気の向くままに

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鼻白む(はなじろむ)反面教師

2015-03-08 09:35:34 | 日記

福沢諭吉が郷里中津藩を飛び出したのは19歳、安政元(1854)年の早春だった。「一度出たらば鉄砲玉」と腹を固め、蘭学修行で長崎に向かっている。1920年の米国では、ウォルト・ディズニーが初めて起業した。「最も有名な米国人」の、サクセスへの第一歩は18歳だ。

 ▼心身は限りなく大人に近いのに、法の上では未成年。18、19歳は子供から大人への端境期といえる。ただし、今の若者も福沢らと事情はさほど変わるまい。多くが高校卒業を迎え、進学か就職か、家を出るか否かで立ち止まる。誰もが何事かを選び、決め、前に進む。

 ▼その端境期もまもなく「大人」扱いになる。選挙権年齢を「18歳以上」に引き下げる公職選挙法の改正案が、今国会で成立する見通しという。憲法改正や安全保障、少子高齢化社会など難問のフルコースに、約240万人の駆け出しの「大人」たちは鼻白むだろう。

 ▼独り立ちについて述べた福沢の言葉をはなむけに贈る。「みずから物事の理非を弁別して処置を誤ることなき者は(中略)独立なり」(『学問のすゝめ』)。一国の独立はそんな国民の気概の上に成り立つのだと福沢は説く。まずは分かりやすい反面教師を示しておく。

 ▼68歳にもなった「元首相」が、クリミア半島への訪問を計画中という。ロシアが力で版図に入れた行為を、日米や欧州は認めていない。そこに元首相が行けば「日本は追認」と取られかねない。理非を解さず処置も誤る。恥ずかしながら、そんな大人も日本にいる。

 ▼新たな大人たちが同じ轍(てつ)を踏む心配はないとして、元首相を含む今の大人が山積みにした負債を分担させるのは心苦しい。国の行く末を共に案じる身としては、心強い援軍の到来を喜びたいところだが。

3月8日 【産経抄】

 

<memo>

「英国流、質素で豊かな暮らし方」   出口保夫著 柏書房

昨日、図書館から借りて読んだ一冊である。内容は、ライフスタイルとしてのシンプルライフについて読みやすく記述してあった。

ハニーサックル (スイカズラ)

 


小人閑居して・・・

2015-03-07 11:37:30 | 日記

民主・枝野氏、クリミア訪問計画の鳩山元首相を「元自民」と突き放し 「今は民主にも属していない」

民主党の枝野幸男幹事長は6日、鳩山由紀夫元首相がウクライナ南部クリミア半島への訪問を計画していることに関し「その方は元自民党の議員でもあり、元民主党の議員でもある。今は少なくとも民主党に属している方ではない」と述べ、不快感をあらわにした。国会内で記者団に語った。

 ロシアは昨年3月、クリミア半島の併合を一方的に宣言したが、日本を含め先進7カ国(G7)は承認していない。政府は鳩山氏に訪問を自粛するよう求めている。

 鳩山氏は自民党、新党さきがけを経て、民主党を創設。平成21年の政権交代直後に首相を務めた。24年の衆院選には出馬せず、民主党も離党した。

 枝野氏は「鳩山氏に話を聞かないのか」との記者団の質問に対し「話を聞く立場でもない」と鳩山氏を突き放した。別の党幹部も「ロシアに思い入れがあるのかもしれないが、控えてほしい」と困惑気味に語った。

関連ニュース

・鳩山元首相のクリミア訪問計画、菅氏も批判「首相まで務めた方…」(2015.3.6  )

・鳩山元首相がクリミア訪問を計画 「政府の立場と相いれない」と外務省が再考を要請(2015.3.6 )

・鳩山氏、ロシアでも放言?「常に米配慮の外交」と政府による制裁批判、プーチン氏側近に(2014.10.13)

・【沖縄知事選】普天間返還合意後は保守連勝 鳩山政権きっかけに辺野古容認に逆風(2014.11.2)

・鳩山氏、中国で政権批判(2014.6.21)
鳩山由紀夫元首相は21日、北京市で開かれた「世界平和フォーラム」で講演し、安倍政権が「中国脅威論を強調し、積極的平和主義の名の下に、日本国民に集団的自衛権の行使を受け入れさせようとしている」と批判した。

2015.3.6 20:12 産経より

 

 

 

<MEMO>


靴と刃物 

2015-03-06 12:46:05 | 日記

【駐韓米大使襲撃】オバマ氏側近でアジア重視のリッパート氏がなぜ? 米テレビは流血シーンを繰り返し放映

 

ブッシュ米大統領の身のこなしは見事だった。2008年12月、イラクを電撃訪問し、バグダッドで記者会見に臨んだときの出来事である。大統領は、イラク人の男性記者が突然投げつけた靴を姿勢を低くして避けた。「事実を申し上げれば、あの靴は10号サイズだった」などと、冗談を口にする余裕さえあった。

 ▼オバマ大統領は今回、冗談で済ますつもりは毛頭ないだろう。駐韓米国大使がソウルで、刃物を持った男に襲撃されるという前代未聞の事件である。命に別条はないものの、血だらけの大使の映像は衝撃的だった。超大国、米国の威信は大きく傷ついた。

