![]() | 落ちこぼれ―茨木のり子詩集 (詩と歩こう)茨木 のり子,水内 喜久雄,はた こうしろう理論社このアイテムの詳細を見る |
友人から「自分の感受性くらい」が入っている詩集の
お知らせメールが来て急いで本屋で購入。
ながらく目に触れる場所に置いていた詩のプリントを安心して処分した。
亡くなった後で刊行された詩集の話を新聞で読んだ記憶があり
てっきり↓と勘違いしていた。
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金パチ先生で登場など仰々しい帯封をみれば
買う前に分かりそうなものなのに相変わらず粗忽もの。
少年少女向けに水内喜久雄さんが選された詩が載っている。
はたこうしろうさんのメルヘン調の絵が
けっしてポップではない詩にやわらかみを感じさせる。
『知命』『廃屋』『十二月のうた』『椅りかからず』
深い詩がいっぱいの中から
息子目に触れないように
思わず隠したくなる本の題名にもなっている詩をひとつ置いておこう。
『落ちこぼれ』
落ちこぼれ
和菓子の名につけたいようなやさしさ
落ちこぼれ
いまは自嘲や出来そこないの謂
落ちこぼれないための
ばかばかしくも切ない修行
落ちこぼれにこそ
魅力も風合いも薫るのに
落ちこぼれの実
いっぱい包容できるのが豊かな大地
それならお前が落ちこぼれれろ
はい 女としてはとっくに落ちこぼれ
落ちこぼれずに旨げに成って
むざむざ食われてなるものか
落ちこぼれ
結果でなく
落ちこぼれ
華々しい意志であれ