![]() |
紅の豚 [DVD] 価格:¥ 4,935(税込) 発売日:2002-03-08 |
ずーっと昔に、やっぱりテレビ放映で見た気はするのですが、ちゃんと通してみたのは初めてな気がしました。
ジブリアニメとしては地味な方で、小品というか大人の童話みたいな話だと思っていたのですが、まあそうとも言えるのですが、思っていたより切ない話なんだなぁ、というのが今回の感想でした。
宮崎監督って、空を飛ぶ機械が好きでしょう?この話はその原点のような、複葉機が山ほど出てきますよね。
私もあの機能美とか、レトロな雰囲気とかは好きなのですが、やはりあれは兵器なんだよなぁ、というのは考えてしまう。
けれど、この作品にはちゃんと死も描かれていて(というか結構死がそこかしこに潜んでる作品なのでびっくり。無数の複葉機が天空に昇っていくシーンは、美しいがかなり怖い)当然といえば当然ですが、空を飛ぶ爽快感だけを描いているのではないのだなぁ、と再認識したり。
それに、ポルコは郷愁の世界に生きているひとなんだ、と思ったり、誰もが好きになる美しい大人の女であるジーナが、でも飛行機の上で無邪気に笑っていた少女の頃からあまりにも遠い場所に立っているのが切なかったり。
(思えば、初めてこの作品を見た頃は私はフィオの歳に近かったけれど、今は充分にマダムの歳だからよけいそう感じるのかも。)
挿入歌にシャンソンの《さくらんぼの実る頃》が使われていて、どうしてかと長らく疑問だったのですが、今回なんとなく、腑に落ちた気がしました。
“恋の終わり おそれるなら さくらんぼの赤い実を 愛してはいけない……”
たしかこんな歌詞だったと思うのですが。
そのけだるく切ないメロディが似合う、ちょっとセピアな郷愁に満ちた映画でありました。