 ▼現場で身柄を拘束された男は5年前にも、当時の駐韓日本大使にコンクリート片を投げつけ、逮捕されている。その際の取り調べに対し、「安重根のように歴史に名を残したかった」と語った。明治末期、初代韓国統監だった伊藤博文元首相を暗殺した人物に、自らを重ねていた。筋金入りの反日活動家による米国大使襲撃事件の背景には、何があるのか。

 ▼小紙の加藤達也前ソウル支局長に対する、不当な出国禁止措置が続いている。日本の寺から盗んだ仏像は、返さない。朴槿恵(パク・クネ)大統領の対日政策は、ただただ慰安婦問題を蒸し返すだけだ。米国務次官が最近の講演でやんわりたしなめると、猛反発の声が上がった。

 ▼先鋭化したナショナリズムは、とても成熟した民主主義国家とは思えない。そんな韓国の世論が事件にどのように反応するのか、何より気にかかる。まさか犯人を英雄視することはないだろうが。

 ▼実はブッシュ大統領の災難から1カ月後、記者の行為をたたえて、イラク北部のティクリートに靴の銅像が建てられた。今「イスラム国」の要衝となっている町である。

2015.3.6 【産経抄】


「はやぶさ2」、全機能正常 いよいよ小惑星へ航行

2015-03-05 12:56:33 | 日記

はやぶさ2の想像図=池下章裕氏提供


宇宙航空研究開発機構(JAXA)は3日、昨年12月に打ち上げた小惑星探査機「はやぶさ2」のすべての機能が正常に動くことを確認し、小惑星へ向けた航行に移ったと発表した。

JAXAは、はやぶさ2を打ち上げてから3カ月をかけて、エンジンや通信機器、電気系統、カメラなど、一連の機器の動作確認を2日までに終えた。現在、地球との距離は3590万キロ。

 今年11~12月ごろに、再び地球へ接近して地球の引力を利用し、小惑星「1999JU3」へ向かう軌道に入る「地球スイングバイ」をする予定。小惑星へは18年6~7月ごろに着き、約1年半の滞在後に地球へ向かい、小惑星で集めた石などを20年11~12月ごろに地球へ持ち帰る計画だ。(神田明美)

朝日新聞DIGITAL 2015年3月3日


巨大

2015-03-02 11:18:37 | 日記

 

重さ127キロの巨大ナマズ 全長2・6メートルと格闘40分

イタリア北部のポー川で全長約2・6メートル、重さ約127キロの巨大ナマズをイタリア人の兄弟が釣り上げ、話題になっている。米CNNテレビなどが伝えた。

 捕獲に40分かかったと話す兄弟の1人は「釣り上げるのに必要なのは忍耐と十分な体力だよ」と自慢げ。専門家によると、最大で全長約4・6メートルにもなるヨーロッパオオナマズとみられ、写真とビデオに収めた後、生きたまま川に戻したという。(共同)

2015.3.1  産経

 

米カリフォルニア州ハーフムーンベイで、カボチャの重さを競う恒例のコンテストが開かれ、933キロの巨大カボチャが優勝。世界記録には届かなかったが、北米で採れた最も重いカボチャと認定された。AP通信などが伝えた。

カボチャを育てた同州ナパの男性(56)もあまりの大きさに「参ったなあ」。賞金1万3千ドル(約137万円)超の大半は、今夏の地震で被害を受けた自宅の修理に充てるという。(共同)

2014.10.16  産経


3月 弥生

2015-03-01 12:13:34 | 日記

 

 
 3月を弥生と言うのは「いよいよ生い茂る」という意の「いやおい」が転じたらしい。日差しが力を帯び、生きるものの勢いが増す月。だから争いも激しくなるのか。語源辞典によると、英語の3月(March)は戦争と農耕の神マルス(ラテン語でMars)に、2月(February)は古代ローマの贖罪(しょくざい)の祭り(同Februa)に、それぞれ由来するようだ。

▲古代ローマでは2月が1年最後の月とされ、この月に汚れや罪をあがなう儀式をして3月から心機一転、新たな生活を始めたらしい。2月は清めの月で3月は戦い始める月だったのか。

▲これにならったわけではないが、2月にお伊勢参りをしてきた。神宮の深い木立の中を歩き、五十鈴(いすず)川の冷たい水に指をひたすと、心が洗われるようだ。年初から欧州でテロが続き、日本人2人もイスラム過激派の毒牙にかかった。この暗い流れを変えたいとの思いも込めた遅ればせの参拝、つまりは苦しい時の神頼みだ。

▲御利益のほどは心もとないが、伊勢神宮近くで泊まったホテルは故山崎豊子(やまさき・とよこ)さんと縁が深く、大作家ご愛用の机と椅子を公開していたのがうれしかった。窓際の机に手を置き、英虞(あご)湾を見事に染める夕日を見ていると、少し力が湧いてきた。

▲小紙出身の山崎さんは2009年、毎日出版文化賞特別賞の贈呈式で「私も弾磨きをいたしました。人を殺す弾を磨きました」と戦時体験を語っている。戦争で死んだ仲間の無念に応えようと書き続けた山崎さんを思い出し、争いのない3月になるよう願う。

▲過激派や軍隊の動きが目立つ国際情勢も、安全保障を論じる国内政治も、なにやらきな臭いけれど。

毎日新聞 2015年03月01日 [余録]