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大善人へ身魂磨き

大口真神(ニホンオオカミ)

『万葉集』には4500首以上の和歌が収められており、その和歌の中に日本オオカミも登場しましす。


大口の 眞神の原に ふる雪は いたくな降りそ 家もあらなくに 


という歌があります。


飛鳥時代の女官、舎人娘子(とねりのおとめ、生没年不詳)の雪の歌です。舎人とは、皇族や貴族に仕え、警備、雑用などに従事していた者のことです。


「眞神が原に降る雪よ、そんなにはげしく降らないでちょうだい。この先雪が止むまで待てるような家もないのですから」

山深い中で雪が降っています。狼の神様にお願いして、山の雪を鎮めてくださいと祈る切ない姿が思い浮かびます。


「大口の」は眞神の枕詞とされ、眞神(狼)の口が大きい意もあり、また一方では、「大口眞神原」がそもそもの地名だったという見方もあるようですね。

「眞神原(まかみがはら)」は現在の奈良県明日香村飛鳥あたりのようです。


大口真神は、三峯神社と次の日に参拝しました御岳神社の御眷属のニホンオオカミです。狼信仰🐺残る由緒とされているお話が日本書紀にでてきますのでご紹介します。 


「日本書紀巻第7 大足彦忍代別天皇 景行天皇」


(景行天皇といえば、ヤマトタケルの父であり、父に愛されない苦悩をヤマトタケルは胸に持っていた話がありました。


この、ヤマトタケルを白いヤマイヌ=白いニホンオオカミが導き、助けるというお話です。)


道を分けて、吉備武彦(きびのたけひこ)を越国に遣わし、その地形や人々のようすを監察させ、日本武尊は信濃国に進まれた。


この国は、山が高く谷は深く、青々とした嶺が幾重にも重なり、人は杖をついても登るのがむずかしい。


巌は険しく、石の坂道がめぐり、高峰は千々に連なり、馬も歩を進めることができない。


しかし日本武尊は霞をかき分け、霧を凌ぎ、はるかに大山を進まれた。


やがて嶺に着き、空腹となったので山中で食事をとられた。その時、山の神は王を苦しめようとして、白鹿に姿を変えて王の前に立った。


王は不思議に思い、一つの蒜(ひる)を白鹿に弾きかけると、(それが)眼に当たり、鹿は死んだ。


(※蒜(ひる)とはにんにくで、古くから肉類や虫毒の解毒に用いられました。強いにおいをもつもので邪気や害獣を追い払うという考え方は、古くから日本にもあり、現在でも「節分いわし」などに受け継がれているようです。


すると、王はたちまち道に迷い、出口が分からなくなられた。その時、白い狗が現れ、王をご案内するような様子をみせた。


その狗について行かれると、美濃にお着きになった。吉備武彦は越からやってきて、王にお会い申し上げた。


従来、信濃坂(長野県下伊那郡阿智村と岐阜県中津川市との間の神坂峠)を越える者は、神の邪気を受て、病み臥す人が多かった。


しかし日本武尊が白鹿を殺されてからは、この山を越える者は、蒜をかんで人牛馬に塗った。すると、神の邪気にあたらなくなった。


以上


信濃で鹿に阻まれるとは、古代に、鹿の神事をした志賀の神様、安曇族を思います。また、山深い地の信濃では、鹿の神事が太古から残ります。追いやられた国津神vs天津神の対立も想起させます。

信濃のタケミナカタ神にも関係があるのかもしれません。

以前も書きましたが、出雲タケルvsヤマトタケルの対決の、出雲タケルは私の中ではタケミナカタ神に被るのです。


山中でヤマイヌ(ニホンオオカミ)がヤマトタケルを導いたとするこの物語は、「送り狼」というニホンオオカミの習性に基づいているとする説があるようです。


ニホンオオカミには、自分の縄張りに入った人間の後をつけて監視する習性があり、このことから、「送り狼」というみたいですね。


「お礼を言うと守ってくれる」とも言われており、山中でニホンオオカミを味方につけることで、ヤマトタケルは険しい山道を越えたとも考えられます。


山深いところは、霧がでたり視界を遮られたりします。


霧の三峯神社とも言われるくらいで、私たちが行った時は霧は出ませんでしたが、姉が最初行った時は霧がでたようです。



姪っ子、この先に大口眞神のお宮があります。


険しい山中の霧は命取りになりますね。ニホンオオカミに護られたヤマトタケルの話は、三峯神社奥宮の雲取山、雲を掻き分けながら進んだ話なんかも想像させます。



雲取山

三峯神社奧宮参拝の帰りに鹿を見たり、



また、次の日に行く御岳山の遥拝場近くで、全国で2件しかやっていない鹿の太占の看板をみたりと、




古代を想起させる地だなぁ、神話で様々な対立をした神々でさえ、天界では力を合わせて日本全国津々浦々、ヤオロズノ神様が御眷属神を引き連れてお護りしてくださる国が日本なんだなぁ、関東はこの辺りからも強い力で守護してくださっているのかなぁと感じたのでした。



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