2015年8月30日は、参議院で審議中の戦争法案(安保関連法案)の強行採決阻止をめざす人々が国会及び周辺へ集結した。こういうことがあると警察はお決まりのごとく交通整理という名目の妨害を仕掛けてくる。「危険ですから」という決まり文句とともに警察は人々を鉄柵を使って狭いところへ押し込めて危険と混乱をもたらすのである。なんというか、警察はわざと危険と混乱を引き起こすことで怪我人の1人でも出れば、ドヤ顔で「(警察の)指示に従わないから」云々の屁理屈を持ちだして国民運動を弾圧していく口実を作ろうとしているのではないだろうか。こんな風に私は勘ぐってしまう。
私が国会前へ到着した時にはすでに鉄柵が決壊していた。私の眼前に拡がっていたのは、国民が本当に力をあわせて世論と運動を大きくしていくことで警察権力すら無力化させる状況だった。ある意味、強力(Gewalt)が警察権力の横暴を打ち砕いたと言えよう。とはいえ、人を殺傷するなどの暴力行為は行われず、あくまでも言論を前提とした行動があっただけだ。そのために、警察は手出しできなかった。
集団的自衛権行使は、自国が攻撃されていないにもかかわらず軍事同盟をテコにしながら武力行使することを意味する。また、軍事同盟は、仮想敵国を「創造」して武力を背景に他国を威嚇することそのものである。従って、戦争をしないことを国是として定め、さらには軍隊を棄てることを決めた日本国憲法に真っ向から反する。先制攻撃を含むアメリカの世界戦略に武力行使を前提とした形で自衛隊が組み込まれれば、日本は再び侵略国家になる。
憲法に反し、日本と世界の平和に脅威だけをもたらす戦争法案は、廃案あるのみである。安倍自公政権が戦争法案強行採決しようものならば、来年(2016年)の参議院選挙において自民党と公明党に破滅的な打撃を与えてやる。
※ここで使っている「強力」(Gewakt)は、政治を動かす様々な力の総称を表す概念として使っている。「強力」を武装蜂起を意味する概念ではないことをご理解いただきたい。