進行性核上性麻痺と闘った父とその家族の記録

進行性核上性麻痺と診断され6年2か月。89歳まで闘い抜いた父、それを支えた家族の記録。

リフレッシュ

2007-08-31 23:05:41 | Weblog
今日は仕事がなかったので、母を連れ出しました。
いつも一人で昼食を食べているので…

いつでも行ける所じゃないところに行こうよと、
ちょっと遠出をしました。

そこのお土産売り場で、母のお気に入りがあり、
数点買いこんでいました。
久しぶりだわ!と、とても喜んでくれました。
そのあとも、ショッピングもして、
いい気分転換になったようです。

それから二人で病院に行きました。

チューブを抜かないように抑制されているので、
手が固まってしまうようで、
掌を広げようとすると、「痛い!」と。

少し痛くても我慢しようねと言って、曲げ伸ばしをして、
さすってみました。
グー、パーしてごらんと言うと、できました。
ついでに、1は?と言うと、指が1本できました。
2は?と言うと、2本。

もう一回と思ったら、
「たいぎ~」と言われてしまいました。


「このまま帰りたい」と。

父にも口から何か入れてあげたい。。。
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リンゴの唄

2007-08-30 20:53:04 | Weblog
今日は大大大感激でした!
母は涙を流して喜びました。
父と会話ができたのです。
何かしきりに言いたそうだったので、でも聞き取れなくて。
そこで、
「発音練習しようよ」
「あ・い・う・え・お」というと、
すぐに
「あ・い・う・え・お」

「か・き・く・け・こ」というと、
すぐに
「か・き・く・け・こ」

「あ・か・さ・た・な」というと、
すぐに
「あ・か・さ・た・な」

ここで母は大感激!

リハビリに来てくださった言語聴覚士の方が、終わって「また明日来るね」
と言われたのに答えて、「もう来んでいい」だって。

そして、
「リンゴ」というので、「リンゴが食べたい?」と聞くと、何と!
「リンゴの気持ちはよくわかる」だって。
「リンゴの唄?」と聞くと、また
「リンゴの気持ちはよくわかる」

母と二人で、リンゴの唄を歌いました。おじいさん、この歌好きだったんだね。

そして、
「がんばる」と、はっきり。

最後は、うちの父に
「おじいさんによろしく」と。

そんな気遣いまでできた父に、母も私も大大感激でした。
返事がなくてもずっと話しかけてきたのがよかったのでしょうか?
明日もまた行くね。
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胃瘻へ向けて

2007-08-29 23:15:39 | Weblog
胃瘻へ向けての検査、準備が進んでいます。
父は今の状況をどのように理解しているんだろう?
大学病院で確定診断をしていただいたときの主治医からの説明は、
本人にはざっとの説明で、予後がどうなるとかは聞いていません。
ましてその時点で、自分で調べ事ができる状態ではありませんでした。
時々刻々と変わる自分の状態をどのように思っているんだろうと、
辛くなります。
説明しても理解したのかどうかを知る術もない。
ただ微かな表情の変化を感じ取るしかありません。
まだ、しゃべれる時に、主治医にしきりに聞いていました。
「これからどうなるのか」
身近な病気ならおよそ想像もつくけど、きっと、父には予想だにしない状況だと思います。
胃瘻造設についての検査や、いよいよの手術をどのように説明しようか?
いっそ、何も理解できないなら楽なのに…
話は全て聞こえてわかってる。
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散歩

2007-08-27 21:29:28 | Weblog
今日は、喉に痰が少なく声がよく出ていました。
いつぶりでしょう?
今日は父と会話ができました。
最初はいつものように「あ~」「あ~」しか言えなかったのですが、
「はるか」と。
入院する前に行っていた、小規模多機能ホームのことです。
「はるか」に行きたいねというと、うん。
はるかの人、おじいさんが来なくなって淋しくなったって言ってたよと言うと、
「あー」と。
それからしばらくして、「さんぽ」と。
お散歩行きたい?と聞くと「うん」
もう帰ろうかと思った時だったのですが、せっかくの父の思いを叶えてあげたくて看護師さんにお願いして、車いすに乗せてもらい、約20分、病棟を散歩しました。

