赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

誰も語らない円安・物価高のもう一つの真実 コラム(434)

2022-06-23 11:08:47 | 政治見解



コラム(434): 
誰も語らない円安・物価高のもう一つの真実



知的営為を怠っているメディアに振り回されるほど愚かなことはない

メディアは、現在の円安・物価高が国民生活に悪影響を及ぼしているとし、岸田内閣の不支持率が上昇していると報じています。確かに、電力料金の値上げや食料品などの生活必需品の値上げラッシュの声ばかり聴けば、「政府策何をしているんだ」との反発の声があがるのは無理からぬことではありますが、その報道の裏には、参議院選挙での自民党敗北と、国防予算増を阻止したい狙いがあることは間違いありません。

メディアの最大の問題点は、現象の一断面を切って問題点ばかり見て、悪いことをことさらに強調、視聴者を彼らの世界観に引き釣り虚妄としている点です。物事は「禍福は糾える縄の如し」と言うように、悪いことばかりではありません。円安や物価高の原因をよく観察すれば、このところ低迷を続ける日本経済に大飛躍のチャンスをもたらすものであるかもしれないのです。

メディアがいつも見ているのは現象の負の断面です。いいニュースはほとんど載せず、悪いニュースばかりをこれでもか、これでもか、と報じます。世の中が暗くなっていくことに関心があり、いつも、「危機じゃ、危機じゃ」と叫ぶことに快感を抱くようです。その上に、元来の勉強不足で、現象を一側面から見ることしかできず、物事のもう一つの真実、善なる側面に気がつきもしません。

そんな知識もない知的営為を怠ったメディアの扇動に、どうして彼らよりレベルの高い人びとが扇動されてしまうのか私には不思議でなりません。ハナから彼らの言うことは正しいと思いこんでいるからかもしれません。しかし、彼らの報道レベルは中学生程度でしかありません。そろそろ、メディアのいうことは話半分で聞くことが重要だと思います。


円安・物価高を別の側面から見る

では、円安・物価高のもう一つの真実とはなにか。それは円安がなぜ起き、なぜ物価高になっているのかの深層を見出すことから始まります。この原因はすぐお分かりのようにロシアによるウクライナ侵略に端を発しています。戦争に対する経済制裁、これによりエネルギー価格の高騰が起き、連鎖反応でエネルギーに依存する食品とものづくりに大きな影響を与えました。また、世界的なIT関連の部品不足が物価高に拍車をかけました。

円安は輸入物価の高騰をもたらします。昨日まで100円で買えた物が、今日は120円払わないと買えない状況です。同じ物を手に入れるのに多くの円を払わないといけないわけです。しかし、一方で、円安傾向になると輸出企業の収益が改善し株価が上がる傾向にあります。自動車、ロボット、電子部品、精密機械、鉄鋼産業などです。

今夏の経団連大手企業16業種105社の夏季賞与は、21年夏と比べ13.81%増、1981年以降で最大であるようですが、報道の力点は日本経済が悲惨に向かっているという話ばかりです。メディアがいかに現象全体を見て分析する能力がないかを示していると思います。


円安・物価高こそ絶好のチャンス

ここで、一番重要なのは円安ということをうまく使って、――円安は米国の金利政策と連動していますので、米国のインフレに歯止めがかからない限り当分円安は続くと思います――日本国内での生産に努め、海外に輸出する。これには、かつての悪い円安期に海外に逃避した日本企業を呼び戻すチャンスにもなりますし、日本人のモノづくりにたけた高度な技術力がものを言うときがきます。そうなれば、賃金は上昇し、それをうけて雇用環境が改善されます。物価高に見合う以上の収入が得られれば、不労所得者以外文句は出なくなります。

かつて1ドル=360円という超円安の時代、日本は輸出産業を軸に高度成長をはたしました。そのときと世界情勢や社会環境、労働人口構成が異なってはいますが、モノづくりの会社にとってはロボットの導入などで一層の機械化と効率化をはかることによって生産性を高めることができると思います。

また自給率が低い農業の分野でも、個人経営から会社組織にして機械化することで生産性を高められると思いますし、エネルギー分野でも、ポンガミアのバイオ燃料利用で安価なエネルギーを利用する方法【※1】でエネルギー分野が開園されるかもしれません。

【※1】元東京大学宇宙物理学研究所教授、斎藤威の「ポンガミアは植物油のひとつ(one of them)というよりも、バイオ燃料として最も優れた唯一無二の植物油」との提案論文いただいています。文科系の私には極めて難解な学術論文ではありましたが、許可が得られ次第、要約を別サイトにて掲載する予定です。

要は考え方ひとつなのです。私が実業家なら、円安を好機ととらえ国内にITの中韓がまねできない「最先端」工場を作ります。資金が足らなければクラウドファンディングを利用します。最先端のIT技術は日本とアメリカしか作れないからです。

また、物価高は在庫がないことによるものだと分かれば、生産性をあげればいい。物不足の状態は、作っても、作ってもその場から在庫がなくなることを意味します。円安・物価高は見方を変えるだけで、日本掲載を立て直すチャンスにもなることを忘れてはなりません。


現在、メディアがこぞって騒いでいる円安・物価高の話は、選挙対策として政府批判に目を転じさせることと中国に配慮して国民の国防意識を高めないようにすることに主眼を置いています。そして、そのため、「ウクライナ疲れ」と言う言葉をはやらせて、ウクライナ問題はどこか遠くに飛ばせてしまいました。

本来は国家が存在できてこそ国民の生活ができるという国防問題の重要性を日常の生活に目を奪わせることによって忘れさせようという意図に満ち溢れています。

したがって、私たちはこれを機に、メディアを反面教師として、メディアの言うことと反対のことを考えて行動すれば国民全体が豊かになり、幸せになると考えることが大切だと思います。

「メディアを信ずれば損をする」ということを国民共通の認識にもっていきたいものです。



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