赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

カジノ法案は亡国への道

2015-05-29 00:00:00 | 政治見解
赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』(25)

カジノ法案は亡国への道





カジノ法案再提出

本年5月、自民・維新・次世代の党の3党は、「統合型リゾート施設(IR)整備推進法案【※1】」を再提出しました。一見して観光促進の法案に見えますが、実態は「カジノ法案」です。
【※1】IR法案。カジノを中心とした複合観光施設の整備を促す法律案。IRは Integrated Resort(統合型リゾート)の略。超党派の「国際観光産業振興議員連盟(通称カジノ議連)」が、2013年国会に提出したが、11月の衆院解散により廃案になった。

本法案は、カジノやショッピングセンター、ホテル、国際会議場などを一体的に整備する構想で、関係者は2020年の東京オリンピックまでの開業をめざしているようです。誘致に関心を示しているのは、横浜市、大阪市、沖縄県など全国約20の自治体にのぼります。また、カジノ関連企業として知られるセガサミーホールディングス【※2】が、すでに宮崎県のシーガイアを舞台に、誘致を見越した統合リゾート施設の建設を計画しているといわれています。
【※2】大手パチスロ・パチンコ・ゲームメーカーのサミーと大手ゲームメーカーのセガグループおよび両社の関連会社の持株会社。セガサミーはアミューズメント機器の製造技術を生かしてカジノ機器製造子会社を発足させた。また、韓国の釜山市と仁川市に複合リゾート施設を2016年に開業する予定。これらは「日本でカジノ解禁をにらんで」の戦略である。さらに、セガサミーの娘婿である鈴木隼人氏(経済産業省出身)が昨年の総選挙で衆議院議員(東京比例区選出)となった。なお、本年1月14日にセガサミーの会長兼社長宅に銃弾が打ち込まれる事件が発生した。

刑法では、カジノを「賭博」として処罰の対象にしていますが、本法案が成立しますと、国が認定した区域に限り一定の要件を満たせば設置可能となります。なお、カジノの合法化の実例は、欧米を中心に世界120以上の国・地域で実現しているようです。アジアでは、カジノ収益世界一のマカオに17の施設があり、韓国やシンガポールも合法化しています。


懸念される諸問題

法案の目的には「観光の国際競争力を高め地域の創意工夫、民間活力による滞在型観光を実現する」と掲げていて、「収益を社会に還元する」というのがカジノ解禁の名目になっています。その経済波及効果を最大7兆7千億と試算しているようです。

しかし、経済効果を狙って逆に、ギャンブル依存症の拡大、多重債務者の増加、マネーロンダリングの温床、青少年への悪影響、地域の治安悪化が考えられます。

しかも、観光促進という名目にカジノはふさわしくありません。外国人観光客の目的はカジノではありません。日本の魅力は、「都市景観」と「調和された自然の美しさ」、「日本文化」、「清潔で安全な社会環境」、それに加え「おもてなしの精神」にあると思います。それらが高く評価され、日本の観光人気が高まっているのです。カジノは日本の美しさや調和の精神とは正反対で、開催者も客も金銭的な欲望を求めているのです。よその国の真似をする必要はどこにもありません。

また、カジノはギャンブル依存症を拡大させる【※3】可能性が極めて高いと思われます。
【※3】厚生労働省研究班の推計によると、ギャンブル依存症の疑いがある人は全国で536万人に上るという。遊ぶために借金を繰り返して多重債務に至るケースなど、悲劇はなおも続いているとみられる。

これに対して推進する側は「ギャンブル依存症の人や多重債務者が利用できないようにする」として資格要件規定を盛り込んだようですが、具体的な依存症対策は何一つ示していません。


及び腰の野党と大手マスコミ

国民にとっても反対の声は根強いものがあります。日経新聞の世論調査(2014年10月)では、59%が反対、27%の賛成となっており、国民のおよそ6割が反対していることになります。

国会議員がこの法案の実現を急ぐのはそこ利権が発生するからです。カジノを通して、政界とパチンコ・ゲーム業界の利権、また、パチンコ・ゲーム業界を天下り先とする警察の癒着構造を守ろうとしているからです。
また、野党にもカジノ議連の役員もいますし、大手マスコミにとっては業界からの広告収入が高いので、このような悪弊の指摘には及び腰になっているのが実情です。


カジノ議連は利権拡大のためのもの

カジノを推進しているのが、いわゆるカジノ議連(国際観光産業振興議員連盟)です。社民党、共産党を除く日本の超党派国会議員による議員連盟で、略称はIR議連。2010年4月に参加者74人で発足【※4】しました。
【※4】設立総会では会長に民主党の古賀一成、会長代行に自民党の岩屋毅、幹事長に牧義夫の各衆院議員を選出した。現会長は細田博之氏(自民)、副会長に民主党からは鈴木克昌、前原誠司、桜井充、の各氏が名前を連ねる。最高顧問には、小沢一郎氏がいる。

なお、昨年(2014)10月の参議院予算委員会で「多重債務問題や依存症対策、青少年の健全育成などの総責任者である首相がカジノ議連にいることはふさわしくない」としての質問があったのを受けて、安倍総理は「ご指摘はごもっともなので、最高顧問をやめさせていただく」と答弁した。また、麻生複総理・財務相も同年6月に最高顧問辞任と議連を退会した。





IR議連は「カジノの合法化による観光産業の振興を行うと同時に、パチンコの換金合法化を目的」としています。パチンコ業界とも密接に関係していることは言うまでもありません。実際、自民党には「時代に適した風営法を求める議員連盟」、民主党には「民主党娯楽産業健全育成研究会」がありますが、このメンバーは、パチンコ関連の業界団体である「パチンコチェーンストア協会」の政治分野アドバイザーにも名前を連ねている人が少なからず存在します。


利権目的の政治に終止符を

ところで、パチンコ業界は毎年のごとく巨額の脱税が指摘されています。なぜならパチンコ店は「金の動きを外部から追跡するのが極めて困難」であるからです。業界全体の脱税額は気の遠くなるような金額にのぼると見られています。しかも、パチンコ店のオーナーの七割は在日韓国人だといわれていますので、韓国や北朝鮮への資金源になっていると思われます。

さらに、パチンコ店のオーナーは政治献金も頻繁に行っているようです。ただし、政治献金は「外国人献金の禁止」がありますので、業界団体などを迂回させて特定の政治家に手渡しているようです。一方、政治家のパーティ券購入には「外国人の制限」はありませんので、多くの民主党や社民党、維新の党、公明党の議員が購入依頼しています。パチンコは野党議員にとっても大きな資金源なのです。

また、パチンコ産業の企業や団体は、警察官僚の天下り先として確保されています。全国各管区警察局ごとに天下りの縄張りが決められているようで、パチンコが「賭博」として摘発されないのはここに理由があります。

最近のパチンコ業界も倒産する店舗があるようで、業界自体に危機感があるのかもしれません。そこで新たな収益を確保するものとして目をつけたのがカジノなのではないでしょうか。そのために従来から付き合いの深い民主党や自民党の議員を巻き込んでの法制化をめざすということだと思います。このような国会議員たちにとっては利益団体のロビイストをすることで貴重な収入源となっているのです。