松江城が見えていたようです。
20分間体が倒れることなく、ずれることなく座っていました。
いつもベッドで天井ばかり見ているので、きっと、つかの間のお散歩気分転換になったと思います。

明日は胃カメラの検査があります。

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今日の父

2007-08-26 21:40:55 | Weblog
昨日は東京日帰りだったので、父のところに行けませんでした。
一昨日も仕事でどうしても行けなかったので、二日ぶり。
耳下腺炎の腫れがほぼ引いていました。
具合が良くなったせいか、今日はいっぱい声が出ました。
話がわかる?と聞くと、「あ~」と。
yesは手を握ってね。というとギュッ!

今日はいろんなことを話しました。

そうしたら「帰る」というので、検査値の話をし、この数字がこうなったら帰れるってよ。というと、顔が穏やかになりました。
きちんと説明し、納得できれば、入院生活の苦痛も少しは減るのでは?

とにかく痰が多い!

途中で吸引をしていただいたら、声が余計に出るようになりました。
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母の気持

2007-08-24 21:17:49 | Weblog
今日は父の所に行けませんでした。
うちの父と母の介護認定の結果が出て、地域包括支援センターに行ってきました。
あっちもこっちも…です。
要支援1と要介護1でした。

入院中の私の父の容態は、耳下腺炎の腫れは少し治まってきました。
今日は腹部エコーの検査でした。
母は、今日もお弁当持ちで、一日中父のそばにいたそうです。
疲れが出るよと言ったら、「これでもう家に連れて帰ってあげれないかと思うと…」と。
でも、胃瘻になって安定すれば、在宅も可能だよと言っても、自分が父の看護をするのは自信がなさそう。
そりゃそうですよね。
80歳の母が、したこともないことをするのは、自信がなくて当然。
退院は順調に行って、9月末ごろが目途のようです。
その時に又考えようねと、母には言いました。

私は明日は会議で東京です。日帰りしますが、明日も父のところには行けません。
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胃瘻

2007-08-22 18:04:10 | Weblog
今日、父の病状説明と今後の相談がありました。
またまた、昨夜注入中にチューブを抜いたそうです。
それによる誤嚥性肺炎の危険性と父のQOLを考え、bestとは言えるかどうかはわからないけど、今はその方がbetterということになりました。
今起こっている耳下腺炎が治まり、肺炎の状態がよくなったら、胃瘻造設をするということになりました。
一度胃瘻造設をしても状態が良くなれば、経口摂取も可能とのこと。
この一言で、母も納得しました。
やはり母は、父の口に何か入れてあげたい。
父も食べたいと思います。

救急病院は長くいることができない。
これはどうしようもないことです。
今後どこへ行くのか、どこがいいのか?
今の状態ではまだ結論は出ませんでした。
でも、どう考えても、介護の場より医療の場が必要だということ。
どうやら、先は長そうでした。
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身障者手帳

2007-08-22 00:03:47 | Weblog
勧められて申請していた身障者手帳を取りに行きました。
身障者1級でした。
たくさんのサービスがあるようですが、すでに父は使えないものも多く、
タクシー券と、NHK受信料の減免の手続きをしました。
自動車税の免除もあるようです。

福祉医療になるようです。
でも、父は特定疾患の重症患者に認定されているので、
「進行性核上性麻痺」だけでなくすべて医療費が免除なので、
本当に助かります。
この病気が、国の特定疾患に認定されたのは、2005年だそうです。
それまでの患者さんはかなり高額の医療費を負担しておられたようです。
病状から個室なので、その負担もかなりですので、本当に助かります。

が、実にいろいろの所に役所回りをしなければいけません。
保健所・市役所・合同庁舎・NHK…
とにかく申請主義なので、患者もしくは患者家族が足を運ばねば何も始まりません。
患者家族は、しばらくはそれどころではないので、文書を見逃したり、後回しになったり、せっかくいい制度があっても、そんな理由で、恩恵を受けれていない人もおられるのではないでしょうか?
特に高齢世帯では、来る文書の理解ができないものもあると思います。
そして、看護・介護でお役所回りをする時がなかったり、足がなかったり。

