(原 光訳 2000年、沖積舎)
ダンテの「神曲 地獄」編 第17歌(カッコ内は筆子、その4)
◯しばしば岸辺に引上げられて半ばは水の中、半ばは土の上にある艀(はしけ)のやうに、あの暴飲暴食のド
イツ人たちの土地で、
戦はうと身構へる海狸(いるか)のやうに、この最悪の獣は熱砂を限る石の縁の上に凝(じ)つとしてゐた。
その尾はすつかり空中にのたくり、蠍(さそり)みたいに先端の尖つた毒ある熊手を高くひねり上げてゐた。(前回ここまで)
◯先達は言つた、「あすこに横はつてゐるあの邪悪な獣まで、わたしらはいま少し曲つて行かねばならぬ。」
それでわたしらは右側に下りて、熱砂と火の子を十分に避けるために、緑の上を十歩ほど進んだ。
わたしらが獣のそばに着くと少し向うの熱砂の上、切り立つ崖の緑に近く坐つてゐるものたちが見えた。 (つづく)
◯本日、6月11日(日)三位一体主日の日本聖書協会の、「聖書愛読こよみ」の主題は「聖霊の実」という。聖
書はローマ8章1~11節である。その1~2節、「従って、今や、キリスト・イエスに結ばれている者は、罪に定
められることはありません。キリスト・イエスによって命をもたらす霊の法則が、罪と死との法則からあなたを解
放したからです。」という。ここに、「キリスト・イエスに結ばれている者はの「に結ばれている」は口語訳では「キ
リスト・イエスにある」いう、パウロ神学の基調用語、キリストとの一体形を現しわたしたちの現在の罪も、過去
の罪も、更に未来に犯すべき罪すらもキリストは引き受けることを現す。
◯写真は、八女伝道所を伝道委員の稲葉一先生と南茂の二人が問安しました。(6月7日午後1時頃撮影)。
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