公営ギャンブルやパチンコの無い社会づくりへ 

また、カジノが設置された場合、表向きに健全のようにみせかけて運営するでしょうが、賭博行為に変わりはありません。参加者やその家族の心を荒廃させ苦しみの原因となります。しかも、それだけでなくカジノのある周辺地域を殺伐とさせます。これは、「和の心」を大事にする日本の精神風土とは無縁の存在となります。

目先の小さい利益のために、国民の心の調和や安定をおろそかにすることは国家として最も避けなければならないことです。安倍総理の英断を強く求めます。




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反戦、反基地、反原発の背後に潜むテロリズムの思想

2015-05-26 00:00:00 | 政治見解
赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』(24)

反戦、反基地、反原発の背後に潜むテロリズムの思想



高度な精神性に基づく日本の再生を


素朴な疑問

「戦争反対」、「米軍基地反対」、「原発はいらない」などのプラカードを掲げては、声を張り上げて政府批判を繰り返す人たちの姿に、筆者のみならず多くの方が違和感を覚えていると思います。かれらの主張を一見すれば、「平和・子ども・人権・平等・動物愛護・環境」などの誰もが反論しにくいようなことを掲げています。しかし、実際に活動している人たちの顔を見ると、マスク、サングラス、帽子などで顔を隠していることも多く、また、違法行為を行っている人も見受けられます【※1】。

【※1】『正論2013年6月号』:「YouTubeで公開されている『普天間基地野嵩ゲート前のプロ市民』を是非ご覧いただきたい。普天間基地の大山ゲートでは、月曜日から金曜日までの毎朝、横断幕で歩道を封鎖する活動家や、ノロノロ運転で米兵の通勤車両を妨害する本土出身の活動家もいる。毎朝、米兵の車を蹴る老婆もいるという。・・・」

これでは、仮に社会正義の運動であったとしても、手放しで賛同することができません。かつて1970年代学生運動の「反戦平和」を叫びながら、平和とは真逆の「闘争」、「戦争行為」に国民の支持が集まらなかったのと同様に感じます。

まら、かれらは、「民意を重んじろ」、「話し合いで解決せよ」ということを強く主張しています。しかし、いざ話し合いの場がもたれた場合、かれらの主張ばかりが会場内に響き渡ります。しかも、かれらに対する反対意見には怒号と罵声で封殺します。かりに、主催者側が科学的根拠で説明しても、また、客観的な状況説明しても「その説明は納得できない」と大声で否定するだけです。いくら丁寧な説明があっても議論はかみ合わないのです【※2】。国会の論戦でも同じようなことがしばしば起こりますので、そのことはよく理解できるはずです。

【※2】原発の説明会では国側が「安全に管理すれば大丈夫だ」と言うと、「そんなものは『国家』は嘘をつくから信用できない」と反論する。また、「核エネルギーは平和利用する」と言うと、「プルトニウムを『国家』が悪用するかもしれない」と反論する。どこまでいっても話し合いはかみあわないままである。


なぜ、国家を信用しないのか

かれらは「国家は悪である」という間違った認識【※3】を持っています。これは社会主義イデオロギーに由来するもので、1991年のソ連の崩壊とともに消え去るべきものでしたが、未だにその「洗脳」から目覚めることが出来ない人が存在します。

【※3】レーニンは『国家と革命』のなかで「国家は支配者階級による統治機構であり、その本質は暴力装置である」と説いている。「国家とは、その社会において経済的に支配的な一階級が、自己の利害を全社会に押しつけ、自らの支配のための「秩序」を防衛し、政治的支配をおしひろげるための機構である。警察、監獄、軍隊などの暴力装置が国家権力の本質的な機能を果すものである。」とする。「自衛隊は暴力装置である」との発言した政治家はレーニンの思想に染まっていたということに他ならない。

また、かれらの中には「国家や権威の存在を否定」する無政府主義の思想の持ち主も存在します。「政府が権力を行使すれば、国民の自由を抑圧する」から、そういう「国家や政府はいらない」とする考え方です。


テロリズムの本質

このような「国家は悪である」、「国家は不要である」という考え方をエスカレートさせればテロリストになっていく可能性も高くなります。テロリズムとは、思想や言葉での主張よりも、違法な行動や暴力に訴えていこうとするものだからです。

先日、官邸の屋上にドローンを飛ばした犯人は、反原発を主張する人ですが、「言葉やデモ行進では効果が無いのでドローンを飛ばして圧力をかけようとした」と供述しているようです。これはテロ行為と同じです。原発よりも何倍も人々を不安に陥れる行為です。テロの本質を良く物語っている事件だったように感じます。

また、政府批判を繰り返す勢力の根底にもテロリストと共通する思考があります【※4】【※5】。かれらの考え方こそが、社会の無秩序と無差別の暴力を招いています。かれらの行動には憎しみの感情を煽って戦争を誘発させようとする意思を感じます。

【※4】2015年5月20日 、「鉄は熱いうちに打つ、安倍は今のうちに撃つ方が良くないかなあ。 7/24に大抗議があるけど、一発楔打ち込むためにも」と一国の首相に殺害予告をしているツイートがあった。

【※5】5月21日、秋篠宮ご夫妻の次女佳子さま(20)に危害を加える書き込みをインターネット上にして逮捕された人物は、「佳子を韓国人の手で韓国人の男に逆らえないようにしてやる」と書き込んでいた。さらに、模倣犯と思われる人物は「明日佳子内親王を誘拐し朝鮮総連に拉致監禁し・・・ついでに皇居と伊勢神宮を時限爆弾で爆破する」と脅迫ともとれる内容を書き込んでいる。


かれらに共通するのは、日本という国家に対して強い憎しみの心情を持っているということです。そして、日本を破壊するためには何をしてもいいと思っているのです。彼らにとって、「反基地」、「反原発」、「反戦」は、自らのテロ行為を正当化するための口実にすぎないのです。

かれらの本当の目的は、「テロをやめさせたいなら『金を寄こせ』」といっているのです。日本に反逆して暴れまわれば、金をもらえることを知っているのです。これまで「過激な闘争」には、補償金名目で莫大なお金が支払われていましたから【※7】。

【※7】1977年9月28日に発生した日本赤軍によるダッカ日航機ハイジャック事件では、600万米ドル(当時の為替レートで約16億円)の身代金が支払われた、また、成田国際空港建設に反対する闘争では、土地を収用された反対派住民に別途、補償金が支払われている。沖縄の反基地闘争も例外ではない。
ご参照「沖縄反基地闘争の本質 利権目的の反日闘争はもう止めよう!!