いろいろ考えさせられます。
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耳下腺炎

2007-08-21 23:44:02 | Weblog
昨日、いつものように病院に行ってびっくり!
父の顔がいつもと違う。
左の耳の下が、驚くほど腫れています。
しかもかなりの熱!
看護師さんに聞くと、驚いて先生に。
急に出たようです。
ちょうど主治医がおられて診察してくださいました。
すぐに耳鼻科の先生を呼んでくださり、診察。
耳下腺炎とのこと。
口が開いているため乾燥して、開いている耳下腺の入り口から菌が入ったものだと。
抗生剤の点滴と、解熱の座薬をしてくださいました。

しんどそうな表情の父でした。

今日は母が一日付いていました。
私も夕方行きました。
まだ、腫れは引いていませんでした。
母がいるときは熱がまだ高かったようですが、私が行ったときは微熱程度まで下がっていました。

入院してても次から次からいろんなことが起こります。
この調子だと、老健施設はやはり無理のような気がします。

せめて、口だけでも動けば口の動きから言いたいことが少しはわかってあげられるのに。
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抑制

2007-08-19 19:45:20 | Weblog
午前中、一人で病院に行った母から電話がありました。
涙もろい私と違い、気丈な母で、今まで涙をあまり見たことがありませんでした。
その母が、今日は電話で泣いています。
びっくりしました。
今までもチューブを抜くといけないということで、両手を固定されていましたが、今日はその両手にさらにミトンがされていたとのこと。

かわいそうで、見ておられない。してあげられることがないのが辛い。
何でこんなことに・・・と。

私も、午後行きました。

看護師さんに聞きました。
昨日注入中に抜いたんだそうです。
幸い、誤嚥にはならなかったのでよかったですが。

入院時より栄養状態が改善して、ベッド上で動くようになり、固定していても位置がずれて、手でチューブが抜けたようです。
母は、一見、状態が悪くなったように感じたようですが、どうも逆で、栄養状態がよくなり、チューブを入れていることの不快感も感じ、ベッドでもごそごそ動けるようになったことはいいことだと。
でも、24時間見ていることは出来ないので、固定は仕方がないですが、それを見る家族は辛いです。本当に心が痛みます。

チューブが入っていることで、その刺激で痰が増えると。
一日に10数回も痰を取ってくださっているとのことでした。
この状態では、在宅はやっぱり無理ですね。

今日も病院に行っている間、全部はずして、ベッドに腰掛けて座りました。
20分くらい座っていました。

その状況を帰りに母に伝えると、ちょっと表情が変わり、安心したようです。
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一喜一憂

2007-08-18 18:35:10 | Weblog
今日はまた微熱が出ていました。
せっかく下がっていたのに…
熱があるとやはり反応が悪いです。

父の状態により、母も私も一喜一憂します。

また、母の口から「何で…」って。
今日は母も疲れた様子で、母のことも心配でした。

昨日、病院の看護師さんが父のリハビリをしてくださっていて、
一日に最低3回は口腔ケアをしてくださっていると。
とにかくきれいにしていないと肺炎になるから。
そして、ベッドに腰かけて座りました。
かなり長い時間座っていました。

「○○さん、絶対寝たきりにはさせないからねぇ」と。

うれしくなりました。

早く良くなるといいねぇと言うと、声を出していました。

どうしても日替わりの様態ですが、長期戦でいないといけませんね。
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老健施設と療養型病院

2007-08-18 14:21:00 | Weblog
父の退院後、どうするのかということで、老健施設と療養型病院どっちにするのか…
生活を重視するのか、治療を重視するのか?
どちらを望まれますか?と
と言っても、今の父の状態にもよりますよね。

老健施設に入ると、そこの医師が主治医になるとのこと。
父の場合、かなり専門的な病気を持っているので、それを不安に思いました。
肺炎を繰り返す状態で、老健施設では、点滴に入れる抗生剤にも限りがあるらしく、そういうことを聞くと、今の父には老健施設よりも、療養型の病院の方が適しているのではないでしょうか?
ただ、交通の便から言うと、かなり不便になります。

