これって柔道？

夕食を食べながらテレビをみていたら、ちょうど北京オリンピック 女子柔道 ４８キロ級の準決勝で谷亮子選手が登場していた。これはラッキーと思ってみていたんだけど、なんとぜんぜん組まない。お互いに自分が有利な形で組みたいのはわかるけど、まるで「柔道着の袖のつかみ合い」みたいな状況が続く。それぞれの選手に２回ずつ「指導」が出された。「もっと組み合って試合をするように」ということだと思うけど、それでも「袖のつかみ合い」が続く。「これって柔道なの？」ってマジで思ってしまった。

そんな矢先、もう残り時間も２０秒を切った頃だったか、再度「指導」が発せられる。しかも谷選手だけ。なにそれ？って感じ。「袖のつかみ合い」はお互い様じゃん　とか思ったけど、その後も組み合うことはなく時間切れで判定負け。相手の選手は礼もしないでガッツポーズで飛び跳ねていた。

その後の試合でもマナーは悪かったと思う。負けた後、泣き崩れて礼もしない選手、胴着が帯からはずれてベロベロの状態になっているのに直そうとしない選手、それを注意もしない審判。そもそも黄色い畳に青い胴着って。。。

もう「柔よく剛を制す」日本柔道の精神や礼節はかけらもない感じ。
谷選手は３位決定戦では見事に「はらい腰」で一本勝ちし、勝ったあとのふるまいも見事だったからちょっと救われたけど、世界的にはもう柔道じゃなくてＪＵＤＯになってしまったんだと痛感した。

スポーツ競技は そこにある「伝統的な、精神的なもの」とそれを形で表す「礼節」が大切だと思う。そこを忘れて勝敗だけを競ったらもう別のものになってしまう。勝負ももちろん大切だけど、日本柔道の精神を世界に広めることには完全に失敗してしまったと思えて、そのことが残念だった。