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あらためての記-血管肉腫と心タンポナーデ(11)

よく脱走もしたアジリティだけれど

やる時にはやる空組兄ちゃんでした

■2012年6月4日(月)の記/再びの生還

日曜日の昼から翌朝病院へ行くまでの21時間、普段は滅多に声を出すことのないアルファが、地の底から絞り出すようなうめき声を何度も何度も上げました。今から思うと必死で生き抜こうとしていたのだと思います。

朝が白々明けてくる中、病院へ行く支度をしましたが、家を出る時、何を思ったか、彼は庭までヒョロヒョロ歩いて行き、カイヅカの垣根の根元に伏せてしまって動かなくなりました。木と木の間に身体を挟んだような状態で、私たちが出そうとしても動きません。主人はオロオロしていましたが、私は『アルファっ!立てっ!!来いっ』と大声をあげました。するとその声にはじかれたように彼は身を起こし、木の根っこから出て来たのです。アルファはしばらく躾け教室に通っていましたが、あの時の訓練は、この日のためだったのかと思えるほどでした。あのまま、木の根元に居るとこの時点で命は確実になかったです。

二人で挑戦した家庭犬訓練競技会のCD1&CD2

病院へ着くと、すぐに応対してくれた先生は『アルファ君をお預かりしますので夕方7時くらいに迎えに来て下さい』と言いました。前回と同じ処置をするのだろうけれど、アルファの身体はまだ耐えられるのか、半ば覚悟を決めましたが、果たして午後7時、迎えに行くと、すっかり元気になったアルファが看護師さんの制止もきかず、ケージから飛び出してきました。再びの生還です。アルファを抱きしめると、それまで澱のようにたまっていた胸の中の色んなモヤモヤが一気に晴れていくようでした。

こうしてパッチワークのように命をつなげていくのはすぐに限界がくると分かっていましたが、今はただただ目先のことのみで十分です。しかしあと何回こんなことが起きるのだろう、今回もアルファは貧血にならずに済みましたが、そのうちきっと輸血が必要になる、つかの間の喜びの後、又モクモクと暗雲がたちこめてくるのは止めようがありませんでした。

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