かさぶた

センチメンタルな夜があって

脳内にそういう水みたいなものが溜まって

面倒くさいな

ただ四季みたいなもんだから

しかたのないものだと分かってもいるから

むーん、としておって

ふと、かさぶたをはがすと

うまいこと、案の定、実は嫌だった、けど水が出てきて

ああ、じゃあ今からはこれに浸かるのかとか考えつつ

風呂上りのバスタオル干そうと物干し台に投げたら

物干し台を飛び越えて

「あ！！」

すぐ裏の家のかべにひっかかったからなんとかよくて

「やべえやべえ」とタオルを救出したら

水は全部引っこんでいた



クレマチスを覚えて

職場に行く最中見つけるんだけども

そしたら椎名林檎の茎を思い出して

歌詞を（覚えてるから）さらっと脳内で展開すると

改めて好きだなと思った



なんだかじぶんがしっとりしていて

それは「うるつや」に並ぶ商品の宣伝文句ではなく

幽霊みたいな

蛸の踊り食いをした後、みたいなテイストで

あんまりよくない


最近知った

さかな　という歌は

とてもとてもいいんだけど

今　それを考えるのは　私にはとっても準備が足りなくて　不利で　負けた

これが　しっとり始め




でも

バスタオルが

行きすぎて

涙が全部

持っていかれて


かさぶたが気になってはがして

しまって

それはやっぱり多少、うっかりまだ痛いけど

面白かったら

面白いこと、には

勝てない



１４の時

母の死別を　ずっと考えて

シッタカブッダ　を読み

最終的に

中島らもの　明るい悩み相談室で救われた

根っこは　変わらず



私は



少し残念なくらい
丈夫だな　　　　　と、思った。




安心した。