まさに、暴力団やISIL(過激派組織イスラム国)と同一の手法をとっているのがおわかりになるはずです。彼らは金のために違法行為や暴力もいといません。しかも、かれらにとっては、金と破壊が目的なので、最初から建設的な代案などありません。ものを破壊してすっきりするような精神とはどのようなものなのかを想像すれば、おおよそ彼らの精神性がどのようなものか理解することができるのではないでしょうか。


高度な精神性に基づく日本の再生を

かつて、カントは道徳の基本的命題に対して「他人に対して自分が他人からしてほしいようにすること」と語りました。論語でも「己の欲せざるところは人に施すこと勿れ」と語っています。

このように先人たちが残した言葉は現在でも色あせない言葉があるように、「人の苦しみには共感し、人の幸福を我が喜びとするような一体感」を基調に、さまざまな機会で「国民としての自覚」を高めていきたいと思います。

そのためにはどのような精神文化によって日本の平和が保たれてきたのかを学び、これからもより高度な精神文化を創り続ける努力を続けることが何よりも大切なことだと思います。この努力が国民と日本を結ぶ強い絆になるはずです。

また、外からの「軍事的な攻撃」に対し国民の安全を守る施策を講じることも国家の重要な働きの一つです。私たち国民がこのような認識を持つことが、日本に対するテロや戦争の脅威を無くすことにつながるのではないかと思います。


戦後70年を機に、国際社会の模範となれるような日本に再生していきたいと念願しています。そのためにも、与野党問わず安全保障政策の議論に「高度な精神性に基づく秩序」を反映していただきたいと強く思います。



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安全保障法制はなぜ必要なのか

2015-05-22 00:00:00 | 政治見解
赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』(23)

安全保障法制はなぜ必要なのか




時代の潮流を変えたもの

安全保障法制の整備が急がれた理由は、中国のパワーゲームにあります。パワーゲームとは「大国がその政治的、経済的な力を背景にして主導権を握ろうとして行う、国際政治上のかけひき」のことを言います。

中国はここ数年間、日本の領海である尖閣諸島への侵攻を試みたり、東シナ海上空に防空識別圏を設定するなどの唐突な行動を取りました。それが結果的に、日本国内の国防意識を高めることにつながったと言えるでしょう。

また、日本に対するのと同様、南シナ海における行動がASEAN諸国の不興を買い、結果的に、日本とアメリカの密接な連携をもたらし、東南アジア諸国と日本が強く結びつく要因になったと思います。


安全保障法制、新聞メディアはどう伝えたか

5月14日、政府は集団的自衛権の限定的な行使を可能にすることなどを柱とした安全保障関連法案を決定しました。18時からは安倍総理が記者会見【※1】を通して国民に安全保障法制整備の意義を述べました。

【※1】「もはや一国のみで自国の安全を守ることはできない時代」、「厳しい現実から目を背けることはできない。平和外交を展開すると同時に、万が一の備えを怠ってはいけない」、「あくまで日本人の命と平和な暮らしを守るため、あらゆる事態を想定し、切れ目のない備えを行うもの」と語った。

読売新聞は社説で「安保2法案決定 的確で迅速な危機対処が肝要」と賛意を示しました。一方、朝日新聞「安保法制、国会へ この一線を越えさせるな」として「法案を成就させるわけにはいかない」と真っ向から反対意見を表明しています。


抑止力が国民の命を守る

現在のようなパワーゲームが行われている国際社会にあっては、軍事力の弱い国は軍事大国のパワーに飲み込まれてしまう現実があります。その意味で安全保障法制の整備は戦争の惨禍を防ぐ有力な選択肢であることを認識すべきだと思います。

フィリピン領である南シナ海の南沙諸島(スプラトリー諸島)のミスチーフ礁がいま、中国によって埋め立てられ(面積は計約8平方キロ、東京ドーム約170個分の広さ)ています。かつて、フィリピンは「米比相互防衛条約」を締結して米軍が駐留していいました。しかし、1992年に条約が事実上失効すると同時に米軍は撤退しました。その直後から中国軍の活動が活発化して、同環礁を占拠し建造物を構築しはじめたのです。フィリピンが抗議しても中国は耳を貸しません。

残念ながら現在の国際社会では、軍事力という「力」の存在が一定のバランスを保つ働きをし、バランスがとれた状態が「戦争のない平和な状態」が実現していることになります。

しかし、いままで「その地域を支配していた力」が及ばなくなって「力の空白」地帯ができますと、そこに「別の力」が容易に入り込んできます。軍事的な侵略はこのような「力の不在」によって引き起こされるのが通常です

そのため、各国はそれぞれしかるべき軍事力を持ち、他国から攻撃されぬよう努力しているわけです。さきほどのフィリピンの事例も、「力の空白」が引き起こした典型例です。


「戦争反対」で備えを怠れば、戦禍にさいなまれる

従って日本も戦争に巻き込まれないために万全の備えをしておかなければならないのです。

また、一部の人々の「戦争反対」の掛け声が「守る力」をも否定して「力の空白」をもたらす最大の元凶であることも知っておく必要があります。
5月14日、安倍総理は記者会見で次のように述べました。

「安保条約を改定したときにも、また、PKO協力法を制定したときにも、必ずと言っていいほど、戦争に巻き込まれるといった批判が噴出しました。しかし、そうした批判が全く的外れなものであったことは、これまでの歴史が証明しています」と・・・。

誰しも戦争を望んではいません。しかし、日本だけが「戦争放棄」しているからといって何も備えをしなければ、軍事的な空白地帯である日本はあっという間に攻め込まれます。これまで日本は、米軍の存在があり、自衛隊の存在があったからこそ70年もの間、どこからも攻め込まれなかったのです。

「戦争反対」を叫ぶ人ほど危険な存在はありません。彼らの「戦争反対」を叫ぶことによって日本の防衛力を弱めようとする行為は、「力の空白」を招き、日本を侵略させるための亡国行為であると言っても過言ではありません。


安全保障法制の先にみえるもの それはアジアの平和と安定

残念ながら、未だ、国際社会が「世界をあげて戦争をしない」という理想の状態には至っていません。したがって、この集団的自衛権問題は世界全体が平和になるための一つのプロセスとしてどうしても通過しなければならない関門だと思います。

同時に、この安全保障法制の整備、そして集団的自衛権行使の問題は日本一国のためだけのものではありません。

東南アジア諸国は日本に熱い視線を投げかけています。2014年5月末のアジア安全保障会議で安倍総理が「アジアの平和と繁栄よ 永遠なれ」と題した講演の実現を切に待っているのです。また、先日の日米首脳会談で宣言された「日米が中核となり,法の支配に基づく自由で開かれたアジア太平洋地域を維持・発展させる」ことを強く待ち望んでいるのです。

東南アジア諸国は、日本とともにアジアの繁栄と平和を築きたいのです。そして、それを可能にするのが日本の安全保障法制の整備なのです。なぜなら、日米間の安全保障・防衛協力の強化が、東南アジア諸国の安心感を醸成し、相互の信頼及び協力関係を深めるきっかけとなるからです。

私たちは、安全保障の法整備が、日本国民の生命と平和な暮らしを守り、東南アジアの安定と平和のために必要なプロセスなのだと強く自覚していきたいと思います。



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橋下徹氏の復活を切に望む

2015-05-19 00:00:00 | 政治見解
赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』(22)

