2015年8月2日京都生まれの男の子、三代目アルファの成長日記です
ゴールデンアルファのブログ 「おいでアルファ」
あらためての記-血管肉腫と心タンポナーデ(13)
空組兄ちゃん2歳の頃
■2012年6月12日(火)の記/咳が出始めた…
この日の朝から、アルファは時折、咳をするようになりました。犬は、人間の咳とは少し違って、喉に魚の小骨でもひっかかって、それを吐き出そうとするような、そんな感じの咳をします。
ずっと以前にアルファは「ケンネルコフ」という“犬の風邪”にかかったことがあります。この「ケンネルコフ」というのは、伝染性の気管支炎で、アルファは犬が沢山集まるイベントに連れて行った時、そこで感染したようでした。その時に初めて犬の咳がどのようなものかを知りましたが、咳は頻繁に出る訳でもなかったので、最初は私も上記の通り、喉に何かがひっかかっているのだくらいにしか考えませんでした。幸い、ケンネルコフはお薬を飲んで2、3日で完治しましたが、その時と同じような咳が今朝は三度ばかり、間隔をおいて出ています。
心臓病には、①咳が出る、②運動をしたがらない、③失神、という特徴的な三大症状があるのだそうですが、特にこの場合の咳は、上記に挙げたような咳の仕方にくわえ、それが夜間や朝方に出るのだそうです。
アルファの死後に聞いたこの咳の原因について、件(くだん)の岩手大学の先生の所感は以下でした。
①腫瘍が大きくなり気管を圧迫していた。
これは、血管肉腫ができやすい右心耳は気管と近い位置にある為、そこの腫瘍が大きくなってくると、気管を下から押すような形になって気管が圧迫され、咳が出た。
②血液循環が悪くなった為、肺に血液がうっ血し、肺水腫となり、咳が出た。
肺は通常は空気で満たされて、ガス交換が行われていますが、そこに血液が鬱滞すると空気ではなく液体が貯留してしまい、ガス交換がうまくいかなくなり咳が出る。(肺水腫は心臓性の場合、心臓の働きが悪くなることで、血液の流れが滞り、肺の中に血液成分が漏れ出す状態です。俗に言う肺に水が溜まる症状のこと)
③腫瘍が肺に転移した結果、咳が出た。
心臓原発の血管肉腫は、高頻度に肺に転移する為、この転移によって、肺の機能が低下し咳が出た。
犬の心臓とその他の内臓諸器官の位置関係を改めて考えると、イメージながらも、下の写真・赤丸で囲った様態のように、アルファの心臓は腫れ上がっていたかも知れないし、そうでなくても肺にも気管にも影響を及ぼすのは当然で、上記のどの場合にも当てはまります。勿論詳しいことは、解剖をしてみないと分からないことですが、いずれにしても一層深刻な状態がアルファの身体の中で進行していたことには違いありません。
それでも、アルファは今日も食欲があり、見た目は健康な犬と変わりません。毎朝我が家の家の前で吠える散歩中のパピヨンに、いつもなら「ウォン」と一声、吠え返すのですが、今朝はお座りをして外を窺うだけで静かにしていました。それだけが、これまでと違う光景でした。