そして、費用のこと。
個室だと16万円だそうです。
老健施設は医療費もおむつ代もすべて含んだ金額になっているそうです。
父のように特定疾患で医療費がいらないものでも、変わらない。

その場になって初めてわかることが多く、戸惑いばかりです。

来週主治医とじっくり相談です。
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だいぶ話せました

2007-08-16 20:47:18 | Weblog
今日は、だいぶん話が成り立ちました。
といっても話すのはもっぱら私。
父は一言、もしくは一文字言うのがやっと。
でも、なんとなくその一言一文字で、何が言いたいのか少し分かりました。

「私やおばあさんや看護師さんがいうことは分かる?」
「分かる」と答えました。聞いてすぐに。しかもはっきりと。

「でも、おじいさんがいうことが分かってあげれなくてごめんね」
というと、
「ん~」と。

なかなか答えは分かってあげれないけど、こっちのいうことは分かるので、
いろいろ行く度に話を聞かせてあげようと思います。

私たちがついている間は抑制をはずしてもいいので、すこしでも、そばに居てあげたいと思いました。

なんて残酷な病気なの?
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ちょっと安心

2007-08-15 19:16:55 | Weblog
行ってきました。
この時間に行くと、主治医が病棟に来ておられたり、チューブで栄養剤を入れる時だったりで、看護師さんとも少しお話ができてよかったです。

今日は、「車いす」という言葉が言えて、20分くらい車いすに乗って、ベッドから離れられたそうです。
それから、夕方から夜にかけては、自力でベットに起き上がり、あぐらをかいて座ることもできると。
もうひとつ。
「私が言うことがわかったら、この手を握って」というと、すぐさまギュッと力強く握ってくれました。
「すごい力だね」というと、「うん」とまた声が出ました。

今日から栄養剤が400kcalを3回になっていました。
昨日までは300kcalを3回でした。
1回に1時間半から2時間かかるので、終わるまで付いていることはできませんでした。

帰りがけに主治医と話すことができ、ぼちぼち退院の検討をしようかと思っているとのこと。
今日は行ってよかったです。
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新しくブログ始めました

2007-08-15 16:18:52 | Weblog
食のアトリエ beneのブログの、カテゴリー「介護」から独立しました。

最近、本来の目的と違った方向の父の介護のことばかり書き込むようになってきました。 とても気になっていました。

これからは、父のことはこちらに書き込んでいこうと思います。

読んで下さっている方から、声をかけていただいたりして、皆様にご心配をおかけしていますが、これからもよろしくお願いいたします。

以前の記事をご覧いただく場合は、「食のアトリエ bene」で。

さて、父は、入院して10日が過ぎました。
一度熱は下がったのですが、2日前からまた微熱が続いています。
昨日は、MRIの検査がありました。
まだ結果は聞いていませんが・・・

鼻腔から、栄養剤を入れています。
この病気の特徴のひとつで、やや上を向いた角度で首の硬直があり、口がしっかり閉じません。なので、口の中が渇くと思いますが、誤嚥性肺炎の危険性が大きいので、口から入れてあげることができません。
昨日は声が出て、たぶん「帰る…」と言ったと思います。

帰りたいよね…

今日帰省中の娘と話したのですが、この病気とわからぬままの数年間。
今思うと、それでよかったと思います。
治療法のない難病とわかっての月日は辛すぎる。
父の場合、わかってからはまだ4か月です。
わかった時はすでに父が調べ事すら出来る状態ではありませんでした。
それでよかったと思います。
病名が分かったことで、現状に納得はしました。

まだ、話ができる頃に娘たちに言っていたようです。
「思い残すことのないくらい、したいことはした」と。
でも、100まで元気で生きると言っていた父ですので、この病気にならなったら…と、つい思ってしまいます。

病院に行きたいような、見るのがつらくて行きたくないような…
複雑な気分です。

ですが、これからやっぱり行ってこようと思います。
父は私たちが言うことは聞こえてわかっています。
誰が来たのかも。



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