約束という餌

かくてわたくしは約束のようなものを賜り
この往く年月幾度とその約束を繰り返し口走ることでしょう
たといその彼岸で彼の人の思惑が薄らいで逝くとしても
有効期限の中わたくしはそれこそ約束が為と酔いしれそこら中這いまわることでしょう
果たされるまでは
それをひっかけにひっかけて行ける、生きて
でもそれすらも賞味期限内において
期限を過ぎてなお果たされず
わたくしのきらう約束事に
成ってしまうときもあるのでしょう
したらわたくしはまた苦々しさを孕んでどこ見るでなく
目つきだけが凍るように
なったりするのでしょ、おおよそ
歳月重ねた色は其処で初めて咲く、ある種
舌の上に拡がった辛酸は全て板の上で花開くもの

落ちてこそなお美しいと感じるなら、むしろ
惨めさを欲する

首落ち椿に倣えば。