Electrostorm Ball

　雨。それもパラパラではなくザーザーの雨。

　駐車場から歩く道、ふと目を向けると、
「あ、咲いている！」
　桜が咲いているのが見られました。一週間前にはまだまだかと思っていたのに、二つ三つ咲いていました。今日開花したような感じです。
「車で来て良かったね。」

　更衣室へ戻ると大きめの箱が置いてありました。
「あ、プレゼント…。」
　エレクトロストームボールです。すぐに彼を探しに行きました。
「ほら、僕の家に来たときに、ノリコ気に入っていたじゃない。だから…。僕もういなくなっちゃうし。」
　面白いものがあるものだと、それを興味深く見ながらしばらく遊んでいた記憶はあります。彼が覚えているほど凝視していたのかと思ったら恥ずかしくなりました。
「本当にいいの？ありがとう。ところで昨日スレイヴケイジした？」
　彼ではなく双子の兄弟のフローランの方でした。今度は彼を探しに。
　彼を見つけて昨日のことのお礼を言うと、彼は少しびっくりしたようでした。
「僕はタピルージュで話を聞いたことは覚えていないけど、状況を考えれば分かることじゃない。」
「でもね、ちゃんと考えて演技している人はあまりいないのよ…。」
「それさ、マリーヘレンに言ってよ。そしたら僕はここに残れるかもしれなし…。」
　と言って笑いました。彼は冗談でそう言ったとは分かりましたが、私は元々言うつもりだったので行きました。
　すると彼女もとても喜んで、教えてくれてありがとうと言いました。

　一回目のショーの後にあった方、多分、元“O”のアーティスティックディレクターに、
「今日のあなたのソロはとっても素敵だったわ。」
　と言われました。
　二回目のショーの後にあった方、アーティストの友達も、一緒に写真を撮って欲しいと言いながら喜んでくださいました。

　新しい振付もできました。今日は喜びの多い一日でした。