気の向くままに

終着はいつ、どこでもいい 気の向くままに書き記す

〽赤い夕陽が校舎をそめてニレの木蔭(こかげ)に…

2017-03-07 16:13:19 | 日記

〽赤い夕陽が校舎をそめてニレの木蔭に…昭和50年代初めだったと思う。カーラジオからこの歌が流れたとき、体が震えた。青春時代のあれこれが運転する全身にどっと押し寄せる感じだった

▼「高校三年生」。歌っていた舟木一夫さんは自殺未遂を繰り返すなど失意のどん底にあり、彼の絶頂期の歌はメディアから消え去っていた時期だった。久しぶりに聞く歌声に往時が一気によみがえった。

▼今朝、テレビのワイドショー番組で、「高校三年生」に連なる彼のヒット曲「あゝ青春の胸の血は」が突然流れた。53年前、東京五輪の年に生まれた歌である。何事か。安倍晋三首相、昭恵夫人を巻き込んだ森友学園騒動の一端で4月に開校予定の小学校の校歌に決めたというのだ。

▼西沢爽作詞、遠藤実作曲、〽溢れる若さあればこそ-で始まるこの歌は、旅立つ若者の気持ちを爽やに歌い上げるが、どう見ても小学生の歌ではない。

▼実はこの歌に好きな歌詞がある。「瞼にあわき花すみれ ゆきずりの君今いずこ」。これを小学校校歌にという発想は、どのような感覚から生まれてくるのか。こんな枝葉末節の事柄にもうかがえる学園責任者のゆがみ。問題の本質追及はこれからである。(佐)

2017年3月7日(火)山口新聞 四季風