暁斎は、処刑され、朽ち果てゆく人体の各段階を実際に見てきたかのように、まんじりと描き記していました。言葉で描写するのもはばかれるほどなので、ここまでに。
図録の解説では、この着物は、注文品とのこと。いったいどういう注文主??
暁斎の狂気も感じつつ、この羽織で暁斎はしっかり九相図の学習と狩野派の筆法などをアピールしているそう。
狩野との生涯の付き合い、古画の学習、毎日描いていた仏画、たくさんの画帖、模本の収集など、暁斎の実直な面も感じる展覧会でした。
脱線しましたが、コミックのほう、狂気あふれる「狂斎」で好きなシーンがあります。無骨な風体の櫛作りの男を、狂斎は「あんた、きれいだな、、」と言う。そして男の周りに華麗な花をしょって見えている。
強者弱者の逆転、美醜の逆転、愛らしい妖怪たち、そういう絵を描いた暁斎ならでは。
暁斎と鈴木其一の娘との結婚もずっと気になってきたことなのだけど、コミックでは其一も娘も登場。
史実では早逝してしまうようですが、次巻でどう展開していくか楽しみなところです。
暁斎展の日記も改めて。