悪い遺伝子をOFFにしたとき、人間はすごい力を発揮する ということ。
糖尿病の老人を大勢集めてB&Bの漫才を聞かせたらものの見事にみんな血糖値が劇的に下がったとのこと。当初「まともな学者はあいてにせんよ」言われた健康と笑いの研究。でも今、専門医が注目しはじめているとのこと。
「私の研究が成就すれば、病院の薬局でお笑いビデオを処方するようになる。副作用のない、楽しい治療のはじまりです」と笑いながらエネルギッシュに話される先生は本当に若く、魅力的に見えた。
良い遺伝子がONになるとすごい力が発揮できる。笑いは健康にいい。村上先生が自ら証明されているように思った。
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さて、笑いと言えば、日本笑い学会というのがマジメに展開されています。
http://www.age.ne.jp/x/warai/
です。医学的に見て、社会学的に見て、などなど、いろんな切り口から多面的に笑いを科学するのがおもしろいですね。
ではではぁ。。。
としたかさんのブログは全国たくさんの方が楽しみにしておりますからっ。(←ほんとだと思います!)
としたかさんには、以前素晴らしい村上氏の本を紹介していただいて(当時すぐアマゾンで注文購入しました)・・・感動しました。
「遺伝子ON」これって本当にあると思います。眠っているだけ、Offになっているだけの自分の可能性、できるだけ自分でONにしていけたらいいなと思います。あ、いい遺伝子を・・・ですね。はい。
こういう講演、地元であったら是非是非教えてください。
みゃーさん、子育てと研究と相変わらず超アクティブですね。さすが!未来の大教授!! 日本笑い学会、村上先生もメンバーなんですって。セミナーでは「笑いは笑い事じゃない」と話されて、爆笑を博しておりました (^_^;) 。
bennakaさん、ぼくの2日間のブランクでホッとしていただけるのは光栄です。これからもちょくちょくあるかもしれませんが (^_^;) 、どうぞよろしくお願いいたします。ブログ、いい調子ですね。ぜひビジネスにして下さい。楽しみにしています。
bananaさん、アフリカの話しをしているときのbananaさんは思いっきり「遺伝子ON!」ですね。応援するよ。仕事との両立、よろしくねー。