のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

NORIKO猫

2010-09-10 | イベント
 昨日迷った動物保護施設、Pets Lifeline、その後テントに行ってから尋ねると、頂いた地図の印が間違っていたよう。私は頂いた地図を簡単に描き直して持っていましたが、彼女は「この地図良くないわね。」と言い、紙を逆さにしました。彼女が説明を始めると何度も私の描いた地図が良くないというのですが、その理由が地図が逆さだからなのです。確かに、出発地点が手前で、到着地点が向こうになっていた方が見やすいので、居る場所が紙の下にあった方が分かりやすいと思います。でも、描いた地図は南が上になっていたわけでもなく、間違っているならともかく、悪いと言われるようなことは何もなかったと思うのですが、とにかく、頂いた地図の印が、通り一本南だったようです。今日は迷わず行けました。
 訪ねると、受付の方は見慣れない顔の私を不思議そうに見ました。それから、私が『Black Cat Cabalet』の出演者と分かるとボランティアに来たことが分かり、まずは中を丁寧に案内して下さいました。そして、「あなたの名前をつけた猫が居るのよ。」と。その猫は、仔猫用の部屋から、成猫用の部屋に移ってきたばかりだそうです。シャイだというその猫に、私の名前を付けたというところが、彼女達は私のことを知らないでしょうに、面白い偶然でした。犬は、昼間は外に居るということで、大きめの部屋に一匹ずつ入っていました。そのうちに、リハーサルでお会いした、お父様が日本人と言う方がボランティアにいらして、彼と一緒に犬の散歩に行く事になりました。良いお天気の中、のんびりとした散歩。散歩用の綱を持つことは、指導を受けた人しか出来ないということで、私は彼の横をただ歩いていました。Pets Lifelineには、犬を遊ばせる大きな広場もあり、ボランティアの方がいらして、そこでボールを投げたりして遊んでいました。彼女達は毎日のようにここへ来て、お気に入りの犬を中心に世話をしているそうです。私達も、そこで犬を遊ばせました。私は、今日ここで何が出来たということはありませんが、自分が出演させて頂いているチャリティショーが、どのように役立っていくのか、様子を伺うことができ良かったです。
 彼はこれからテントへ行くと言い、私も近くのプラザ周辺を少し見たかったので、一緒に自転車を走らせました。裏道を通って下さったので、たくさんのブドウ畑を眺めながら走ることができました。道端にあったブドウをつまんで食べるとワイン用は渋いのかと思っていましたが、そんなことはなく、小粒のブドウはおいしかったです。また途中でブラックベリーもあり、もう終わりという感じでしたが、食べられるものも少し見付けたので食べてみました。そこからファーマーズマーケットを通り、これからまだ何日も滞在するなら、ここで野菜を買いたいな、と思いながら、通り過ぎました。彼とはここで左右に別れて、私は街の中心、プラザへ。ワインテイストをした時に、おつまみを運んできたカフェはプラザ横にあり、そこでまずはランチ。焼いた野菜のサラダはおいしく、特にニンジンが甘くおいしく、それが顔に出ていたのでしょうか、何人もの人に何を食べてるのか訊かれました。それからプラザの周りを少し見、まだ少しお腹が空いていたので、パンを買ってプラザ中央の芝生の上で食べました。
 一度帰り少し休むと、髪を上げ、テントに向かいました。お化粧をし始めると、みんなもやってきました。リハーサルの日、昨日の本番一日目と長時間でしたので、今日は午後六時に来れば良いと言われていたのですが、みなさん早いです。今日はお化粧が上手く進まず、時間が掛かってしまいましたが、余裕をみて出掛けたので良かったです。
 夕食はピザでした。ベジタリアン、スモークサーモンの他に、マンゴーがのったものもあり、これがおいしいのです。焼いたチキンもありました。これにはものすごい数の蜂が集ってきました。蜂もおいしさが分かるようです。今日も本番前の夕食、少し控え目に食べました。
 舞台の様子を見ながらいましたが、やはり昨日と同じように、六時を過ぎないと使えませんでした。ジャニンとジュリがサウンドチェックを始めると、私の曲も弾いてくれたので、それに合わせることが出来、身体を充分に動かすことができました。
 陽が落ちると、寒くなってきます。テントを出て、外の“舞台裏”へ行くと汗が冷えて寒いのです。着替えなど急いで支度をして、身体を動かすようにしました。
 五分前のコールが掛かり、舞台袖で待機をしていましたが、しばらく待ちました。寒いので身体が冷えないように、たくさん動いていました。ソノマはラスベガスより湿度も高いからなのでしょうか、芝生が濡れ、履いていたバレエシューズもなんとなく湿ったようでした。
 私の今日の演技は、ロールのノリが少し悪かったですが、その他は大丈夫だったと思います。最後も走り去らず、舞台に残り、拍手を頂く時間を待つことが出来ました。
 第一部と第二部の間には、オークションが入ります。私達は、その間もお客様のところに行って、会場を賑やかしていたのですが、これがまた、長いのです。オリジナルのラベルをつけたワイン、一ヶ月に一度一年間に渡るお花の配達、電気自転車、ラスベガスの一泊パッケージは、MGMの宿泊と二百ドルの食事券、KAのチケットというものでしたが、バックステージツアーと音楽スタジオへのご招待が付いていたからでしょうか、番号札が次々に上がり、最後は二組がいつまでも競り合って、なんと五千ドルを超えて落札されました。多分、ソノマからラスベガスの航空券は付いていなかったと思います…。その後のブラジルへの旅は、一万ドルの価値があるものなのに、七千ドルぐらいにしかなりませんでした。
 第二部、今日はダランをホイールごと担ぎに行けました。ボディパーカッションでは、ほんの少し早まってしまいました。私はそれであっていると思ってやってしまったことなので、仕方ないです。
 たくさんの拍手と、みなさんと仲間の笑顔と、温かい空気に包まれて、ショーは無事に終わりました。私は、今までの人生にない、新たな喜びを感じていました。参加をさせて頂いて、本当に良かったです。
 帰り支度をしていると、衣装を買い取りたい人は、買えることになりました。それも寄付になるということなので、もうこの衣装を着る機会はないと思いましたが、買うことにしました。衣装は部分部分で売っていましたが、私の着た衣装は、一つだけ持っていても形にならないので、まとめて買うことにしました。
 全てが終わると、テント近くのピザ屋さんでパーティがありました。自転車の鍵がないので、私は一度帰り、歩いて戻りました。ソノマは、自転車に鍵を掛けず駐輪しておいても大丈夫そうなところですが、お借りしている物なので、慎重にすることにしました。
 パーティでは、お会いしたたくさんの方に、次々と声を掛けて頂き、喜びを伝えて頂きました。満たされていた心が、さらに温かく、喜びで溢れました。充実からか、あまりお腹が空いていないと思っていたのですが、結局、五皿か六皿食べました。みなで楽しく過ごす中、残念ながら一人のアーティストの調子が悪く、彼と一緒の家に宿泊しているアーティスト達、六、七人は、みな帰ることになりました。
 私は、去年KAのアーティストがこのショーの前に怪我をして、突然来られなくなった代わりに参加をして下さった日本人アーティスト、大さんと話をしていました。エネルギーに溢れている彼はとても興味深く、いろいろなことを伺えました。そして、彼が考案したという武幻を見せて頂きました。武幻は、彼の手によって次々に形を変え、とても面白かったです。
 それから話をした、ジャニンのお友達は、何度かお会いしたことがあるのですが、今日私の年齢を知り、とても驚いていました。彼女は私より二歳若いことが分かりましたが、彼女は私のことを年下、それも随分年下だと思っていたようです。
 とても楽しいひと時でしたが、大さんが帰る時に、私も帰ることにしました。帰っても心身の興奮状態が続いているので、夜はすっかり更けましたが眠れそうになく、荷作りを始めました。あとは、今着ているものなど、となったところで、寝ることにしました。