橋下徹氏の復活を切に望む





大阪都構想の住民投票結果

大阪市を廃止し5特別区に分割する「大阪都構想」の賛否を問う住民投票が5月17日に行われ、即日開票の結果、約0.8ポイントの僅差で反対が賛成を上回り、大阪市の存続が決まりました【※1】。

【※1】当日有権者数は2,104,076人、投票率は66.83%。賛成694,844票、反対705,585票、10,741票差。
ちなみに2011年の大阪市長選挙では当日有権者数:2,104,977人 最終投票率:60.92%、橋下徹(新)750,813票(58.96%)、平松邦夫(現)522,641票。


橋下徹大阪市長(地域政党・大阪維新の会代表)が提唱した「都構想」の議論はこれで終結し、「(12月の)市長任期【※2】まではやるが、それ以降、政治家はやらない」と述べました。記者会見に臨んだ橋下氏の姿には、清々しさと潔さを感じさせるものがありました。

【※2】2015年12月18日(任期満了日)自らの辞職に伴う、2014年3月23日執行の出直し選挙に当選したため任期は1期分

また、維新の党の江田代表も18日未明に代表を辞任する意向を表明し、現在の執行部は全員退陣する方向で調整、党代表選が行われる見通しとなっています。「橋下氏の政界引退表明とあわせて、維新の党の求心力は低下しそうだ」との観測が流れています。


「改革への期待」か「既得権の確保」か

今回の住民投票は「改革への期待」対「既得権の確保」という構図でした。

メディア各社が共同して行った出口調査は「60代超の過半数が反対、自民支持層4割超が賛成、公明党支持層は87.3%、共産党支持層は89.6%、民主党支持層は77.7%がそれぞれ反対、無党派層は賛否がほぼ拮抗した」と報じています。

なお、反対票を投じた人が最も重視した項目は「大阪都構想のメリットが明らかかどうか」で、次いで「住民サービスが良くなるか悪くなるか」だったようです。大阪独自の優待乗車証「敬老パス」などが切られてしまう可能性を高齢者が不安視した可能性も否定できないでしょう。

実際に、期間中の動きをみても「既得権益」を守りたい人びとが呉越同舟さながらに反対を唱えていたようで、「自民は禁断の共産、民主と共闘【※3】」という報道もなされていました。

【※3】「反対派の自民、共産両党は大阪・梅田で街宣車を並べた。・・・ その後、辻元氏らと共産党の街宣車に乗り換えた自民党の柳本卓治参院議員は『兄弟分のような感じだ』と共産党を持ち上げ、同党の山下芳生書記局長も『120年の歴史を持つ大阪市を廃止するのが都構想の正体だ』と訴えた」。

自民党の市議団は失職を恐れていましたし、民主党の支持母体である大阪市職員労働組合も失業の危機にありました。また、公明党、共産党による福祉の恩恵を受けていた人も同様で、これらの「既得権」を守りたい人びとが積極的に「反対」の意思表示をしたように見受けられます。


維新の党はどうなるのか




さて、この住民投票の結果を受けて中央政界にもさまざまな動きがでてくると予想されます。なぜなら、橋下氏によって成り立っていた維新の党は、氏の引退表明とともに党としての基盤が崩壊するからです。

ちなみに同党の所属国会議員数は51名で、そのうち衆議院議員40名、参議院議員11名となっています。40名の衆議院議員のうち、比例で当選した人が29名もいるので選挙区での地盤の弱い人たちばかりです。このような国会議員は自らの既得権益を守るためなりふり構わぬ行動に出る可能性があります。

維新の党は江田憲司代表のように、旧みんなの党から移ってきた人たち、松野頼久幹事長のような民主党出身者、太田和美氏のような小沢一郎チルドレンなど、自民党出身者も含めてさまざまな政党出身者で成り立っている寄り合い所帯です。

このような状態であれば維新の党は、民主党の草刈場になる可能性は濃厚ですし、代表の辞任を申し出た江田憲司氏が、維新の党をまるごと民主党に鞍替えしてしまう可能性さえあると思います。

江田氏は「みんなの党離脱騒ぎ」を思い出せばわかるように、自分の立場のためなら平気で裏切り行為ができる人物です。また、幹事長の松野頼久氏も民主党の鳩山由紀夫元総理の側近だったにもかかわらず、民主党の人気が低迷した途端、橋下氏のもとに駆け込んだ人物です。

こういう人たちは自らの立場を利する方向で動き回るので、維新の党の存続は極めて危ういと言えます。


橋下氏の復活に期待する

記者会見では橋本氏の潔さが際立っていました。これほどの潔さをみせた政治家は近年に稀なのではないでしょうか。

今の日本の政治は、多くの政治家が保身と自らの権益を守るために活動しているという悲しい現状にあります。立場や名誉や金銭など自己の損得にとらわれている政治を打破するには、橋下氏のような精神に潔さを持つ人物が多数輩出されなければ日本は変わりません。

一旦、引退表明をした方に「政界復帰」をお願いするのは心苦しいのですが、日本の現状と国会議員のあり方を考えるときに、是非とも国政に影響を与え続ける人であってほしいと思わずにはいられません。




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安全保障法制審議――与野党の真剣な議論を期待する

2015-05-15 00:00:00 | 政治見解
赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』(21)

安全保障法制審議
――与野党の真剣な議論を期待する






安全保障法制関連法案が閣議決定された

戦後日本の安全保障政策の大きな転換となる安全保障法制の関連法案が14日に閣議決定されました。自衛隊法など10の法律の改正を一括した「平和安全法制整備法」【※1】と、新法である「国際平和支援法」【※2】の合わせて2本の法案です。

【※1】集団的自衛権の行使に関しては、「わが国と密接な関係にある他国への武力攻撃により、わが国の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」を「存立危機事態」と位置づけ、その際には自衛隊が防衛出動し、武力の行使ができるようにするとしている。また、日本の平和と安全に重要な影響を与える事態を「重要影響事態」と位置づけ、周辺事態法を改正して「重要影響事態法」とし、その際に行うアメリカ軍などの外国軍隊への後方支援には地理的な制約がないことを明確にした。

【※2】国際社会の平和と安全を脅かす事態に対処する外国軍隊への後方支援は、そのつど特別措置法を作らなくても対応できるよう、国際平和支援法」を恒久法として制定するとした。そして、新法に基づいて自衛隊を派遣する際は、例外なく国会での事前承認を義務づけ、総理大臣が国会に承認を求めてから衆参両院はそれぞれ7日以内に議決するよう努めなければならないとしている。


これにより「アジア太平洋や世界の平和と繁栄に主導的な役割を果たしていく」、「平時から有事まで自衛隊と米軍の切れ目のない協力」(4月28日の日米首脳会談)という日本の決意が、安全保障法制として国会で審議入りをすることになります。国民の生存と安全に関する重要な法案なので議論のなりゆきを真剣に観察していきたいと思います。


真剣な議論をのぞむ

国会もこれからは少々騒がしくなることが予想されます。安倍政権を批判したいだけの野党もさまざまな抵抗戦術を試みようとするはずです。

たとえば、現段階でも、「日米首脳会談の合意は国会軽視である」として国会で問題視しようという動きがでています。また、外交交渉である「TPP交渉の中身を国会で明らかにせよ」などという人もいて、安全保障法制議論の本質とは異なった部分での問題追及もありそうです。

