空夜 (講談社文庫) | |
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空山 (講談社文庫) | |
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このせわしない川柳漬けの時期に小説など読まねば良いのに、
図書館に返却本があったついでに、
一冊だけなら、
箒木蓬生さんの本なら集中してすぐ読めるから、
と、自分に言い訳して借りて帰った。
『空夜』は先に文庫本を買って読んでいた。
『空山』が続編になる。
『空夜』は著者にはめずらしい恋愛小説。
2つの大人の恋が絡み合って物語は進行してゆく。
結婚の意味も問われているような、ビターな恋ものがたりだった。
そして、続編はゴミ問題を取り上げた彼らしい社会派の小説に仕上がっている。
2000年発行である『空山』にすでに原子力発電所の放射性廃棄物が取り上げられていた。
物語の場所は福岡県筑後地方と架空の土地なっているが、
水神の舞台となった辺りを想像する。
主人公はワインの製造所を営む家に生まれ婿を迎え、村から短大時代以外には出たことのない女性。
あの辺りは確か葡萄の産地でもある。
小説の四季折々の景色描写もまた美しかった。
その中での薪能やら、ワイン祭り、ゴミ処理場の熱を使った老人集会所にもなる入浴施設と
興味を惹かれる地域おこしの話が絡んで読みさしで置いておけない。
ブティック経営者で空山では市議会議員になる友人女性や
村に移り住んできた藍染職人なども登場人物にあり
衣装にも細かい描写があって服好きな私のツボにここもハマった。
実は去年、人間国宝の人の手による藍染スカーフをかなり奮発して買ってしまっている。
良いものは良い。
これよりもう買えないから私にとっては一生物。
なんてことも思いながら、藍染には必須の清い水。
人間の営みで絶対に出るゴミ。
その処理でそれを汚していいのか?
薄っぺらい結論はいらない。
まさにフクシマからこっち人が地球を汚す事について
真剣に考えて行かなければとようやく本気になってきた我ら。
ふたたび言うが2000年には著者は警鐘しているのだ。
箒木蓬生の多才ぶりに関心しつつ堪能した。
さて、やっと読みおわった。
真面目に明日の川柳、かんがえよっと。
どうも、何かに差し迫ると横にちょろちょろ気が移る^^;
本日の歩数 17,800歩
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