陽だまりのねごと

♪~思いつきひらめき直感~ただのねこのねごとでございますにゃごにゃご~♪

禍転じて福と成す

2008-02-05 23:21:37 | Weblog
姑の心筋梗塞連絡が入って間なしに
息子から大学院受験失敗の電話が来た。
仕事中で抜ける訳にもいかず
終業まで動きが取れなかった。

息子の沈んだ声も気になったが、
職場からまっすぐ姑の病院へ走った。
姑の隣に住む親戚が病院へ付き添って
手術に立ち会ってくれてすでに帰っているとの事だった。
心筋梗塞は2箇所で、今日1か所処置して
1週間後に残りの手術と聞いてはいた。

ナースステーション繋ぎの処置室のカーテンの向こうで
酸素の管と点滴に繋がれて、姑は寝ていた。
相変わらず顔には描き眉がある。
即入院手術の容体であったろう出掛けに
ちゃんと身仕舞いが出来たとは、さすが姑らしい。

話しかけると少し小さいがしっかりと声が出る。
返答もさっき手術が済んだとは思えないほど普通。
家の牛乳やら新聞のストップの依頼を受けた。
親戚には冷蔵庫内の処分を依頼したと聞いた。
相変わらずの気丈夫。
「随分早く来たのね」と言うから「今は夕方の6時。」
職場からまっすぐに来たと言ったら、
「朝かと思った」と言う。
麻酔から覚めて一昼夜過ぎたと錯覚したようだ。

入院は最低10日との事。
たぶん大事には至らなかったらしい。

入院保証人やらやたら書き込む書類を仕上げて、各所に提出。
入院に必要な物品をナースに聞いた。
取りあえずしばらく紙おむつが必要らしい。
明日で良いと言われたけれど、
姑の様子は思ったよりしっかりしているから
明日もできたら仕事に行きたい。
その足で買いに行って届けた。

ひとり暮らしの家を病人がさかんに気にするから
取りあえず承った用事をしに姑の家に行く。
一人で入っては後から物盗られ妄想が怖い。
一緒に冷蔵庫や鍋、炊飯器等生モノの処理をして
牛乳屋や新聞屋の電話番号が分かりそうなモノを探す事にする。
日常、お互いに生活状況を知らない者同志。
真っ暗な家のスイッチの位置から分からなかった。

やっと我が家に辿りついて息子を見れば
予想どおりズドーンと漂う空気が重い。
うなだれて目が据わっている。
よろしくない兆候だ。

一応、残念だったねと労をねぎらってから姑の病状を話した。
私はだんだん疲れを感じてきた。

息子はいつもの

 「あきれているのか?」
 「怒っているのか?」

を連発する。
その内に、
明日でないと連絡の出来ない
牛乳屋やら新聞屋への電話は自分がしてストップすると言いだした。
母は仕事だが、幸い受験に決着がついたし自分は無職だと言う。
自分に出来る事はすると言うのだ。
この気持ちを大切に、私は任せる事にした。

「よろしくお願いね。どうもありがとう。」
と言ったら
「よし!それを言ってもらわなくっちゃ。」
と息子。

一言多い。人の気持ちが分からないから確認するんだろうが。
私は息子に姑の病院へ通ってもらうことにした。
どこまで頼りに出来るか?頼れるだけ頼ってみようと思う。
息子にも『成す事あり』っていいんじゃないかしらん?