しかし、野党は国会をこれまでのような枝葉末節な質問の場にしてはなりません。国民の生存と世界の人びとの生存にかかわることなので、本当に命がけの議論をしてほしいと思います。


国民の安全と生命を守るのが国会の役割である

また、安全保障法制の議論は日本の国家の命運がかかるだけではありません。日本の国際社会への貢献という視点でも、影響が大きくなると言えるでしょう。

そのためにも、国会審議では国際社会の現状を踏まえての「何をなさねばならないのか」「何を変えなければならないのか」との観点で討議していただきたいと思います。したがって、単なる政府批判だけの、またレッテル貼りだけの議論ではなく、私たちの国民の生存、そして世界の人びとの生存と、さらに、子や孫の時代を見据えた上での真剣な議論を展開していただきたいと思うのです。国会議員はそのために選ばれたということを忘れないで頂きたいと思います。

したがって、安倍内閣は、安全保障政策の必要性を国民に向かって繰り返し語っていただきたい。一方、それに反対する野党は、冗長な議論に陥ることなく、政府のどこがどう間違っているのということを堂々と主張していただきたい。その上で、「わが党ならこう考える」という対案を示していただきたいと思います。


政治家の仕事は目の前の現実に対して「何をなさねばならないか」を考え、「行動する」のが第一義です。国会は、安全保障法制案の審議に全力で取り組んでいただきたいと思います。

また、私たち国民は各政党の一挙手一投足を見て、その存在意義を判断する機会を与えられていると思います。真剣にこの議論のなりゆきを見守っていくことが国会議員を選んだ私たちの責任でもあります。



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中国の対日外交戦略は上手く機能したのか

2015-05-12 00:00:00 | 政治見解
赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』(20)

中国の対日外交戦略は上手く機能したのか





中国の対日外交戦略を概観する

中国の政治情勢は一枚岩ではありませんし、軍部の意識も多様なので、単純に中国の対日政策を分析するわけにはいきません。しかし、ここ一連の中国政府の発言を見ると、少なくとも従前の対日政策とは趣を変えてきたように感じられます。

2010年9月の尖閣諸島での中国漁船衝突事件以降、中国は尖閣諸島周辺水域での徘徊と日本の接続水域へ、日本の防空識別圏への侵入と徘徊を常態化させました。また、日本への制裁措置レアアース(希土類)【※1】の輸出を禁止しました。

【※1】2012年3月、日米欧は「中国が、レアアース(希土類)、タングステン、モリブデンに関して、不当な輸出制限をしている」として、WTOに提訴。これに対して、中国は環境や天然資源の保護などを理由に、輸出制限が正当なことを主張してきた。2014年8月、中国のWTO敗訴が最終決定した。


2012年9月の尖閣諸島国有化により、中国国内で反日デモが暴動化しました【※2】。このとき、共産党総書記に内定していた習近平国家副主席も尖閣国有化を激しく批判しました。この時点が、政府主導の反日工作の頂点だったのかもしれません。

【※2】これら一連の動きから、日本企業の間でチャイナリスクが高まり、インド・ASEANへのシフトが加速した。

2013年12月には安倍総理が靖国神社に参拝しました。即座に中国は反発し抗議声明を出しています。しかし、具体的な報復措置もなく、反日デモはすべて却下されたといわれています。この時点で、識者は「対日カードもそのほとんどを使ってしまい、有効な手段が取れずに困っている」と指摘しています。


「法の支配は,われわれすべてのために」

さて、2014年5月末の第13回アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)の際、安倍総理の演説は国際社会に大きな影響を与えました【※3】。積極的平和主義の推進を通してアジア地域の安定,平和,繁栄を高らかに謳ったからです。同時に、アジア諸国と摩擦を続ける中国を強く念頭においた演説でした。この時点で中国は少なからず国際社会の逆風を感じ取ったに相違ないでしょう。

【※3】安倍総理は演説の締めくくりで「アジアの平和と繁栄よ永遠なれ。日本は,法の支配のために。アジアは,法の支配のために。法の支配は,われわれすべてのために」と述べた。

「法の支配」という考え方が、いまでは国際社会の共通認識になっています。本年(2015)4月14日、15日にドイツ・リューベックで行われたG7外相会合【※4】においてもその趣旨のコミュニケ【※5】が発表されていますし、さらに、海洋安全保障に関する G7 外相宣言【※6】では中国に警告を発するまでになっています。

【※4】フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダとEU外務・安全保障上級代表が参加して開催。

【※5】http://www.mofa.go.jp/mofaj/fp/pc/page22_001957.html 参照:「民主主義、法の支配、人権の尊重を含む我々にとって共通の価値観や原則に即して、自由、平和及び領土の一体性を守り・・・」

【※6】http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000076374.pdf 参照:「我々は,東シナ海及び南シナ海の状況を引き続き注視し、大規模埋め立てを含む、現状を変更し緊張を高めるあらゆる一方的行動を懸念している。我々は、威嚇、強制又は力による領土又は海洋に関する権利を主張するためのいかなる一方的試みにも強く反対する」



日本への歩み寄らざるをえない中国

本年(2015)4月22日、バンドン会議60周年行事の最中、日中首脳会談が行われました。2014年11月、中国で開催されたAPEC首脳会議のときの習近平主席の表情がうって変わって和らいでいるのが印象的でした。おそらくは、習主席にとっては、日本を無視してばかりはいられない事情がでてきたからでしょう。



その原因はいくつかありますが、前述のアジア安全保障会議の際の「法の支配」を求める安倍総理演説以降の国際社会の中国に対する厳しい視線を感じ取っていること。そして、中国が日米間の分断を狙って画策したこと【※7】がかえって日米同盟の絆を強くしているという事実に気づき、対応の変化を迫られてきたと思われるのです。

【※7】中国はプロパガンダ攻勢で、沖縄の米軍基地問題、集団的自衛権行使反対運動を起して世論喚起を試みたが、中国に追随する人以外にはその広がりを見せていない。

先日の、日米首脳会談でも「対中政策に関して、今後とも日米の様々なレベルで緊密に意見交換を行い、連携を維持していくこと」が確認されています。これら一連の国際社会の動きで、強気に見える中国も、実は、国際社会への対応に苦慮していると判断されるのです。


ADBとAIIB どちらが発展途上国のためになるのか

なかでも、いま一番中国が苦慮しているのがAIIB問題でしょう。AIIBを通じて経済分野で中国がアジア地域の主導権を握ろうとしていますが、思惑通りに動いていません。

5月2日から、67カ国・地域が加盟するADB(アジア開発銀行)の年次総会がアゼルバイジャン【※8】の首都バクーで開催されました。また、この間に、第18回ASEAN+3(日中韓)財務大臣・中央銀行総裁会議【※9】も開催されています。この一連の会合には麻生太郎財務相【※10】と黒田東彦日銀総裁が出席しています。

