東京日記
静岡県焼津市、藤枝市、北海道の札幌市にあるIT企業グループの経営者 松田敏孝の日記です。




もう20年以上も前のことだけど、システム開発事業のプラットホームは、このままオフコンでいくのか、パソコンにシフトしていくのか、社内で論争になった。当時自分は30歳か31歳くらいだと思うけど、パソコン派の急先鋒だった。オフコンに固執した人たちは40歳台。確かに当時のパソコンはパワー的にまだまだだったし、慣れ親しんだオフコン・COBOLを利用していれば、安定したシステム品質を提供するには手堅かったと思う。

自分はこれから5年先、10年先を考えると、今、リスクがあったとしても開発のプラットホームをパソコンにシフトしていくべきだと思った。いざ取り組んでみると困難の連続だったけど、幸運にしてその判断は正しかったようで、今まで20年以上に渡りパソコンをプラットホームにしてシステム開発事業に取り組んでこれた。その間のパソコンの性能アップ、周辺機器の充実、システム開発ツールの進化は目を見張るものがあり、本当にひと時も退屈することなく、充実したビジネスライフになったと感謝している。

今、長年慣れ親しんだパソコンがシステム利用ディバイスの主役から降りようとしている。多分その変化はオフコンからパソコンにシフトしたときよりも早く、急激に進んでいくと思う。さらに、オフコンからパソコンへのシフトのときと根本的に違うのは、影響を受けるビジネスエリアが企業内業務システムだけに留まらず、様々なメディアにまで及ぶ点だ。

インターネットの登場以来、常に論議の対象になってきた放送と通信。テレビに代表されるメディア系の人たちは、「放送を通信と一緒にするな」という発言が目立っていたように思うが、もはや放送は通信の中の一形態になっていくことははっきりしているし、利用者は放送や通信の区分けには無関心で、ケースバイケースで楽しい方、便利な方を選ぶだけになっている。利用者、利用時間が増えているのは通信(=インターネット)の方で、すでにラジオ、新聞を抜き、媒体としての力は、長年メディアの王者として君臨したテレビ(=放送)に迫ろうとしている。逆転は時間の問題、というより企業規模や収益の点ではもう完全に逆転してしまった。メディアとしての影響力も、やがて誰の目にもわかるくらいに逆転すると思う。

そして通信(=インターネット)を利用する中心ディバイスとして長年君臨したパソコンもその主役の座から降りていくことになる。、オフィスから急激にパソコンがなくなることはないと思うけど、移動の多い営業マンをはじめ、何らかの形でオフィスを離れ「現場」に出向く仕事をする人たちには、圧倒的に便利なディバイスが登場した。スマホやタブレットと呼ばれるディバイス群で、これからはこういったディバイスがパソコンを超えて普及していく。いつでもどこでもネットできること、マウスも使わずに指で操作できること。これらの技術革新はライフスタイルを変えてしまうくらいのインパクトがあると思う。これらのディバイスをどう仕事に活かすか。それは利用していない人の意見を聞いていては絶対にダメだ。役職、年齢関係なく、利用している人の意見を聞いていくべし。これからはこれらのディバイスの活用の可否が明暗をわけることに大きく影響することになる。

自分たちのようなソフトハウスへの影響はさらに大きい。自分たちの商品であるソフトウェアを利用していただくプラットホームが変わってしまうわけで、当然使い方、使いやすさも変わってくる。商品であるソフトウェアを作る言語も変わってくる。これをチャンスととらえるのかピンチととらえるのか、その考え方一つで目の前の景色はまったく変わってくる。自分は、年齢的には革新を拒む側にまわっても不思議ではないところまできているけど、まだまだ革新の側にたって意思決定していきたい。

サンロフトではあくまでもこのプラットホームの変更をポジティブにとらえ、こらからもさらにワクワクしながら仕事をしていけること、お客様に感動をお届けできることに感謝しながら、チャレンジしていきたい。

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