コラム(265):トランプ大統領の通り過ぎたあと
台風が過ぎ去ったあとには瓦礫の山が築かれるように、トランプ台風の猛威のあとには使い古されて役に立たなくなった政治的思想や価値観が瓦礫となって積み重なっているように見えます。
米朝首脳会談の後には、保守、反体制を問わず、北朝鮮のさまざまな問題を政治利用していた人たちの本性が晒されています。
現状変更を嫌う保守主義者
米朝会談をめぐり、保守層の一部からは「壮大な無駄遣いの政治ショー」「単なる妥協と茶番」などの批判があがっています。彼らにしてみれば、これまで不倶戴天の敵とみなしていた北朝鮮がアメリカと手を組むことなどあってはならない、と感じているのです。
なぜなら、状況に合わせて考え方を変えることは、自分たちがこれまで積み上げてきたものや自尊心を手放さなければならないからです。彼らが変化を拒絶することは、自らも変化しないで済むので楽なのです。したがって、変化を批判する行為は、本当はプライドや自己保身だけで生きてきたことを物語っているのです。
また、彼らの一部には、北朝鮮の批判を生業としていた人もおり、批判ができなくなれば、生活の基盤を失うことになります。
保守主義とは良き伝統を守るという面がある一方で、現状の変更を嫌い、従来の利益を守ることを優先させる考えでもあります。したがって、変革の時代が到来したときには一番の抵抗勢力になりがちです。現在の自民党や支持者の多くはこれに近いものがあり、安倍政権の支持者でありながら、安倍総理の進めようとする日朝会談や国交正常化のプロセスに異を唱える人が出てくるのです。
すでに「核・ミサイル・拉致が解決した後に北朝鮮に支援を行う」との安倍総理発言に過剰反応する人も存在します。これから先のあるべき国際社会の姿を見通せないまま、現状の価値観や既得権益こだわって変革を拒絶してはならないのです。
北朝鮮を政治利用してきた人たちの焦り
一方、事態が深刻なのは、政権批判に北朝鮮問題を利用していた反体制側の人たちです。これまで、さも人道主義の立場に立ったかのように振舞いながら、「平和のために対話せよ」「国民に罪はない、北朝鮮への人道援助を」「少数派の権利尊重」「朝鮮学校への補助金支給を」と主張して政権批判の材料にしていた人たちにとり、米朝が手を組むことほど嫌なものはありません。米朝が接近する過程で自分たちの本性が白日の下に晒されるのを恐れているのです。
日朝国交の正常化により、朝鮮総連施設が在外公館になることは明らかです。しかも、金委員長の意向で朝鮮総連が親日路線に転化するのは明白です。
それでも、今まで朝鮮総連と一緒になって日本を貶めてきた人たちは、簡単に転向することはありません。朝鮮総連を利用して体制破壊を企てていた彼らにはとても耐え難いのです。
たとえば、「北朝鮮は安倍政権をいっさい相手にするなという方針です」と述べていた有田芳生氏。
また、「北朝鮮の拉致問題 補償してないのに『返せ』ばかりフェアじゃない」と発言した辻元清美氏。
さらに、「拉致などない」と北朝鮮を擁護し続けた社民党の福島瑞穂氏。
今後こうした人々が詭弁を弄し言い逃れを試みるとは思いますが、彼らの過去の破壊活動的な言動はすでに公安調査庁が把握しています。
メディアによる偽報道が明らかに
トランプ台風はメディアの真実をも暴き立てます。アメリカではトランプ大統領のツイートが米メディアの権威を失墜させましたが、日本のメディアも同様の事態に直面します。
それを象徴する出来事を会談後のトランプ大統領の記者会見に見ることができました。トランプ大統領は「日本の安倍総理大臣、私の友人でもありますが、安倍総理は日本にとって、また世界にとって何が正しいのかについて私に話をしてくださいました。良い人です(NHK同時通訳)」と述べました。これまで、日本のメディアや評論家が、「安倍総理は蚊帳の外」との報道は捏造であったことが露呈した瞬間でした。
トランプ大統領は米国史の中でも異質な人物です。それ故に世界中のメディアや評論家から批判され嫌われています。
しかし、彼は既成の概念や規範にとらわれなく行動をすることができる大統領です。しかも、トランプ大統領の行くところに大きな波紋を呼び起こし、隠されていた真実がさらけ出されます。
実はこの真実こそが、これからの時代の判断基準になります。だからこそ、既得権益の上に胡坐をかいて自己保身を図る人たちはトランプ大統領を恐れるのです。
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