【※8】カスピ海の西岸に位置し、北はロシア、南はイランに挟まれる。バクー油田など豊富な天然資源がある。ムスリム(イスラム教徒)が95%を占める。米露とのバランスを考慮しつつ、トルコ、イランとも等距離善隣外交を継続中。

【※9】共同声明には世界経済の現状を「成長は緩やかなままで、一様でない道筋をたどっている」と指摘。成長力を高めるため、構造改革に取り組む考えも盛り込んだ。http://www.mof.go.jp/international_policy/convention/asean_plus_3/20150503.htm 

【※10】麻生太郎財務相はADBセミナーで「アジアに望ましい成長をもたらす良質なインフラ投資を促進する」と述べ、JICAの活用に加え、国際協力銀行(JBIC)を財務面、人材面で強化。新幹線など日本の技術も活用して投資を拡大する意向を示した。


この一連の会合で日本主導のADBはその融資能力を現在の年間約130億ドルから、2017年に最大で1.5倍の約200億ドル(約2兆4千億円)に拡大すると発表し、資本力を高め、途上国のインフラ整備を加速させる考えを示したものです。

ADB側の新たな方針については専門家筋は、「インフラ整備の国際基準化を進めることと、その基準に満たない低レベルのインフラ投資を排除するものだ」と指摘をしています。要は、中国式援助が「私がやりましょう」型で、現地の企業を参画させず、その国の発展や雇用のために何の役にも立たないと言っているわけです。それよりも、日本式の「やり方を教えましょう」型の援助によって「技術移転を含めて現地の自立を促す方式」の方がその国のためになるという考え方が前面に出たものです。前者がAIIBで、後者がADBなのです。その意味で、今後のアジアのインフラ整備はAIIBの実態が明らかになるとともに、日本とADBへの期待がますます高まることになりそうです。


中国の軍拡は自らの滅びの道になる

中国という国は、弱腰で接近してくる国には高飛車でのぞみます。これは、伝統なのかもしれません。しかし、毅然たる態度でのぞんでくる国には冷静に対応してくるのです。先日の日米首脳会談に対する中国側の見解もおとなしくなっているのはそのいい例でしょう。

しかし、アジアに覇を唱えるには日本という国があり、世界に覇を唱えようとすればアメリカという巨大な壁が存在します。これには中国は「力」で対抗しようとしてきますから、中国の軟化を安易に考えてはなりません。中国は「力」を蓄えるべく、なお一層の軍備拡張に向かうものと見られます。

朝日新聞の2014年3月6日の社説でも「中国の国防費 危うい軍拡をやめよ」と述べているほどに、中国の軍事費の伸びは大きいものがあります。2015年予算案は、8869億元(約17兆円)と前年実績に比べて10.1%増、5年連続しての2桁増となっています。それだけの予算があるのなら、中国国民のための環境整備(PM2.5対策、水対策など)に使って、国民の生命と安全を守った方がいいと思うのですが、国際社会で主導権をとるために国民生活を犠牲にして軍拡をおこなっているのです。

しかし、軍事費拡大のツケは必ず来ます。なぜならば、かつてアメリカと覇権を争ったソ連は、結局崩壊してしまいましたが、原因はアメリカに対抗して軍備拡張に莫大な費用を投入した疲弊によるものです。現在でもアメリカの国防費は2016年度(15年10月~16年9月)の予算案では5000億ドル(約59兆円)に達する見込みで、中国がアメリカに対抗しようとすればするほど、中国の軍事費は跳ね上がり自滅するしかありません。



飽くなき軍拡は国を滅ぼす元となります。しかも、七大軍区といわれる軍部がそれぞれ勝手な動きを起せば、再び前世紀の「内乱の中国」に戻るだけになります。中国の指導部には静かに路線の変更をしていただきたいものです。




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政治とは現実の変化に対応すること

2015-05-08 00:00:00 | 政治見解
赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』(19)

政治とは現実の変化に対応すること





日米首脳会談に見るアメリカの本音

4月28日の日米首脳会談の冒頭で、アメリカのオバマ大統領は「様々な国際場裡(こくさいじょうり=国際的な交流の場所)やグローバルな課題への取組において,日本ほど心強いパートナーは存在しない,安倍総理の勇気と強さは,米国にとっても世界にとっても重要である」と述べています【※1】。

【※1】オバマ大統領の冒頭発言:安倍総理は日本経済を前進させ,再活性化しようとしており,米国はその努力を支持している。日米間では安全保障関係を更に活性化するための試みが行われており,日米両国がこの地域において様々な課題に取り組む上で同盟の強化が重要である。様々な国際場裡やグローバルな課題への取組において,日本ほど心強いパートナーは存在しない,安倍総理の勇気と強さは,米国にとっても世界にとっても重要である。

この冒頭発言は、あまり報道されてはおりませんが、極めて重要な意味を持つものだと思います。筆者はこれを「アメリカの日本観が劇的に変わった瞬間だ」と受け止めました。と申しますのも、これまでのオバマ大統領の発言を見ている限りでは、日本に対する期待はあまり高いものではなく、同盟国ではありながらも単にビジネスパートーナーとしての位置づけしかなかったように感じていたからです。

しかし、国際社会の情勢の激しい変化に、もはやアメリカ一国だけの力だけでは対応しきれなくなり、日本に頼らざるを得なくなったと思われるのです。

その理由の第一が、最も親密な同盟関係にあったイギリスがあてにならなくなったこと。第二にEU諸国はギリシアとウクライナ問題で手一杯となって、これまた頼りにできなくなったこと。第三に、アジアでは、中国の覇権主義が目に余るようになってアメリカの利益にまで手を突っ込み始めたこと。第四にロシアとの関係が良好ではないこと。第五に、イスラム社会との協調は未だ上手く築けないこと、などが挙げられると思います。

このようなアメリカの抱える一つ一つの問題に対し、唯一、しっかりとした見解や解決能力を持ち得るのが日本政府であるとの認識があるようです。また、そのような状況の中で、「集団的自衛権行使を容認してお互いを守りあう」と決意した日本がいまやアメリカにとって最良のパートナーであると感じるのは当然でしょう。。れゆえに、オバマ大統領の冒頭発言は単にリップサービスではないと考えるべきで、アメリカの本音は日本との関係を深めようとしているところにあると思うのです。


これからの変化に政治家はどのように対応すべきか

ところで、21世紀はボーダレス社会の到来だとか、国際社会もグローバル化の波が到来するといわれていました。しかし、実際にグローバル化したのはインターネットなどを通した情報通信と情報を基盤とした経済行為だけだといわれています。国際社会は全くと言っていいほどにグローバル化していません。依然としてボーダー(国境)は存在し続けています。そして、いまもなお、昔ながらの領土問題と経済問題に、歴史認識による憎悪の連鎖が続いているのです。

本来なら、世界の政治指導者にはこのような負の連鎖を断ち切るための努力が要請されるのですが、現実は、政治指導者の多くがこれに逆行する動きをしています。

とくに中国の習近平国家主席は、日本および太平洋沿岸諸国、また、東南アジアからインドまで「真珠の首飾り戦略」で覇権主義の影響を及ぼそうとしています。さらに、内陸部にあっては、ロシアに近い中央アジアにも広げようとしています。この拡張主義に対して、ASEAN諸国は4月26日の外相会議で、「南シナ海における中国の埋め立て中止」を明確に主張したほどです。



