東京日記
静岡県焼津市、藤枝市、北海道の札幌市にあるIT企業グループの経営者 松田敏孝の日記です。




これまで広告市場の4大メディアといえばテレビ、新聞、雑誌、ラジオのことを指していた。そこに食い込んでいるのがご存知のとおりインターネット。先ごろラジオの国内広告売上を抜き、4大メディアの仲間入りを果たした。

4大メディアの現状での国内売上規模はテレビが年間約2兆円でダントツトップ。続いて新聞が約1兆円。インターネットはようやく5,000億円を越えたところだといわれている。ただし売上の伸び率でトップに立っているのはもちろんインターネットだ。

この数字を見ると「まだまだテレビCMが広告の王者で、そういう時代が続くんじゃないか」と思うかもしれないけど、売上高では 米グーグルはすでにテレビCMを実質的に支配する米オムニコムグループや日本の電通を遙かに越えている。しかもグーグルの売上高の99%は広告というのも衝撃だ。

そのグーグルが動画投稿サイト世界NO.1のユーチューブを傘下に納めたのも記憶に新しい。これらのことを考えるとテレビ広告業界もとても安閑とはしていられないことがわかると思う。

で、この本ではその「広告の王者テレビ」が批判の矢面にたたされている。そこまで言っちゃっていいの?ってくらい、でも確かに「そうだよなぁ」って感じで反論しにくいと思った。いろいろな例を示して、テレビCMのウィークポイントを解説しているけど、自分は下の2点だけを考えてみても、もうテレビCMは苦しいと思った。

ひとつはテレビCMをまともに見ている人が激減しているという事実。多くの人がCMが始まるとリモコンでチャンネルを変えてしまったり、トイレに行ってしまったりしている。若い世代にはHD-VIDEOが普及して、彼らはいったん録画して、CMスキップで番組をみるのがあたり前になってしまった。

もうひとつはテレビCMは効果測定ができないということ。そのCMを実際 何人の人が見て、どう思い、どれだけ商品を買ってくれたのか、厳密にはまったく測定できないのだ。男女比、年代別比などもまったくアバウトでしか測定できない。

「全国規模でブランドを作っていくにはテレビが有効」ということでテレビCMを販売してきたわけだけど、逆に言えば「それくらいしか言うことがない」のが現状で、それさえも具体的な論拠となるデータは示せないのだ。今、アメリカでの企業ブランド評価で1位、2位のアップルとグーグルはほとんどテレビCMを利用していない、という事実も重い。


この本は 問題(提起) と 解決策 と 10の新しいアプローチ という3部に分かれている。「10の新しいアプローチ」の中の最初に登場するのがインターネット。テレビに比べ機能的に優位であることは明白で、これからのインフラ整備なども含めて 可能性を考慮すれば、もう圧倒的という感じだ。

登場から65年、テレビが広告の主役から降りるときが近づいていて、新しくネットが広告、ブランディング、マーケティングの中心になってくる。テレビCMもその中で上手に融合して活用されていくと思う。そんな時代がきていることを実感できる本だと思う。


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