 何かのイベントに出演する時、バトンの発展を願い参加をし、たくさんの方にバトンをご覧頂ければと思います。でも、今回のチャリティーショーは、少し違いました。そこに集まった人たち、みなが動物保護施設の為にそれぞれが出来ることをしていたのです。チケットを買ってショーにいらして下さる方、オークションで絵を買って下さる方、お金を寄付して下さる方、舞台裏で働いて下さる方…、いろいろな方がそこに集い、みなが動物施設の資金集めの為に一つになっていました。私は一度に五千ドルも寄付することはできませんが、このショーの為に作品を創り準備をして本番に臨みました。それが私に出来ることでした。もちろん、このショーでバトンをさせて頂けることは、多くのバトンをご覧になったことのないお客様の目に触れることになり、いつもの願いを叶える一つの良い機会であったことは確かです。でも、何か違う世界が広がったような気がしました。
 今回、KAの仲間に声を掛けて頂き、このように素晴らしい経験をさせて頂けたことは、心の糧となり、私の人生をさらに活気付けてくれました。KAには慈善活動に積極的な人が多く、いつも感心していました。私は術を知らず、身動きずにおりましたが、自分にもできることがありそうです。肩肘張らずに、自分に出来ることをしていけばいいことが分かりました。また何かいい機会があることを願い、気負わずに、少しずつでも活動をしていけたらと思います。

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