一方、ソ連時代はアメリカとともに覇を競い合っていたロシアも、ウクライナ問題でアメリカ及びEU諸国と対立を深め、「21世紀の冷戦」とまで言われる事態を引き起こしています。

また、イスラム原理主義者のテロは一向に収まる気配を見せていません。テロの横行に、どこの国の指導者も問題の解決ができない状態が続いています。

このような地球規模で危機が拡散しているときにこそ、世界の政治指導者は互いに歩み寄らねばなりません。「人類全体の問題」として手を取り合わねばならないのです。それは万人の望みでもあります。

必要なのは、演説、政策ビジョン、イデオロギーではありません。

政治家は、常に「社会の変化」をつぶさに観察して「自分は何をすべきか」を問い、それを実行することが本当の仕事です。現実を直視して問題を解決していくのが政治の役割なのです。何も変革しようとせず、論評や批判ばかりしている人は政治家を名乗る資格はありません。


「社会の変化」に対し、世界の政治的指導者はどのように対応してきたのか

現代史において、「いま起きていること」に機敏に反応し、「やるべきこと」を確実に成し遂げた政治指導者は少なからず存在しています。その中で、とくに名前を挙げるとするなら、イギリスのウィンストン・チャーチルとアメリカのジョン・F・ケネディです。

チャーチルは、当時のイギリスで支配的であったナチス・ドイツへの宥和政策(敵対国の主張に対して、相手の意図をある程度尊重する事によって問題の解決を図ろうとすること)を危険視して、英国民に覚醒するよう呼びかけた人物です【※2】。これにより、イギリスはナチス・ドイツによる被害は受けましたが、大きな危機は回避することができました。

【※2】ヒトラーの傍若無人な周辺国への侵略行為に憤慨したチャーチルは議会で何度もドイツの危険性を訴えるが、第一次大戦の惨禍に懲りていたイギリス国民と宥和政策をとっていたチェンバレン政権はそれを許さなかった。チャーチルは著書『第二次世界大戦回顧録』のなかで、「第二次世界大戦は防ぐことができた。宥和策ではなく、早い段階でヒトラーを叩き潰していれば、その後のホロコーストもなかっただろう」と述べている。

一方、ケネディは、日本では理想主義のアメリカ大統領であるととらえられていますが、かれの本質は「危機への対応能力」に評価を集めるべきです。核戦争の危機でもあった第三次世界大戦を、毅然たる外交姿勢で回避させた決断力は特筆されるべきです【※3】。

【※3】1962年、ソ連は核ミサイルをアメリカののどもとにあるキューバ国内に配備を始めた。これに対して、ケネディは全米テレビ演説で国民にキューバにミサイルが持ち込まれた事実を発表し、アメリカ軍部隊をソ連との全面戦争に備え臨戦態勢を敷いた。結局、ソ連のミサイル撤去により危機は回避された。その首謀者であったるフルシチョフはソ連首相を解任された。



これらから学ぶ歴史の教訓は、変化に速やかに対応することであり、社会の変化が国家的危機を伴うものであれば、毅然たる姿勢と不動の信念でこれに対処していかなければならないということだと思います。

また、ここで述べた「国家的危機」という言葉を「国際社会の危機」と読み替えるならば、それは、「人類全体の危機」という意味になるはずです。そのように考えていけば、いま世界各地で起きているテロ、紛争、戦争は、日本人にとっても他人事ではなくなるはずです。


日米の協力で世界を平和と繁栄に導く

冒頭に紹介した日米首脳会談で、安倍総理は「本日の会談を通じて,自由,民主主義,人権,法の支配といった基本的価値の上に立つ日米同盟が,アジア太平洋や世界の平和と繁栄に主導的な役割を果たしていく」と述べました。第二次世界大戦で壮絶な戦いをした日米両国が、恩讐を超え手を携え「世界の平和と繁栄に主導的な役割を果たす」という言葉は実に重みがあります。これこそ政治的指導者が真っ先にやるべきことなのです。

これまで、世界の政治指導者の誰も手をつけようとしませんでした。それを今回の会談では日米両首脳が「協力して実現する」と宣言したのです。日米首脳会談が歴史的快挙であったという意味がここにあります。日米から世界に希望の光が届けられようとしているのです。実に日本国民にとっても嬉しいことではないでしょうか。

そのためにも、枝葉末節の議論や雑音に惑わされることなく、日米の指導者に対し、日本国民として絶大な応援をしたいと思います。

人類の明るい未来を開いた歴史的瞬間と同時代に生きていることに感謝しつつ・・・。




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歴史的な転換点に立った日米関係

2015-05-02 00:00:00 | 政治見解
赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』(18)

歴史的な転換点に立った日米関係




戦後70年の節目に行われた日米首脳会談(4月28日)と、安倍総理のアメリカ議会上下両院の合同会議での演説(29日)。これらから、「日米協調による国際社会の繁栄と調和への第一歩が踏み出された歴史的瞬間である」と読み取ることができるのではないかと思います。


日米首脳会談で特筆すべきこと

日米首脳会談は、「日米同盟が国際社会で最も重要なものである」ということを宣言したことに最大の力点があります。つまり、現在、中国の覇権拡大がアジアのみならずアフリカ諸国まで及ぶ中で、日米同盟が「繁栄と平和に基づく積極的平和主義で、国際社会に安定とバランスを取戻す」ということを世界に発信したということなのです。おそらくは、この日米首脳会談が、日米両国においても、また国際社会においても、21世紀の明日を決定づける「歴史的な転換点」になったと思います。

首脳会談後の共同記者会見に臨んだオバマ大統領は、日米の協力関係を「相互依存、敬意、責務の分担…。『お互いのために』が日米同盟の本質であり、この同盟には世界へ向けた教訓が含まれている」と強調しました。また、中国の海洋進出に触れ、「日米両国は南シナ海での中国の埋め立てと施設の建設に懸念を共有している。両国は航行の自由と国際法の尊重、それに紛争の平和的な解決に連携して取り組んでいく」と述べています。中国に対する牽制が強くなっていることが理解できます。

一方、安倍総理は「自由,民主主義,人権,法の支配といった基本的価値の上に立つ日米同盟が,アジア太平洋や世界の平和と繁栄に主導的な役割を果たしていく」との力強いメッセージを発信しています。戦争という惨禍を克服し、「未来志向」の関係を築くために積極的に国際社会に貢献していく姿勢がにじみでているものとなっています。

日米首脳会談の全貌については、外務省のホームページご参照:http://www.mofa.go.jp/mofaj/na/na1/us/page4_001148.html


