陽だまりのねごと

♪~思いつきひらめき直感~ただのねこのねごとでございますにゃごにゃご~♪

小説・みすゞ  荻田 芳久著

2008-05-15 20:29:29 | 
小説・みすゞ
荻田 芳久
河出書房新社

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映画の脚本を書いた人が小説仕立てにしたもの。
遊郭通いの夫から淋病を移され
子をなしてから離婚。
実家へ帰っての自殺。
決して明るい生涯の人ではなかった。

夫以外の家族は皆あたたかな人であるのが救い。
みすゞが我が子ふさえに愛情深いのが救い。

感性の豊か過ぎる繊細な人に
この最悪の伴侶でなかったら、
みすゞの人生は違っていたかもしれない。

夫は映画に実名公開を拒んだそうだ。

しかし、小説は初めっから暗い。難解。
イメージ的な描写が凡なる脳みそでは理解不能。

朝4時起きで散歩、庭いじりと体を動かした後
昼食でお腹がふくれた
昼下がりに読み始めたワタシが悪いとは思うが、
途中でぐわ~~っと寝てしまった。
詩が書いてあるところだけ、目と頭が冴えたけど、
小説全般おもしろいとは言えなかった。
詩の書かれた原風景(漁港仙崎)についてはよく分かった。

そう言えば、
↓映画の方も明るいとは言えない感じだった事を思い出した。

みすゞ

紀伊國屋書店

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若くない日々  藤堂志津子著

2008-05-15 05:24:59 | 
若くない日々
藤堂 志津子
幻冬舎

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藤堂 志津子の本と言うと『恋愛』のイメージがあって
ここ最近、どっちでもいい気分でご無沙汰だった。
題名にちょっと興味が湧いてぺらぺらめくってみると
主人公は50代の独身女性。
私もボツイチとは言えもっか独身。(コブあり)

確かに題名どおり5つの『若くない』女性の短編が収まっていた。
50代にしてみれば30代も若い人なのだ。
先日、面接官が同世代とおぼしき女性で、
40前後の男性の事を『若い』と語った事を思い出した。

小説の方は
ふふふと笑え、ちょっと共感。同世代の女性心理はすっすっすと沁み込む。

あとがきより

  だれしも四十、五十年の人間をやっていると
  「いわくありの小さな歴史」がしぜんとからみついてくる…
   …
  悪くても、愚かでも、ずるくても、いいのである、
  一点チャーミングありさえすれば…


この一点チャーミングがないととお友達に成れない。
なかなかの人間観察。
藤堂さん自身実年齢に近い話はおもしろい。
この線でまた書いて欲しいなぁ~


最高の人生の見つけ方

2008-05-15 05:02:05 | 映画(DVD)
仕事をしている時に
ものすごくうらやましかったレディス・デイの恩恵にまだ預かってなかった。

最高の人生の見つけ方

副題が良かった。
『余命6か月、一生分笑う』
それに惹かれて出かけることに。

まるで違う人生を歩んできた余命6か月のがん患者が同室となる。
皮肉にもひとりはその病院のオーナーで
自説が
『病院はホテルではない。治療のためだから1部屋2人』

普通ではありえない大富豪が車の修理工と相部屋となる。
一代で財をなした大富豪はハチャメチャで品位のない性格で
恋に落ちた女性の妊娠で大学生活を自分の夢を断念し、
46年間家族を守るためだけに働いてきた実直で常識人の男。
彼がわずか通学した大学の哲学の授業で
棺桶に入るまでの人生でやりたいこと、見たいことの
‘棺桶リスト’を書いたことを思い出して
死を待つ病院ベッドでふただびリストを
メモしはじめたところから話は始まる。

もう生きている時間が少ない。
棺桶リストは
金はたんまりある大富豪なら、
動ける体力があれば全部実現可能に見え
ふたりで病院治療を止めて世界旅行へ出てしまう。

金で実現可能な事は終わってしまえば空しいが、
同病相哀れむ以上の友情や家族愛や納まるところへ納まって話は終わる。

大富豪の雇われ人である秘書が
ポーカーフェイスを保ちつつ
ちょっとコミカルでシニカルなセリフを吐く。
この脇役スパイスが効いていた。

死を扱っているのに重苦しさなし。
ユーモアたっぷり、スピードの娯楽性ありで退屈しなかった。

大富豪の金の使い方も
貧民の私には一生実現不可能なワケで痛快。

免疫力には笑いと言う説もあるが、
『おもいっきり笑う』事には相手が居る。
映画なんで
一人で観にいっても充分笑える。

これは『みんなで笑う』に成るのかな?