ネコのヒトビト

ネコにまつわるヒトビトについてのお話等

床下に1日

2024-12-05 08:11:43 | たろ
太郎が1日行方不明になった

夜10時ごろ、なぜか猫の悲しそうな鳴き声がする
外猫だってめったにこんな時間に鳴かないし、こんなことは初めてだ
外をみても猫はいない

私はピンときて 探しまわった

家の中のどこをさがしても、あの
呑気そうに寝ている 太郎の姿がない

私は急いで 床下へつながる点検口へ向かった

どうしてかというと
昼間、床下を点検するといって
リフォーム業者がそこを開け放し、
点検の前に家の周りを測るといって 外に出てしまったのである。

私はそこを閉めないで出ていった業者の行動に呆れながら(※1 彼がなにをしているのか見にいってしまった。その間におそらく 太郎は点検口から床に入ってしまったのだろう。

(※1
その数日前に 排水口の掃除をしにきた業者が床下にもぐって
「ゴキブリやムカデが多数いて。湿気がすごい かびている(白いカビがついた床下を見せられた
 「このままでは床下の柱がダメになる」と 言われ
「消毒と湿気取りをした方が良い」と言われ 
業者が来ることになった(※2
「ゴキブリ や ムカデが 多数いて 湿気がすごい」床下を
解放したまま(つまり家の中にゴキブリやムカデを迎え入れるような行為)
家の外周を計測しに行ってしまったから呆れたのだ。


(※2
排水口の掃除も必要なかったのだが、
飛び込み営業で来て家の中の排水口も込みで
クラシアンの半額以下だったので(クラシアンは外だけ掃除)
つい頼んでしまった


あとから、
家のことを知っている人から

「飛び込み営業の人に仕事を任せたの?」と

「心配だから、その人たちがどんな人か調べる」

「あぶないから、契約しない方がいい」

「立ち会うから、契約はしないでまっててね」
心配されて、

調べた

その業者の口コミは探しても出てこない
立派なホームページが出てくるだけで、
社員の人たちのニコニコした顔しか印象にない

ただ、商売だから
商売になっているから
潤っているから
ニコニコしていて、立派なホームページは作れるのであるから。

排水口の掃除にきた 業者の言っていたことと
家のもともとの構造を照らしあわせ、
YouTubeなどで いろいろ調べた結果
床下の湿気取りは必要ないという結論に達した。
だから、はやめに断らないといけない

だが、業者はねばった
「いつまで答えをもらえますか」
「私も会社に報告しなければならない」

いろいろ言って、ねばる

断り辛い

「自分一存では決められないから」と
正式な所有者(不動産の)は別にいるので、と明かした
実際そうなのだから仕方ない

「ホームセンターより うちは安いですよ」
と言ってその業者は去っていった。

床下の消毒(要するに殺虫剤をやたらと撒くつもりでいたらしい)
もいれたら
数百万になる仕事を
簡単な床下点検と 外周の計測で取ろうという
すごい話である。
本当に必要かどうかを見ることもなく
簡単に
ただ、見積もりをしていった

こんなボロい仕事はないよなあ。


さて 太郎は
一日中
床下にいた

点検口があいていて 私がいない隙に
床下にはいりこみ
気づかずふたをされて、ずっと床下をさまよっていたのである
一日中

ゴキブリも ムカデも カビもある 極めてしけっていると言われている
床下に一日中いたのである。
太郎は、床下の埃で白っぽくなっていた。
太郎

と呼びかけても
太郎はパニックになっていて
私の姿をみても逃げていくのである

私は抱き上げたい 衝動をおさえながら
自発的に出てくるまで
太郎 太郎、大丈夫か 見つかってよかったなあ
平静を装って声をかけていた。

そのうち 太郎はでてきた

脚は灰色になって愛らしい腹も灰色になっていた。

私は急いで夜だったが
業者に電話をして
「猫があの点検口に入って1日 床下にいた。あなたが開けっぱなしで外の計測に行っている間に入ってしまったのだ。どうしてくれる。
あなたの会社には絶対に仕事を依頼することはない。二度とくるな」

怒っているふりをして

「断る口実ができてよかった」と内心思っていた。


「要らない仕事を あたかも 必要なようにもちかけて、数百万の仕事をとるボロい仕事しているろくでもないあんたらにたのむか」
とは言えない(※3
(※3 事実そうである 帰り際 断るのか 契約するのか いつまでに返事をしてくれるのか と言われた。つまりその人は床したへの点検口はひらいたまま、そこに入ることなく ただ家の外周を測っただけで 見積もりをして
やるのか やらないのか 答えを出せと 言っているのである。
それで数百万の仕事を取ろうとしているのである。
それで答えを出せる人がいたら それはただ 情緒的に断り辛いから断れなかった、あるいは 
それが必要な仕事だとただ「口頭で カビがあって 床下が しけっていて、虫がいるので 家のためにも 消毒と 湿気取り対策をした方がいい」という言葉を自分で調べもせず 信じてしまって それをすれば家が傾かないという 宗教みたいな思い込みの衝動で必要があるかないかをしっかり自分で確認することもなく 相手が出した答えを信じ込んでしまった結果である。

後日、謝罪に来たが、
「断る口実になったから、断ったまでです。怒ったふりしてね。数百万も払うつもりはないので。どうぞおひきとりください」
とニコニコして返してやった


太郎には可哀想だったが感謝である。
私は守られていると思った。

それにしても、そうやって要らない仕事をつくっては提供し
お金を儲けている人たちがいて、引っかかる人たちがいて、
社会が回っているのだ

彼らはリフォーム詐欺という名前がついて、蔑まれるかもしれない
でも一方
合法的に 人の体になにか作用するものを提供して、
命を奪っても 感謝されお金をもらえるような商売も
ひろく世間には存在する。
でもそれらを「詐欺」だとは言わない。
だれもが尊敬するような職業が それなんだから

どれも、一緒だと思った。



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