食卓は笑う (新潮文庫) 価格:¥ 460(税込) 発売日:1986-08 |
逮捕されたのはよかったと思うし、被害者の家族の方はほんの少し、ほっとされたのかな、と思いますが、加害者のご両親のこととか、もろもろ考えると重苦しい気持ちになります。
そして、昨日はもうひとつ、大きなニュースがあったのでした。
それは、俳優、森繁久彌さんの訃報。
私の年代でも、そうなじみがある俳優さんではないかな、と思います。私自身は、『知床旅情』の作者である、という印象しかなく、舞台での代表作の『屋根の上のバイオリン弾き』も、洋画の方を高校の時観ただけなのでした。
ただ、私は森繁氏、というと最初に思い浮かぶ小話があるのです。
それが、この『食卓は笑う』に載っているエピソードでした。
表紙を見て、うかがい知れるかもしれませんが、これは開高健さんが集めた、艶笑小話、つまりちょっとエッチなジョークの本なのです。
でも、ちょっと知性と品位、いや、そこまではいかないか、でも女性が読んでもそういやな感じはしない洒落たジョーク本であります。
ほとんどが海外のジョークなのですが、森繁氏作、という伝説がある艶笑小話があって、これが、もちろんエッチで、しょーもない、ともいえますが、素敵に洒落ているのです。
(とはいえ、ここに引用するのはちょっとはばかられます)
森繁氏自身も、きっと洒落た方だったのだろう、と思いました。
“サンライズ・サンセット”の哀感あるメロディも、思えばぴったりするような……。
ご冥福をお祈りいたします。