のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

サラとのお別れ

2013-07-06 | 仲間
 バイグーには、本当にお世話になっていて、特に車を運転出来なかった時には、いつも気に掛けてもらいました。車の修理中で足が無く、やきもきしている彼。一度でも多く引越しを手伝えるように、今朝は八時過ぎに出掛けて、彼の荷物を一度だけ運びました。
 それから駆け足で美容院へ行き、髪を切りました。
 ビューイングと言うサラとのお別れには、白い花を供えることになっていたので、買いに行きました。あまり白い花がなく、工夫をしなければなりませんでした。
 葬儀場に着くと、ステージ・マネージメントのみなさんなどが集まっていました。マリーヘレンさんは、
「みんなフォーマルな装い。でも、私の国でそれを着るのは、家族の人だけなのよ。だから私はこんなにカジュアルで。」
 そこにコーチのアルが訪れました。彼もスーツを着ていました。確かに、今日は礼服の人が多く見られましたが、私もフォーマルな喪服ではなく、黒い洋服を選んで着ただけでした。彼女はグレーの服でしたが、色の付いた服を着ている人もいました。
 みなさん、待ち合わせをしていたようなので、私は一人で中に入って行きました。名前を書き、サラの胸に置いて欲しいという白いバラを受け取り、中へ進みました。棺に入ったサラが、遠くに見えました。自分が持って行った花をテーブルに置くと、リオネルがそっと腕組みをして、一緒に歩いてくれました。彼はきっと、私のように独りぼっちで来た人に付き添ってあげようと、その場に残っていたのでしょう。サラに会うと涙が溢れました。リオネルを強く握りしめていました。いろいろなことを思い出し、さらに涙が出ました。今日来られなかった人達の思いも込めて、合掌しました。
 リオネルは、左に座っているのがサラのお姉さんで、とても良く似ていると、サラの方に歩きながら教えてくれていたのですが、お会いすると本当にそっくりで、
「ああ、サラだわ。」
 と、頬に触れてしまいました。彼女は
「そう言われます。」
 と微笑んで、
「彼女は安らかに眠っています。」
 と言ってから、お礼を言いました。一人一人にこうやって声を掛けていらっしゃるのでしょう。何と強い人なのかと思いました。
 お姉さんにご挨拶してからも涙が溢れてきて、予想を越えてたくさん泣きました。少し落ち着いて外に出ると、また涙が出てきて、ヴィクトリアがハグしてくれました。それから、ジムさんがいらして、彼の腕の中で泣いていました。
 ようやく落ち着き、彼らにお礼を言うと、注意深く運転を始めました。時々涙を流しながら、気を付けて運転しました。
 バイグーの住む、ラスベガスと住所に記されない南東の地域から、西の美容院、サラとのお別れに北へ向かい、今度は東に昨日の引っ越し時に壊れた車の窓の修理へ。予約をしてありましたが、一時間ほど待ってから説明があり、修理を開始。その後一時間十五分ほどで修理は終わりました。
 予想より早く終わり、バイグーに電話をすると、丁度トラックを借りたところだと言うので、貸し倉庫へ向かいました。中国人の仲間が次々に集まり、荷物を積み出しました。小さな荷物は、私の車に載せました。
 昨日と今日で、引越しがほとんど済みました。今日は忙しく、朝晩はダンホーのお母さんの手作りブリトー、昼にパン一つしか食べられないほどでした。でも、こういう時は、忙しくしていた方がいいです。頭も働かないので、身体を動かして、仲間と一緒に何かが出来て良かったです。