気の向くままに

終着はいつ、どこでもいい 気の向くままに書き記す

符丁の世界

2017-03-10 19:55:36 | 日記

 スピーカーから無線の交信が聞こえる。「615(ろくいちご)、600(ろくまるまる)」。「パトロールのため出発」を意味する。警察が使う符丁だ。かつては警察の動きを探るため、本社夜勤席で一日中流れていた。

▼強盗事件は「236」だった。刑法236条が強盗罪を規定するためだ。犯罪被害者の名前も流れることもある。個人情報保護の要請から無線のデジタル化が進み、今は傍受はできない。

▼ある殺人事件を取材中、目撃者の1人が短銃のことを「道具」と表現した。暴力団関係者しか口にしない言葉である。隠語は仲間の会話でこそふさわしい。この人物からは正確な話は聞けないと判断し、取材を打ち切ったことがある。

▼安倍晋三首相との関連が注目され、さまざまな疑惑が出ている大阪の学校法人「森友学園」の土地取得問題でも隠語が飛び出した。理事長夫妻が自民党の鴻池祥肇氏と面会したときだ。

▼鴻池氏は渡された紙包みを「金かこんにゃくかは知らんが、投げ返した」と打ち明けた。中身は見舞いの意味を込めた商品券だったそうだ。こんにゃくは100万円を指すとも伝わる。

▼厚さ1センチほどでは手に持ってもどこか頼りない。1000万円の札束はレンガと呼ぶ。1億円ならば座布団となる。国民の財産である国有土地が座布団で何枚分も値引きされた闇は深い。

[京都新聞 2017年03月10日掲載]


◆ 自民・二階俊博幹事長、小池百合子東京都知事の処分の可能性に言及 自民党の二階俊博幹事長は10日の記者会見で、東京都の小池百合子知事を処分する可能性に言及した。小池氏は知事就任後も自民党籍のままだが、7月の都議選で自民党との対決姿勢を強め、国政進出をにらんだ最近の動きも念頭に、二階氏は「急いで『反党行為だ』と騒ぎ立てることもないが、目に余ることが続けば、党として毅然たる方向を打ち出さなければならない」と述べた。小池氏を牽制する狙いがありそうだ。

2017.3.10 産経