前回の富士久須志神社から、クスシ、クスについてです。
その言葉の響きから勝手に想像💭するものは☟です。
①地名の久須志(富士山、青森)
② 神仏習合信仰から薬師、くすり
③九重天や扶桑などの中国神話から、地名の久住連山(大分県)、熊野の九重
④太古の民族ら国栖(古代ツチグモ)、葛
⑤ 九頭竜信仰のクズ
⑥古代信仰から銅鐸(クスミ)
①②についてです。
久須志ですが、「須(すべから)く久しいことを志す」と読めます。つまり、不死かなぁと思います。また、不二は、二つととない🟰「一」ですから、全てを纏める象徴「太一」のようなイメージです。太一とは、古代中国における宇宙の根元を表す概念で、天の中心に位置する神格であり、大一、泰一、太乙ともいわれます。
太古富士には富士王朝があり徐福伝説があるようです。徐福は蓬莱山にある不老不死の仙薬を求め遥々海を渡ってきた話がありました。富士山は蓬莱山とも。
また、富士が「不死」とつながっているのは、かぐや姫の元になった『竹取物語』にも出てきます。
おじいさんが竹をとっていると竹の中から光り輝く美しい女の子が現れました。その子が成長し5人の若者たちから求婚されるのですが、かぐや姫から出される難問に撃沈してしまいます。最後に、帝が「后に来てくれ」と嘆願するも、かぐや姫は「私はこの世の者ではありません。もうすぐ使者がまいります」と言って、8月15日、月の光の中を昇天していくというお話です。この最後の場面に富士山が登場してくるのです。
今日は、8月15日。終戦記念日であると同時に、おとぎ話ではあるものの、かぐや姫が月の世界に還った日といえます。
姫は最後に「不死の薬」を帝に渡して天に昇りますが、「もう二度と姫に会えないのに私が長生きしても何の意味があろうか」と帝は嘆き悲しみ姫にもらった薬を富士山の頂上で燃やしてしまいます。
逢ふことも なみだに浮かぶ わが身には 死なぬ薬も なににかはせむ
そのときに詠んだ帝の歌です。
不死の薬の壷並べて、火をつけて燃やすべきよし仰せ姶ふ。そのよし承リて、つはものどもあまた具して山へ登りけるよりなん、その山をふじの山とは名付けける。その煙、いまだ雲の中へ立ち昇るとぞ言い伝へたる。
と竹取物語は締めくくります。
帝が「不死の薬」を山頂で焼いたから「フジの山」になったということと、もう1つ「つわものども🟰武士」がたくさん(富に🟰沢山)山に登ったから「富士の山」だという、2つ意味が「富士山」にかけられています。
不死の薬についてですが、神仏習合の江戸時代、須走口の頂上には薬師堂が存在し、9合目には迎薬師如来が安置されていたようです。
明治時代に入ると神仏分離令によって、
ヤクシ→クスシとなり、迎久須志之神社となり、迎薬師如来にかわり、御祭神は、薬事・医療を司る神・大己貴命と少彦名命の2柱が祀られているようです。
富士、不死の仙薬、薬。
噴火を繰り返す山だった富士山。多大な被害やそれに伴う疫病などもあったのだと思います。祈りと久須志の神。神仏習合では薬師如来。薬師如来は月光菩薩と日光菩薩とともにいる如来様。
大善寺ホームページより
富士山からは日の出も月も美しかったです。
そして富士山は人智で計り知れない、二つとない癒しのような気の薬が富んだ山のようにも思えました。
つづく