上下両院合同会議での演説

日本の総理大臣として両院合同会議で演説するのは初めてとなった安倍総理は、英語で約45分間、歴史認識、戦後の発展とアメリカの貢献、日米同盟新時代について語りました。今回の演説では「しれつに戦い合った敵は、心の紐帯を結ぶ友になった。戦後の日本は、先の大戦に対する痛切な反省を胸に歩みを刻んだ。みずからの行いがアジア諸国民に苦しみを与えた事実から目を背けてはならない。これらの点についての思いは歴代総理と全く変わるものではない」と述べました。また、この発言により「安倍総理は歴史修正主義者だ」とする評価が誤解であることも明らかにしています。

最後には、「国際協調主義に基づく積極的平和主義こそは、日本の将来を導く旗印となる。・・・ 私たちの同盟を『希望の同盟』と呼ぼう。アメリカと日本が力を合わせ、世界をもっとはるかによい場所にしていこう。一緒なら、きっとできる」と呼びかけ、演説を締めくくっています。



この演説に対して、アメリカ議会での賛同が得られるかどうかが、「戦後70年談話」の成功に向けた試金石であるととらえられていましたが、議員関係者には好評であったようです。事実、アメリカ議会では立場を超えて発言者に対する賛辞を惜しまない「スタンディング・オベーション」も、14回はあったといわれています。

上下両院合同会議については、外務省のホームページご参照:http://www.mofa.go.jp/mofaj/na/na1/us/page4_001149.html


対等な日米関係の成立

今回の首脳会談、上下両院合同会議での演説を見て感じたことがあります。それは、戦後70年を経て、やっと日本はアメリカとの対等関係に立ったのではないかということです。

これまでの日米関係は、第二次世界大戦敗戦の影響で、日本が半ばアメリカの従属的な関係にあったのは事実です。一時的に、中曽根―レーガン、小泉―ブッシュ、といった個人的な親密関係があった時でさえ、アメリカによる経済的開放圧力の前に日本は屈せざるをえませんでした。アメリカの日本に対する絶対的優位はごく最近まで続いていたのです。

ところが、昨今のTPP交渉は、当事者間による激しいやりとりが行われているようです。これは、日本が堂々とアメリカにもの申しているからだと思われます。数年前の日本なら、日本側の妥協であっさりと進展するはずなのに、日本も引き下がらないようです。これほどタフに交渉する日本を見るのは、戦後になって初めてのような気がします。どうやら、日本もアメリカと対等の交渉ができるようになったと見受けられるのです。


集団的自衛権行使容認が日米間の片務性を解消した

この日米関係を対等化させた最大の要因は、日本の「集団的自衛権行使容認」にあることは間違いありません。

と申しますのも、国家というものは領土・国民・主権の三つの要素から成り立っているといわれますが、なかでも主権とは「国家が、その国の領土と国民を統治する権利」とされておりそのためには軍事的な防衛力が必要不可欠なものとなっています。ところが、日本の場合、日本国憲法によって「正当防衛や緊急避難も含めたあらゆる軍事力の保有と行使を否定した平和主義」という解釈が長年の間、まかり通っていました【※1】。
【※1】意外にも、かつての日本共産党は、日本国憲法を「急迫不正の侵害から国をまもる権利をもたない」ことを理由に反対した。

したがって、自衛隊はあっても日陰の存在にしか過ぎませんでした。日本が諸外国から侵略されずに独立を保持できたのは、ひとえに日米安保条約によるものなのです。ただし、日米安保条約は、一般的には「アメリカは日本を防衛する義務があるが、日本はアメリカを防衛する義務が無い」と極めて片務性の高いものといわれていました。したがって、対等な日米関係ではなく、軍事的にはアメリカの従属下にあったといっても過言ではないのです。これに対して日本の歴代内閣は、何も対策を講じようとはせず、在日米軍に対して金銭を支払うことで問題の本質を糊塗していただけなのです。

しかし、これでは、日本を守る米軍が攻撃されたときに、日本は「見て見ぬふりをする」態度にアメリカのみならず、世界の主要国から疑義がはさまれるのは当然のことです。それを、昨年(2014)の7月に、安倍内閣が「集団的自衛権行使容認」の閣議決定をして、「自国と密接な国が武力攻撃された際に、自国が攻撃されていなくとも実力をもって阻止する」と解釈を改めたのです。

これで、はじめて日本はアメリカと対等の関係が築かれたことになります。そうした事実の積み重ねの上での、安倍総理の訪米であるということを考えれば、日米首脳会談や上下両院合同会議での演説が、極めて重要なものであり、歴史的に大変意義あるものと理解できるのではないかと思います。


謝罪とは悲しみを共有すること

このような歴史的転換点にあっても、マスコミの一部や中国、韓国から「深い謝罪がない」と批判する人たちもいます。

しかし、彼らの要求は政治的な交渉を有利に運ぶための手段に過ぎません。これでは、明日の輝かしい国際社会をともに築き上げようという「未来志向」も「希望」も生まれません。

むしろ、現実は中国の思惑とは違い、結果的に日米同盟が強化されました。韓国も世界から孤立する可能性も出てきました。真実の謝罪を求めるならば、これを政治の駆け引きの道具として利用してはならないのです。

一方、日本政府と日本国民は、いきさつはどうであれ中国や韓国の深い悲しみを理解し思いやる気持ちを持つことが大切です。それが国際社会に調和をもたらす原理であり、国際的な紛争を終結させる力になると確信しています。


日米首脳会談と米国議会演説から読み取れるこ

アメリカは日本との関係をますます深めようとしています。

現在、アメリカにとっての最大の懸念は中国の存在です。驚異的な軍備拡張政策、基軸通貨のドルに対する挑戦であるAIIB(アジアインフラ投資銀行)には極めて強い不快感を抱いています。

また、アメリカは世界の警察官としての役割を続けるつもりですが、アメリカ一国だけではその維持が難しくなっています。いままで最大の同盟国だったイギリスが当てにならない状況の中で、本格的に日本を頼らざるを得なくなりました。アメリカも安倍総理の提唱(日本の国際協調主義に基づく積極的平和主義を通してテロリズム、感染症、自然災害、気候変動といった新たな問題に対し、共に立ち向かう)を大いに活用していきたいと考え始めているようです。

また、アメリカの友人から伺った話では、アメリカの国会議員のなかに「ミスターアベのような人物がアメリカ大統領になるべきだ」と思っている人が20人は下らないそうです。それほどインパクトが強い演説だったそうです。安倍総理には駆け引き無しの「世界の繁栄と平和」への思いがあるようですので、そのあたりが伝わったのではないかと思います。世界が変わる可能性が大きくなりました。

一方、日本の野党の認識は低すぎます。日本国民の8割ほどが安倍総理の演説に「特別なもの」を感じ、訪米を喜んでいるのですが、そんな中で民主党の枝野氏のコメントには、国民はがっかりしています。彼のコメントで民主党支持率がまた減少したように思います。野党各党も、「国際社会で求められていること」を考えて政治をしないと国民にそっぽを向かれそうです。


日米関係はかつてないほどの親密度の高さとなりました。日米が協調することで、国際社会の繁栄と平和や調和をもたらされる時代が到来しつつあるように思います。まさに、安倍総理のアメリカ訪問が、今後の世界地図を大きく変えていくことにつながりそうです。




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