自称米子のプロモデラー

模型、フィギュア、ジオラマを製作するブログ

美術品のレプリカを作る パート01

2024-12-05 07:31:23 | 仕事

もう何年も前の事ですが、市内の広告代理店から、美術品の人形を大型化して作れないか?と問い合わせが有りました。

実物の美術品は手のひらに載る程度の大きさですが、それを1メートルくらいの大きさに拡大したものを作って、イベントの看板代わりに展示したいと言う事でした。

その美術品と言うのは、「林義雄画伯」の製作された陶器の置物です。

これですが、

「たけのこの兄弟」

それと、

クマと金太郎 「足柄山のおひるね」

林義雄画伯と言えば、「童画」のイメージなのですが、この様な立体も製作されていたなんて全く知りませんでした。

林画伯の絵といえば、学校の教科書にも使われていたので、誰もが一度は見たことが有ると思います。

この作品は島根県の安来市にある「足立美術館」所蔵の作品です。

足立美術館で「林義雄童画展」を開催すると言うことで、この立体作品を大型化して展示することになり、その取材に足立美術館まで行き、作品の写真を撮ってきました。

寸法や写真を取り、それを元に大型化した造形をしなくてはなりません。

形状や色合いは写真から判断します。

クマと金太郎は高さが低いので、木製の台座に乗せて展示します。

たけのこの兄弟はそのまま床に置く仕様にしました。

これをどう製作するか?

思ったより表面の仕上げが荒っぽい。

この荒い感じをどう表現するか。

ま〜いつものスタイロフォームに紙粘土仕上げが一番本物に近い仕上がりになりそうなので、一か八かやってみました。

イベントまで期限が有るので待ったなしです。

早速ホームセンターでスタイロフォームを仕入れて貼り合わせ、実物の拡大写真から転写して削り出しました。

先ずはたけのこの兄弟からです。

この続きは次回に!

続く!

 


境港のターミナルビルを作る パート04

2024-12-04 07:40:09 | 仕事

「境港のターミナルビル」も完成して納品したはずなのに、設計事務所の方から追加して欲しいものがあると連絡が来ました。

先ずタグボートを客船のそばに付けてほしいとの事です。

なので、作りました。

この巨大な客船をこんな小さいタグボートで動かすんですね。

小さいのにものすごいパワーです。

タグボートが客船に体当たりで押すんですね。

なのでタグボートの周りにはタイヤが付けて有ります。

それと、客船が「小さい船をそのまま大きくしたように見える」と言った方がいたそうで、

大きな船に見えるように窓を追加して欲しいと言う事でした。

さてどうしようか?

船体の側面に窓を筋彫りして取り付けるのなら何とかなりそうなので、1ミリのプラ板に筋彫りして、アクリルの細い棒で階層の段差を付けて、それを船の側面に貼り付けました。

こんな感じです。

これで小さな船に見えないでしょう。

まるで海に浮かぶ団地の様です。

この作業を追加して、やっと完成、納品出来ました。

今現在、境港のターミナルビルに展示されている様です。

この様に、単純に図面通り製作しているわけでは無く、変更が出たり、思いつきで追加が出たりすんなり製作できないことが多いんですね。

建物自体は変更等あまり無いのですが、どうでも良い様な部分に変更や追加がよく出ます。

今回のタグボートなどは、誰かが思いつきで言ったのだと思います。

CGの完成予想図も見せてもらいましたが、それにはタグボートなど描かれていませんでしたし。

ま〜出来が悪かったらこんな追加作業も無いのかもしれません。

出来がよかった?から欲が出たのかな?

