世界最大のサンゴ礁地帯。広大な面積で,クジラ、イルカ、ジュゴンなど、生物も多様。珊瑚の敵 オニヒトデと 温度上昇などにより最近30年間に分布域が半減した。
オーストラリア北東沿岸に広がる世界最大のサンゴ礁で世界遺産に登録されている「グレートバリアリーフ」について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)が6月にも「危機遺産」に登録する可能性が高まっている。水質悪化などによって、最近30年間に分布域が半減したためだ。そこで豪政府と地元クイーンズランド州は、世界遺産海域での土砂の投棄禁止などを盛り込む初の保護計画を公表した。
危機遺産に登録されれば観光産業への影響は避けられず、豪政府は2050年までにらんだ長期計画を提示することで、ユネスコが結論を出す6月の国際会議を前に対策をアピールする狙いがある。
豪海洋科学研究所によると、グレートバリアリーフのサンゴ礁分布域は1985年以降50%減った。原因の内訳は、サイクロンや暴風による損傷48%▽オニヒトデによる食害42%▽海水温上昇に伴う白化10%。肥料由来の無機窒素の流入増加によるオニヒトデの大量発生や地球温暖化が背景にあるとみられる。
危機遺産に登録されれば観光産業への影響は避けられず、豪政府は2050年までにらんだ長期計画を提示することで、ユネスコが結論を出す6月の国際会議を前に対策をアピールする狙いがある。
毎日新聞 2015年03月23日
● グレート・バリア・リーフの絶景写真画像集