と、勝手に解釈しています。

でも、コロナの騒ぎ以降、建築模型の仕事がぱったり無くなりました。

と言っても今、住宅の模型を一つ頼まれています。

個人の一般住宅なのでこのブログにはアップしませんが、小さいのにかなり精密な物になりそうです。

何せ、犬小屋と芝犬まで作りますので。

年末に向けていろんな仕事が来ています。

店舗の看板や電子機器の筐体の製作、ガレージキットの製作、プラモ講座の講師などなど、

まだまだバタバタが続きそうです。


境港のターミナルビルを作る パート03

2024-12-03 07:30:48 | 仕事

境港のターミナルビルの製作もいよいよ大詰めです。

もうほとんど完成なので、いつもの海岸で写真を撮りました。

設計事務所から「写真を撮ってほしい」と言われてたので、自然の光の中で写真を撮りました。

手前に境港タワー、その先にターミナルビル。

奥の巨大な船が「カンタムオブザシー」と言う客船のシルエットを模した模型です。

建物と比べると、船が巨大なのがわかります。

17万トン級の船なので、まるで巨大なビルが浮いているようです。

こんなに大きな船なんですね。

ターミナルビルの模型なのに船ばかり目立ちます。

これで完成!と言う事で、設計事務所に納品したのですが、後に電話があり、追加してほしいものがあるということで、設計事務所から持ち帰りました。

と言うのも、大型の客船を接岸させるのに、タグボートが必要との事です。

なので、急遽タグボートを追加製作することになりました。

それと、客船が小さい船をそのまま大きく作ったように見えると言った人がいたそうで、船に窓を作れと言うことです。

さてどうするか?

完成している物を加工するのが難しい。

それより、この船が小さな船の形に見えるのが理解できません。

どう見ても大型の客船だと思うのですが、ま〜世の役人と呼ばれる人たちは凡人の分からない感覚をお持ちなので、何を言っても無駄ですから言われた通り修正します。

タグボートを作り、客船に窓の彫刻をします。

それでどうなったかは次回に、

続く!

 

 

 

 


境港ターミナルビルを作る パート02

2024-12-02 10:43:03 | 仕事

昨日からアップしている「境港ターミナルビル」ですが、道路の白線貼りが大変でした。

全体はこんな感じです。

この白い箱がターミナルビルですが、まだ、マスキングが貼ってあります。

これが駐車場の白線です。

図面の指示通りのピッチで貼り付けてあります。

この白線は、「中川ケミカル」のタフカルシートという屋外用の粘着シートで、0,5ミリの幅にカットしたものを使用しています。

一本一本引っ張りながら曲がらないように丁寧に貼り付けて行きます。

白線はマスキングして塗装するより、この方法の方が綺麗にはっきりとした白線になるし、間違った場合は剥がせるので便利です。

おさかなパークの時と同じ方法で車も作りました。

観光バスや、乗用車、トラック等製作して並べました。

ターミナルビルの隣には貨物のコンテナを置くところも有ります。

これもプラ板とアクリル板で箱組みして作りました。

ターミナルビルの窓のマスキングを剥がすとこんな感じです。

各ガラスは「熱反射ガラス」なので緑色に色が付いています。

街路樹も作り植えました。

建物と地面は大体できましたが、船がまだまだ出来ていません。

資料がもらえなかったので、自分でネットの写真を参考に製作しました。

船はスタイロフォームに0,5ミリのプラ板を貼り付け、全体のコーティングとしました。

直線的な部分はこれもプラ板を貼り付け仕上げました。

途中の工程の写真がないので、いきなり完成しています。

いつもの海岸に持って行き、写真撮影です。

設計事務所から、会議の資料として写真が欲しいという事でしたので、本物の光のもとで撮影しました。

この完成写真は次回に、

続く!

 


境港ターミナルビルを作る パート01

2024-12-01 10:23:37 | 仕事

昨日まで境港の「おさかなパーク」の模型の記事をアップしてましたが、まだもう一つあるんです。

境港の「ターミナルビル」なのですが、超大型の客船が着岸出来るように海を掘り起こし、17万トン級の豪華客船が着岸出来るようになっている所です。

こんな感じです。

グレーの物は、17万トン級の客船です。

一応「カンタムオブザシー」という船をモデルにしています。

船から降りてくる海外のお客さんが勝手にあちこちに行かないように、入国管理する建物の模型も作りました。

当然ながら、完成の写真とかは無く、建築図面と色見本しか有りません。

CGで製作された完成予想図は有りました。

でも、基本、図面からパーツを正確に切り出し、窓やドアの配置を作ります。

近隣の道路や海の配置も図面から割り出して作ります。

これが入国管理等する建物です。

スケールは1/400です。

道路等塗り分けて行きます。

これも缶スプレーで塗ります。

これは、日本一低いと呼ばれる港タワーです。

スタイロフォームに粘土仕上げです。

塗装するとこんな感じです。

道路部分を塗り分け、白線を一つ一つ貼り付けて行きます。

そしてこのグレーの大きな空間は、駐車場です。

大量の車が停められる所なので、大量の白線を貼らなければ成りません。

根気の一言です。

それと船の方も造形してゆかなければ成りません。

はっきり言って建物より船の方が手間がかかります。

それにこの後、道路が変更になったとの連絡もあり、仕上げているのにまた塗り直して道路を変更しました。

まだまだ苦労は続きます。

続く!